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第63話 服の作成は順調
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「見てみて~。クーちゃん!」
次の炊き出し前の打ち合わせに、リーナの自宅に邪魔している間。
リーナも管理者に依頼されたらしい『服作成』でつくった服を一式見てほしいと言われて待っていたのだが。
全体的にもこもこでふんわりしたイメージのそれは、今回は赤メインの着こなしだったが青でも似合うんじゃないかと思うくらいの可愛さだった。
「お~。女はそんな感じなんか」
帽子。丈夫な上着に、内側はワンピース風と足を保護する長い靴下ぽいの。頑丈な靴もあるので、雪の中でも滑らないつくりだ。クルスが仕立てた男物の方も、だいたい似た感じではある。
「明日はこれとか着て行こうよ。服は……無料で持ってかないほうがいいよね?」
「せやな。ヒューゴとかに頼めば、伝手あるんちゃう?」
「ん~……そーかも。そこは聞こっか?」
ヒューゴも含め、着替えに困っている避難民は多数いるだろうが。伝手もなく、勝手に配布も『ギルド』が良く思わないだろう。運営の機能が止まっているにしても、資金がまだ残っていれば民たちの生活の『希望』を見出せるかもしれない。
こちらは『関所』があるおかげで、必要以上の接触を断たれているから……クルスもリーナとしかいまのところ同士と呼べる相手がいないのだ。
(俺なんかが領主はあり得へんし……今くらいの生活がしばらく続けば)
と考えていても、リーナとのことはきちんとしなければいけないので、そこは片隅に置いておく。リーナは普段着に戻すのに着替えに行っているので、クルスは食事の後片付けをすることにした。
行ったり来たりの生活を最近は続けているので、本当に『恋仲』と勘違いしかけてしまいそうにはなるが……それはそれ、とこれも深く考えないようにしている。片付けが終わったら、リーナに『好きに使っていい』と言われた飲み物のストックを開けることにした。
棒にも見えるスティック状のそれには、種類ごとに『粉』が入っている。甘いものから薬草茶みたいなもの。さらには、コーヒーやスープまで色々あるのだ。クルスのところにはないが、リーナのところには種を埋めたあとから割とすぐに備え付けられていたそうだ。
「この携帯食は……便利やから、簡単にはな?」
「なにが?」
湯を沸かそうとしたところで戻ってきたので、間合いの入り方が計算していたなと苦笑いが出てしまいそうになる。
「この飲み物のやつや。使い方とか色々わかれば、炊き出しで人気になるやろ?」
「あーね。たしかに、使い方わかったら……ゴミ増えるね」
「俺らはゴミ出しのやり方が特殊やけど……これ、なにで作っとるん?」
「うん? 服と同じ錬成で」
「……俺んとこでも出来るか?」
「指示出てからの方がいいよ? 勝手にやると……錬成陣が消えてなくなるかもだし」
「こっわ! ……やったん?」
「ううん。前いたとこで、そんな失敗して怒られていた人がいただけ」
「……そうけ」
言葉を選んで教えてはくれるものの、リーナのことは知らないことが多過ぎる。生娘のこともだが、クルスにはない教養を多く所持しているから……貴族とはまた違う地位の人間の娘だったかもしれない。
今は互いに避難民であるし、地位や身分は関係ないと言えど。結局は田舎者出身者には、お嬢様を頂戴していいのか荷が重くて踏みとどまってしまう。
(……でも。あのヒューゴとかのように、自信ありげな俺だったとしても)
今のようにいっしょに過ごしてくれるかわからない。それだけは、クルスの得た特権だと自信が持てるようで嬉しかった。やはり、それなりに単純思考だったんだなとわかったのだ。
次の炊き出し前の打ち合わせに、リーナの自宅に邪魔している間。
リーナも管理者に依頼されたらしい『服作成』でつくった服を一式見てほしいと言われて待っていたのだが。
全体的にもこもこでふんわりしたイメージのそれは、今回は赤メインの着こなしだったが青でも似合うんじゃないかと思うくらいの可愛さだった。
「お~。女はそんな感じなんか」
帽子。丈夫な上着に、内側はワンピース風と足を保護する長い靴下ぽいの。頑丈な靴もあるので、雪の中でも滑らないつくりだ。クルスが仕立てた男物の方も、だいたい似た感じではある。
「明日はこれとか着て行こうよ。服は……無料で持ってかないほうがいいよね?」
「せやな。ヒューゴとかに頼めば、伝手あるんちゃう?」
「ん~……そーかも。そこは聞こっか?」
ヒューゴも含め、着替えに困っている避難民は多数いるだろうが。伝手もなく、勝手に配布も『ギルド』が良く思わないだろう。運営の機能が止まっているにしても、資金がまだ残っていれば民たちの生活の『希望』を見出せるかもしれない。
こちらは『関所』があるおかげで、必要以上の接触を断たれているから……クルスもリーナとしかいまのところ同士と呼べる相手がいないのだ。
(俺なんかが領主はあり得へんし……今くらいの生活がしばらく続けば)
と考えていても、リーナとのことはきちんとしなければいけないので、そこは片隅に置いておく。リーナは普段着に戻すのに着替えに行っているので、クルスは食事の後片付けをすることにした。
行ったり来たりの生活を最近は続けているので、本当に『恋仲』と勘違いしかけてしまいそうにはなるが……それはそれ、とこれも深く考えないようにしている。片付けが終わったら、リーナに『好きに使っていい』と言われた飲み物のストックを開けることにした。
棒にも見えるスティック状のそれには、種類ごとに『粉』が入っている。甘いものから薬草茶みたいなもの。さらには、コーヒーやスープまで色々あるのだ。クルスのところにはないが、リーナのところには種を埋めたあとから割とすぐに備え付けられていたそうだ。
「この携帯食は……便利やから、簡単にはな?」
「なにが?」
湯を沸かそうとしたところで戻ってきたので、間合いの入り方が計算していたなと苦笑いが出てしまいそうになる。
「この飲み物のやつや。使い方とか色々わかれば、炊き出しで人気になるやろ?」
「あーね。たしかに、使い方わかったら……ゴミ増えるね」
「俺らはゴミ出しのやり方が特殊やけど……これ、なにで作っとるん?」
「うん? 服と同じ錬成で」
「……俺んとこでも出来るか?」
「指示出てからの方がいいよ? 勝手にやると……錬成陣が消えてなくなるかもだし」
「こっわ! ……やったん?」
「ううん。前いたとこで、そんな失敗して怒られていた人がいただけ」
「……そうけ」
言葉を選んで教えてはくれるものの、リーナのことは知らないことが多過ぎる。生娘のこともだが、クルスにはない教養を多く所持しているから……貴族とはまた違う地位の人間の娘だったかもしれない。
今は互いに避難民であるし、地位や身分は関係ないと言えど。結局は田舎者出身者には、お嬢様を頂戴していいのか荷が重くて踏みとどまってしまう。
(……でも。あのヒューゴとかのように、自信ありげな俺だったとしても)
今のようにいっしょに過ごしてくれるかわからない。それだけは、クルスの得た特権だと自信が持てるようで嬉しかった。やはり、それなりに単純思考だったんだなとわかったのだ。
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