ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!

櫛田こころ

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第66話 ギルドマスター到来

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 炊き出しの途中で、雄々しい風貌の男が近寄ってきた。格好からして、ヒューゴのような冒険者よりも格上。もしかして、貴族連中かと思ったがクルスたちに接触してきたのは別の人物だった。


「はじめまして、だね。私はこの界隈を担当する生産ギルドのギルドマスターだ。ルドガーという」
「……ども。クルス、です」
「あたしは、リーナ!」
「元気なお嬢さんだ。……城の崩落であちこち混乱しているこの事態。本来我々ギルドがせねばならない、炊き出しを代わってくれた男女がいると聞いたが……君たちで間違いなさそうだね」
「勝手にしてすんません!!」
「いやいや、逆だ。こちらから礼を言わなくてはいけなかったのに」


 ルドガーは、もう三回目になる炊き出しについては『様子見』をしていたそうだ。

 一回目は気まぐれかもしれない。

 二回目は、接触するかの様子見。

 そして、今回の三回目で『善事業』ぽいものだと確信。なので、接触しにきたと。

 冒険者ギルドに所属していたヒューゴからの情報も得たうえで、改めて謝礼を受け取ってほしいとクルスに革袋を握らせた。今までなにも対処出来なかったからと、半ば強引に握らせたのは……ギルマスとしての落ち度だとはっきり言ったからだ。


「こっちはこっちで、まあ……上のもんに言われてやっただけなんで」
「……我々の上役と同じかどうかはわからないが。正直、助かったよ。こちらはこの天候のせいで碌に作物も討伐依頼の狩りも行えないからね」


 なのに、どうしてクルスたちは炊き出しを可能にしているかを質問してこないのは。先に、クルスが管理者のことを濁していったおかげかもしれない。歩兵時代に体調不良の理由を濁す言い訳にしていた虚偽発言が少し役に立ったとほっと出来た。ルドガーはほかに聞いている者もいるだろうかと、ここでは深く介入してこないようなのも助かった。


「あ、ねーねー。炊き出し以外に、『衣服』の配給も頼まれたんだけどー。生産ギルドに預かってもらうことって出来ないかな?」


 さらに、リーナが話題を変えてくれたのも助かった。話好きのこういう明るい面は、次の話題に切り替えれるのが早いので非常にありがたい。


「衣服? まさか、繕い作業まで?」
「ううん。ちょっと特殊なスキルとかで、作っただけ」
「……見ても?」
「いいよね、クーちゃん」
「おん。……男もんと女もんあるんで。見てください」


 それぞれの荷車に乗せてきた衣類の箱を開ければ、新品の衣類がたっぷり入っているのに……ルドガーはぽかんと口を開けてしまった。やはり、スキルという理由付け抜きにしても異例の仕事だったのだろう。リーナを見てもにこにこしているだけだった。


「……それぞれ、仕立てた?」
「みたいな感じで。俺が男の。女はリーナが」
「……そう、か。なら、衣類は列が殺到するだろう。うちが買い取るかたちにして、次の炊き出しへの資金にしてもらえないかな?」
「だって、クーちゃん」
「任せた方がええやろ? 俺らじゃ素人やし」
「だね」


 資金についてはきちんとしたものがあるのか、あの敷地で確認していないのでこれはありがたかった。貯蓄しておけば、なにかあったときに困るということはないはず。こちら側に行き来す機会が増えれば、リーナと出歩くときに支払いもクルスが出来るはずだ。

 なんだかんだで、リーナを優先にしたいあたり、この間の微妙な返事をしてないことを思い出したので……炊き出しが終わってから、ちゃんと話そうかどうしようか悩んでしまったが。

 とにかく、衣服の買い取りにかなりの資金をもらえたときにはふたりで口をあんぐりと開けてしまった。
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