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第57話 レイシアを考えて①
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「リデル。考察としては、その布の浄化は合っているかもしれない。だけど、繭殿をほとんど連続で聖浄させてきたレティのことを考えてごらん? 相当、負担は大きいはずさ」
「クロノ様。わたくし」
「はい。君は今だーめ」
「?」
どうやら、わたくしがこの話し合いに加わってはいけないようですの。何故でしょうか?
リデル様ははっとした表情のあとに、ずっと黙ったまま……反省されているようですわ。たしか、ディルスお兄様にも似たことをおっしゃられたときと同じご様子。わたくしはちっとも気にしておりませんのに、皆様少し心配性な気がしますの。
ですが、クロノ様はまだお話を続けられましたわ。
「間に数日休みを取るとか。君たち、婚約したんならちゃーんと『デート』くらいしたら? 付き合いはまだ浅いんだし。いきなりキスとかしなよとまで言わないけど」
「で、デート!? き、ききき。キス!?」
「ほら、レティが意識してないからこうじゃない?」
「……はい」
なんてことをおっしゃいますの!? 契約……ではありますが、たしかにわたくしたちは認められた婚約者同士。手を繋ぐこともあまりですが、ハグもなく……その関係でキスも全然。
素敵な殿方から、素敵なキスを贈られたら……わたくし!! ただでさえ、お慕い申し上げていますのに、耐えられませんわ!!? 柔らかそうなリデル様の唇につい、目が向いてしまいますが!!頭から湯気が出そうなくらいに興奮しそうですのぉ!!?
「陽の陰側がせっついたかもしれないけど。僕の『目覚め』とか急がなくていいからさ? レティのために、ゆっくり過ごす時間くらい作ってやりなよ。リデルだって働きづめだったんだし」
「……そう、ですね」
「僕を心配するのは嬉しいよ。けど、無茶をしてまで身体を犠牲にしないで」
「クロノ様? それは」
「レティにはまだ内緒。僕はもう行くから、リデルにたっくさん甘えたら?」
とおっしゃってから、パシャっと水音が聞こえたかのようにクロノ様の姿が掻き消えましたの。あの姿は……きちんとしたお姿ではないのでしょうか? まだまだイリス国に在住して日の浅いわたくしにはさっぱりわかりません。
そのことも、リデル様にお聞きしてよろしいでしょうか?
「……レティ。クロノ様の言う通りだ。浄化はまたにしよう」
「……あの。わたくし、本当に」
「いや、考えたんだんだ。レティもほかの時間は自主的に勉強に励んでいただろう? 食事以外に『休み』を作っていなかった気がする」
「……そんな、でも」
「じゃあ。俺と休もう。もしくは、これをデートの申し込みにさせてくれないか?」
「で、でーと、ですの……?」
「いやかな?」
「い、いえ。殿方からは……その、はじめてですので」
「じゃあ、まずは慣れよう。そこからだ」
今すぐ、ということではないらしいですので方陣でお城に戻ってからは、リーリルお姉様に事の経緯をすべてお話したところ。
「まあ、殿下らしいデートのお誘いですわ。遠駆けでしょうか? それとも、城下へのお忍びに?」
「まだ。考えられていらっしゃるそうですの」
「なるほど。では、明日かもしれませんので今日もとびきり綺麗にお風呂で綺麗にしましょう」
「あ、はい」
穢れと関わったことに変わりはありませんから、たしかに身綺麗にしておくのはよいことですわ。スキルを使わずとも、高級シャンプーなどでそれなりに美しくなっていくわたくしの髪とかですが、癖っ毛には変わりありませんがどことなく輝いているように見えます。
何回か、スキルをここで披露し……体に溜まった汚れとやらをいっしょに出したからでしょうか? リデル様に褒めていただいたことがあったようなないような気がしますが、とにかく王太子妃になるためにも必要以上に磨きをかけねば!!
「姫様。デートの申し込みに、おそらく殿下が来られましたわ」
髪の乾燥を整えているところに、お姉様からそんなお知らせが!? 終わるまで待ってくださるそうですけれど、こんなタイミングはいけませんわ!! ですけど、適当には出来ませんのでメイドの方々にお任せしてからにしました。
軽装でも品の良い装いのリデル様は、わたくしがご挨拶すると左手を取ってひざまずきましたわ!?
「レティ。二日後に、ピクニックに行かないか? それまではゆっくり静養してほしい」
「二日、ですの?」
「俺の公務が少し溜まっている理由もあるが、レティが休む時間に使ってほしいんだ」
「……了解いたしました」
「ありがとう」
とおっしゃった、最後ですの!? お姉様やメイドたちが後ろに控えていますのに……額にキスしてくださいましたのこと!? そして、微笑んで去っていかれたら……わたくし、倒れそうになってメイドの方々が間に合ってお尻をつくことはありませんでしたわ。
リデル様、その微笑みは危険ですの!!
