ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!

櫛田こころ

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第46話 兄妹の会話

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「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん~?」
「いつから、考えてくれてたの?」


 成樹がなかなか部屋から戻ってこないので、兄妹の会話をしてみることにした。別に実家でも出来なくないが、成樹と似た反応をしていた美晴もしていたのを見逃さない。大袈裟なリアクションはなかったが、年が離れていてもそこは兄妹だからわかってもおかしくなかった。

 だから、質問すればPCの動きを止めるどころか画面まで閉じてくれた。真剣に話を聞いてくれるようだ。


「ま、シゲと再会したときやから……五年前? 俺がシゲのおる本社に異動になってん。そこで意気投合」
「意気投合はもとからじゃ?」
「いや? この前謝ったやろ? あれは俺も知っとったから……最初はイラってしたわ」
「あ、そうなんだ?」
「でも、真剣に謝罪してくれたし。代わりでもなく、ずっと気にしててくれたらしいで……その足」
「ん。じゃ、もういいよ。ありがと」


 それだけの期間、藍葉の足を気にかけてくれた兄としての気持ちもあるなら……もう十分だ。成樹にも変に意識する必要もなくなったし、これから逆に『意識する相手』としての方が大事だ。玉砕する可能性は……高いか低いかはともかく、子ども扱いは多分されていないと思う。ただ、ひとりの女性扱いにするにしては、成樹の気遣いはまだ幼少期のそれに近かった。


「んで? シゲにいつ言うん」
「は?」
「告白」
「はぁ!?」


 次をどうしようかと思っていたら、心でも読んだかのように美晴が突っ込んできた。言い逃れしようにも、ここは成樹の自宅なので逃げられない。まだポイ活ファームの確認事項とかいろいろ終わっていないので、藍葉も待機しなくちゃなのと最寄り駅を調べていないからすぐに帰れないのだ。

 それを知ってか、美晴はニヤつきながらどんどん質問してきた。


「今日もあれやろ? あいつが藍葉と出かけるから、デートかと思ったんに? 俺はわざわざ起こされたんやから、聞く権利あるやろ?」
「いろいろめちゃくちゃ!! シゲくんは道の駅とかに連れてってくれようとしただけ!!」
「立派なドライブデートやん? なんで帰ってきたん? 誤解のは聞いたけど、そのまま出かけてもよかったんに」
「し、仕事! このままバグ続きだったら、あたしも出来ないじゃない!」
「いやまあ……変なとこで真面目やな? 落ち着くのに半日以上かかったら、ただ帰るだけやん。もったいないやろ?」
「……す、好きな人の家に来るのも勇気いるじゃん」
「……いっぱしの乙女やんな?」
「うっさい」


 実家にいるときもまったく会話をしないわけでもなかったが。ここまで『普通』に話すのも、ポイ活の仕事を持ってくる前にもあっただろうか。うじうじと大学生活を送るだけで、半分引きこもりだった妹を気遣う以上のなにかを美晴も得たのだろうか。

 そう思うと、藍葉も反撃してみたくなってきた。

 にやっと笑えば、美晴も『ン?』となるのも当然だったが、やれるだけやってみようと動いてみる。人差し指をさせば、後ろに下がるのも当然。


「おっ?」
「そういうお兄ちゃんには、誰かいるの?」
「お、俺?」
「モテる顔してんのはわかってるし。実は兄ちゃん絡みで手紙渡してとか言われたりしたんだからね?」
「……面倒な女は嫌いや。俺はまどろっこしい奴は相手にせん」
「そうじゃなくて。今現在、片想いしている相手! いないの?」
「……それが、おらん」
「いないの?」
「ピンとこんねん」
「インスピもなし?」
「ない」
「あら……」


 ここまではっきり言い返されてしまったら、さすがにツッコミをし続けても意味がないだろう。成樹もちょうど戻ってきたので、途中から聞いていたのか苦笑いしていた。


「こいつの趣味は結構コアじゃき。薄幸美人系が好みやと」
「うっわ~。めっちゃレアじゃん。そんなお姉ちゃん候補さん」
「うっさい! 俺の趣味に口出しせんで!!」


 とかなんとか、恋愛相談とやらは一時中断となったが。肝心のバグは半日調整がかかるので美晴が請け負うことになり。成樹は藍葉と少しだけでもドライブして来いと、美晴に家から追い出されてしまったのだ。


「……俺んちじゃけんど」
「送るだけでいいよ?」
「そりゃ、つまらん。デート再開させてくれんのか?」
「で、でーと?」
「昼間も言ったじゃろうに」


 半ば無理やりではあったが、やはりデートというのは本気の発言だったらしく。美晴の言う通り、告白してもいいのではという感じにはなってきた。
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