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第36話 契約説明
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わたくし、レイシアは……事実上、身寄りが全くなくなってしまいましたので。イリス=アースト国が保護してくださる形になりましたわ。
ですが、ただの保護ではなく……その。
(リデル様と、婚約することに!!)
おそらく、仮でしょうが。わたくしのスキルがお仕事に活かせる上での契約ということですけれど。でも、でも……どなたかに養護していただかなかれば、わたくしは元公爵家の姫君であれど、ほとんど世間知らずだったんですもの。
その契約書にはきちんと名前を記入させていただきましたわ。文字くらいは練習する時間はあったので、まあまあ美しく書けますの。
「では、これで。レイシア姫は我が息子の婚約者として受け入れよう」
アーストの国王陛下・ヴァイス様からの宣誓により、契約はこれで成立。書面はきちんと魔法でも紙が破れないように保護され、陛下の執務室にも本書を保管されるそうです。写しは、リデル様が何かあった時の証明として折りたたんでお持ちになられるそうですわ。
「レティ。俺に至らないところがあれば、遠慮なく言ってほしい」
「まあ、そんなことはありませんわ」
むしろ、わたくしの方があばずれで陰険な性格だと思っておりますのに。皆さまもですが、リデル様はとてもお優しいですわ。首を横に振れば、ふっと軽い吐息の音が。リデル様の口元を見ると、やわらかく弧を描いていましたの! 素敵な微笑みにうっとりしそうですわ!! 陛下がいらっしゃるので、まだ気を引き締めていないといけませんのに!!
「話し合いは、私が退室してからでいいかな? 仲睦まじいのはいいのだが」
「ええ。ですから、父上。さっさと退室願えますか?」
「……一応、国王なんだが」
「執務と儀はこれくらいでしょう。あとは、俺でも説明できます」
「……だそうだが、姫はそれでいいかな?」
「え、その……大丈夫、であれば。わたくしも構いませんけれど」
「……では」
半ば強引な押し出しにより、陛下が退室されてしまいましたわ。リデル様はわたくしとふたりでゆっくりされたいとおっしゃるようなのですが……これからの、旅路のお仕事の打ち合わせに陛下がいらしても問題ないのではと思うのですけれど??
「バカか、お前は!!?」
ただ、入れ替わりにディルスお兄様が扉を蹴り破りそうな勢いで入ってこられましたわ?! びっくりし過ぎて、肩が震え上がったと思いますの!!
「……何が、だ」
ですが、リデル様はいつも通り……というより、少し怒りながらズカズカ入って来られるお兄様に返事されていましたわ。
「契約とはいえ、ちゃんとお前が姫さんに説明出来んのか? 俺らイリスの子孫のひとりかもしれねぇ推測はあったにしても……甘やかしたいだけだろ。恩人抜きに」
「……ディーには関係ない」
「関係あるわ! 将軍としては姫さんの護衛なんだからよ」
「俺一人でいい」
「お前のなよっちぃ体術だけで、任せられるか。一応将来の国王にしてもだ」
「……やるか?」
「あ゛ぁ!?」
またびっくり続きですけれど……お兄様、こんなにも柄の悪いお人だったのでしょうか? リデル様という乳兄弟の前だから? そうだとしても……わたくし、大き過ぎる男性の声が苦手なんですの!! 図太くて、野獣のようで……昔、遭遇してなんとか倒した子熊を思い出すんですの。あの時の恐怖と焦燥感は二度と体験したくありませんわ。
「はい、殿下? ディー様。そこまでに」
ふわんと、肩に当たったやわからい髪の感触に振り返れば……お優しいリーリルお姉様がいらっしゃいましたわ!!
「助かります、お姉様!!」
「ああ、怖かったのですね?」
抱き着くのも本当は申し訳ないのですが、今は甘えさせてくださいな!!
ですが、ただの保護ではなく……その。
(リデル様と、婚約することに!!)
おそらく、仮でしょうが。わたくしのスキルがお仕事に活かせる上での契約ということですけれど。でも、でも……どなたかに養護していただかなかれば、わたくしは元公爵家の姫君であれど、ほとんど世間知らずだったんですもの。
その契約書にはきちんと名前を記入させていただきましたわ。文字くらいは練習する時間はあったので、まあまあ美しく書けますの。
「では、これで。レイシア姫は我が息子の婚約者として受け入れよう」
アーストの国王陛下・ヴァイス様からの宣誓により、契約はこれで成立。書面はきちんと魔法でも紙が破れないように保護され、陛下の執務室にも本書を保管されるそうです。写しは、リデル様が何かあった時の証明として折りたたんでお持ちになられるそうですわ。
「レティ。俺に至らないところがあれば、遠慮なく言ってほしい」
「まあ、そんなことはありませんわ」
むしろ、わたくしの方があばずれで陰険な性格だと思っておりますのに。皆さまもですが、リデル様はとてもお優しいですわ。首を横に振れば、ふっと軽い吐息の音が。リデル様の口元を見ると、やわらかく弧を描いていましたの! 素敵な微笑みにうっとりしそうですわ!! 陛下がいらっしゃるので、まだ気を引き締めていないといけませんのに!!
「話し合いは、私が退室してからでいいかな? 仲睦まじいのはいいのだが」
「ええ。ですから、父上。さっさと退室願えますか?」
「……一応、国王なんだが」
「執務と儀はこれくらいでしょう。あとは、俺でも説明できます」
「……だそうだが、姫はそれでいいかな?」
「え、その……大丈夫、であれば。わたくしも構いませんけれど」
「……では」
半ば強引な押し出しにより、陛下が退室されてしまいましたわ。リデル様はわたくしとふたりでゆっくりされたいとおっしゃるようなのですが……これからの、旅路のお仕事の打ち合わせに陛下がいらしても問題ないのではと思うのですけれど??
「バカか、お前は!!?」
ただ、入れ替わりにディルスお兄様が扉を蹴り破りそうな勢いで入ってこられましたわ?! びっくりし過ぎて、肩が震え上がったと思いますの!!
「……何が、だ」
ですが、リデル様はいつも通り……というより、少し怒りながらズカズカ入って来られるお兄様に返事されていましたわ。
「契約とはいえ、ちゃんとお前が姫さんに説明出来んのか? 俺らイリスの子孫のひとりかもしれねぇ推測はあったにしても……甘やかしたいだけだろ。恩人抜きに」
「……ディーには関係ない」
「関係あるわ! 将軍としては姫さんの護衛なんだからよ」
「俺一人でいい」
「お前のなよっちぃ体術だけで、任せられるか。一応将来の国王にしてもだ」
「……やるか?」
「あ゛ぁ!?」
またびっくり続きですけれど……お兄様、こんなにも柄の悪いお人だったのでしょうか? リデル様という乳兄弟の前だから? そうだとしても……わたくし、大き過ぎる男性の声が苦手なんですの!! 図太くて、野獣のようで……昔、遭遇してなんとか倒した子熊を思い出すんですの。あの時の恐怖と焦燥感は二度と体験したくありませんわ。
「はい、殿下? ディー様。そこまでに」
ふわんと、肩に当たったやわからい髪の感触に振り返れば……お優しいリーリルお姉様がいらっしゃいましたわ!!
「助かります、お姉様!!」
「ああ、怖かったのですね?」
抱き着くのも本当は申し訳ないのですが、今は甘えさせてくださいな!!
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