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第25話 捗る仕事など(リデル視点)
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心地よい感覚が手袋越しにでも、指で感じ取ることが出来た。
今までであれば、手を犠牲にしてまで『虹染め』を成すことを生業としてきたが。レティが父上たちを蝕んでいた『穢れ』を移したことで、まだ将来の己を諦める必要がなくなりそうであると希望が持てたのだ。
(黒ずんだ手で染めることがない。……俺が、一番最初に成功した時のあの感覚)
片手で数えられる年頃だったか。長子がアーストを、次子がセレスト。虹の左右にある『呪箱』を守るためだと、わざわざ国を二分化したとされているが。
レティという素晴らしい女性に出会えたことで、俺は……俺自身の在り方を、少しずつ変わっていいのだと彼女から教わった。即位するまでは、各地の虹染めと洗浄のために身を隠しつつも、生の素晴らしさを謳歌するだけだと思っていたのに。
出会った当初から、愛らしい姿だと思いかけていた彼女自身の『穢れ』が抜けた途端……俺は、初めて虹染め以外に執着したい対象が出来てしまった。
ふんわりした金の髪や艶やかな薄ピンクの唇に触れたい欲望。
最初は、もっと痩せた細い体つきもふっくらとしていて……俺がいっしょに仕事をしたい相手だと、スキルを見た時は思ったくらいだった。
結婚とかについては、義務感もあったため……嫌悪感がなければ誰でもいいという概念も本当。だが、国布の聖浄をやり遂げた時には、それ以上の感情だなんてとっくに心を占めていたんだと覚悟は決まっていた。
「素晴らしいですわ! 虹はこのように染められていくのですね!!」
国布ほど大きなのではないが、使いっきりにしてしまう虹染めの工程を見ただけでも、レティは俺を褒めてくれた。虹の先頭を示す、赤の染料のように興奮し切っている様子が……とても愛らしい。
まだ出会ったばかりであるし、俺のことも互いに知る必要が山ほどある。だからこそ、婚姻の申し込みはあらためてしなくてはいけない。
浅慮過ぎた自覚はあったが、スキル以外にも魅力的な女性であることは父上たちも気がついているのに。まともな生活をさせて来なかった、彼女の家には反吐が出そうなくらいに怒りが込み上がってくる。
可愛いことも。
美しいことも。
何もかもを、適当に与えただけで食事すら満足に与えないのが……貴族であれど、親がしていいことではない。クロノ様は任せろと言い切ったが、許されることなら俺が奴らに折檻以上の仕打ちをしたいところだった。
レティのこれからを『諦め』させたのが奴らであるなら……俺は、これまで以上にレティが希望を望める未来への手を差し伸べていこう。
冷酷無慈悲だと、他者からは爪弾きにされてきた俺を信頼してついてきてくれたレティ。今も興奮し切った表情で俺が染め上げを続けていくのを楽しそうに見つめてくれている。
出来れば、その楽しげな笑顔を横で見ていたい。義務感以上の感情は既にあり、いつも以上に染めの仕上げを丁寧にしようと手袋越しに魔力を駆使したが。
レティが染め上げた布で作った手袋だと、色記号のようにわかりやすく染料が光っていくだけだと思ったが。
「……消えてる?」
光が弱くなった箇所を覗き込めば、染料が薄くなっているように見える。他の染料を強く意識して魔力を送ると……本当に、手袋の染料も落ちていった??
レティのスキルの影響なのだろうか??
今までであれば、手を犠牲にしてまで『虹染め』を成すことを生業としてきたが。レティが父上たちを蝕んでいた『穢れ』を移したことで、まだ将来の己を諦める必要がなくなりそうであると希望が持てたのだ。
(黒ずんだ手で染めることがない。……俺が、一番最初に成功した時のあの感覚)
片手で数えられる年頃だったか。長子がアーストを、次子がセレスト。虹の左右にある『呪箱』を守るためだと、わざわざ国を二分化したとされているが。
レティという素晴らしい女性に出会えたことで、俺は……俺自身の在り方を、少しずつ変わっていいのだと彼女から教わった。即位するまでは、各地の虹染めと洗浄のために身を隠しつつも、生の素晴らしさを謳歌するだけだと思っていたのに。
出会った当初から、愛らしい姿だと思いかけていた彼女自身の『穢れ』が抜けた途端……俺は、初めて虹染め以外に執着したい対象が出来てしまった。
ふんわりした金の髪や艶やかな薄ピンクの唇に触れたい欲望。
最初は、もっと痩せた細い体つきもふっくらとしていて……俺がいっしょに仕事をしたい相手だと、スキルを見た時は思ったくらいだった。
結婚とかについては、義務感もあったため……嫌悪感がなければ誰でもいいという概念も本当。だが、国布の聖浄をやり遂げた時には、それ以上の感情だなんてとっくに心を占めていたんだと覚悟は決まっていた。
「素晴らしいですわ! 虹はこのように染められていくのですね!!」
国布ほど大きなのではないが、使いっきりにしてしまう虹染めの工程を見ただけでも、レティは俺を褒めてくれた。虹の先頭を示す、赤の染料のように興奮し切っている様子が……とても愛らしい。
まだ出会ったばかりであるし、俺のことも互いに知る必要が山ほどある。だからこそ、婚姻の申し込みはあらためてしなくてはいけない。
浅慮過ぎた自覚はあったが、スキル以外にも魅力的な女性であることは父上たちも気がついているのに。まともな生活をさせて来なかった、彼女の家には反吐が出そうなくらいに怒りが込み上がってくる。
可愛いことも。
美しいことも。
何もかもを、適当に与えただけで食事すら満足に与えないのが……貴族であれど、親がしていいことではない。クロノ様は任せろと言い切ったが、許されることなら俺が奴らに折檻以上の仕打ちをしたいところだった。
レティのこれからを『諦め』させたのが奴らであるなら……俺は、これまで以上にレティが希望を望める未来への手を差し伸べていこう。
冷酷無慈悲だと、他者からは爪弾きにされてきた俺を信頼してついてきてくれたレティ。今も興奮し切った表情で俺が染め上げを続けていくのを楽しそうに見つめてくれている。
出来れば、その楽しげな笑顔を横で見ていたい。義務感以上の感情は既にあり、いつも以上に染めの仕上げを丁寧にしようと手袋越しに魔力を駆使したが。
レティが染め上げた布で作った手袋だと、色記号のようにわかりやすく染料が光っていくだけだと思ったが。
「……消えてる?」
光が弱くなった箇所を覗き込めば、染料が薄くなっているように見える。他の染料を強く意識して魔力を送ると……本当に、手袋の染料も落ちていった??
レティのスキルの影響なのだろうか??
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