ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!

櫛田こころ

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第121話 仕事の出来過ぎ

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 人間にしては仕事が出来過ぎだと、ナツ神は藍葉が寄越して来る任務のサインを整理するのに必死だった。

 次はあれを。今度はあちらを。

 片方が完了すれば、次は別を。

 その手順が早過ぎる。ナツ神の予想を軽く超えるくらいに早過ぎるのだ。藍葉の『ポイ活』のやり方が。


「はやいはやいはやい!!?」


 地表側では、また金貨の嵐でアップデートが始まっているのは仕方ないにしても。

 それを総無視するくらいの勢いで、藍葉が向こう側でがんがんポイ活の作業を進めているのだ。おそらくだが、ナツ神とのコンタクトを取る以上に『異世界ファーム』の環境整備をして……この極寒を『常春』にしようとしているのかもしれない。

 テトポリカを含める、この大陸はハル神を含め『冬を知らない常夏の国』だったのだが。その『初期設定』を美晴のデスクトップのデータかどこかしらで入手したのか。

 もっと、単純なことを言うのなら『何も知らないで本能で動いているのか』。

 阿呆とか馬鹿と言われるかもしれない行動をしているのなら、逆に天才と言えるかもしれない。藍葉は能力的には美晴の妹を除く、『一個人』としてもそれなりに周囲から評価をもらえる人材だからだ。

 とは言え、半月前と同じ状況を一瞬で再現どころか酷くするくらいとは思わないでいた。ナツ神の慎重派がばかばかしくなるくらいに、地底に張り巡らせていた『コード』がどんどんと解けていくのだから。


「……まったく。成樹のため以上に、地球の環境政策くらい簡単に出来そうじゃない。……それでも、こっちの整備は慎重にさせてもらうわ」


 『クロニクル=バースト』の関係者は、どれもが非凡な才能の持ち主ばかり。『加東奈月』を基軸にしながら、集まる人員らはどれもこれもが粒ぞろい。

 藍葉は比較的最後の方だが、若手でこの状況を生み出せるのだ。侮れないという言葉だけで片付けて終わりではないときた。


「……だったら。こっちも本領発揮といこうじゃない!!」


 夏奈と次のコンタクトを取るまでの環境整理に、『神の力』ではなく『神の血』をコードに浸透させ……地表の極寒環境を『溶かす』兆しを目指すくらいは可能だ。地表である『ファーム』にこれだけの支援金の現象を大盤振る舞いしてくれるのだから、クルスとリーナが避難している間にその対応くらいは可能なはずだ。

 そして、そのタイミングでナツ神が動くのであれば……来る者もいるはず。


「よっ! やっと、会えたな……ナツ」


 コードに血を一滴混ぜ込んで、いくつか溶かしただけなのに……来てくれたのだ。

 最愛で、最強の相対。ハル神。

『ハルニーディア』が、こちら側へ疑似的な干渉をすることが可能になったのだ。

 手を伸ばしても、まだホログラムのような幻影なので直接触ることは出来ない。

 だけど……何巡の滅亡と再興を加えたこの並行世界を構築させてきたことで、やっと会えたのだ。

 ナツこと、『ナーシャッツディス』にはこの上ない褒美。人間ではなくないのだが、感動以上の感情に心が震えて涙があふれてきた。
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