「クロノ様。わたくし」
「はい。君は今だーめ」
「?」
どうやら、わたくしがこの話し合いに加わってはいけないようですの。何故でしょうか?
リデル様ははっとした表情のあとに、ずっと黙ったまま……反省されているようですわ。たしか、ディルスお兄様にも似たことをおっしゃられたときと同じご様子。わたくしはちっとも気にしておりませんのに、皆様少し心配性な気がしますの。
ですが、クロノ様はまだお話を続けられましたわ。
「間に数日休みを取るとか。君たち、婚約したんならちゃーんと『デート』くらいしたら? 付き合いはまだ浅いんだし。いきなりキスとかしなよとまで言わないけど」
「で、デート!? き、ききき。キス!?」
「ほら、レティが意識してないからこうじゃない?」
「……はい」
なんてことをおっしゃいますの!? 契約……ではありますが、たしかにわたくしたちは認められた婚約者同士。手を繋ぐこともあまりですが、ハグもなく……その関係でキスも全然。
素敵な殿方から、素敵なキスを贈られたら……わたくし!! ただでさえ、お慕い申し上げていますのに、耐えられませんわ!!? 柔らかそうなリデル様の唇につい、目が向いてしまいますが!!頭から湯気が出そうなくらいに興奮しそうですのぉ!!?
「陽の陰側がせっついたかもしれないけど。僕の『目覚め』とか急がなくていいからさ? レティのために、ゆっくり過ごす時間くらい作ってやりなよ。リデルだって働きづめだったんだし」
「……そう、ですね」
「僕を心配するのは嬉しいよ。けど、無茶をしてまで身体を犠牲にしないで」
「クロノ様? それは」
「レティにはまだ内緒。僕はもう行くから、リデルにたっくさん甘えたら?」
とおっしゃってから、パシャっと水音が聞こえたかのようにクロノ様の姿が掻き消えましたの。あの姿は……きちんとしたお姿ではないのでしょうか? まだまだイリス国に在住して日の浅いわたくしにはさっぱりわかりません。
そのことも、リデル様にお聞きしてよろしいでしょうか?
「……レティ。クロノ様の言う通りだ。浄化はまたにしよう」
「……あの。わたくし、本当に」
「いや、考えたんだんだ。レティもほかの時間は自主的に勉強に励んでいただろう? 食事以外に『休み』を作っていなかった気がする」
「……そんな、でも」
「じゃあ。俺と休もう。もしくは、これをデートの申し込みにさせてくれないか?」
「で、でーと、ですの……?」
「いやかな?」
「い、いえ。殿方からは……その、はじめてですので」
「じゃあ、まずは慣れよう。そこからだ」
今すぐ、ということではないらしいですので方陣でお城に戻ってからは、リーリルお姉様に事の経緯をすべてお話したところ。
「まあ、殿下らしいデートのお誘いですわ。遠駆けでしょうか? それとも、城下へのお忍びに?」
「まだ。考えられていらっしゃるそうですの」
「なるほど。では、明日かもしれませんので今日もとびきり綺麗にお風呂で綺麗にしましょう」
「あ、はい」
穢れと関わったことに変わりはありませんから、たしかに身綺麗にしておくのはよいことですわ。スキルを使わずとも、高級シャンプーなどでそれなりに美しくなっていくわたくしの髪とかですが、癖っ毛には変わりありませんがどことなく輝いているように見えます。
何回か、スキルをここで披露し……体に溜まった汚れとやらをいっしょに出したからでしょうか? リデル様に褒めていただいたことがあったようなないような気がしますが、とにかく王太子妃になるためにも必要以上に磨きをかけねば!!
「姫様。デートの申し込みに、おそらく殿下が来られましたわ」
髪の乾燥を整えているところに、お姉様からそんなお知らせが!? 終わるまで待ってくださるそうですけれど、こんなタイミングはいけませんわ!! ですけど、適当には出来ませんのでメイドの方々にお任せしてからにしました。
軽装でも品の良い装いのリデル様は、わたくしがご挨拶すると左手を取ってひざまずきましたわ!?
「レティ。二日後に、ピクニックに行かないか? それまではゆっくり静養してほしい」
「二日、ですの?」
「俺の公務が少し溜まっている理由もあるが、レティが休む時間に使ってほしいんだ」
「……了解いたしました」
「ありがとう」
とおっしゃった、最後ですの!? お姉様やメイドたちが後ろに控えていますのに……額にキスしてくださいましたのこと!? そして、微笑んで去っていかれたら……わたくし、倒れそうになってメイドの方々が間に合ってお尻をつくことはありませんでしたわ。
リデル様、その微笑みは危険ですの!!
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