スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜

櫛田こころ

文字の大きさ
68 / 77

第68話 満たされた心

しおりを挟む
 とても、満たされた気持ちですの。

 リデル様が……わたくしのことを、その、『好き』でいてくださったことが勘違いではなかったことが。

『婚約はあくまで契約』。

 などと、言葉を鵜呑みにしていたのはわたくしだけだったようです。わたくしの気持ちはともかく、リデル様の方はディオスお兄様たちにかなり分かり易くバレてしまっていたようですの。

 ですから、おそらくクロノ様も今回のデート提案をおっしゃったのだろうと。

 わたくし、リデル様が常にお優しいですから……てっきり、そちらが普通だと思っておりましたもの。


「レティにだけだ。尽くしたいと思った女性は」


 キスを堪能されたあと、ぼーっとしかけたわたくしにとても嬉しい言葉を告げてくださいました。

 抱きしめ合ったままでしたが、恥ずかしくて目を逸らしてしまうと頬に軽く口づけられる……甘々な雰囲気に、身も心も蕩けそうで大変ですわ。男女のお付き合いとは、本来こういうものなのでしょうか??

 元婚約者の浮気現場では、悔しいような感情はあったのですが。今振り返っても、ちっとも悔しくありません。リデル様の方がずっとずっと素晴らしく、恋い慕うお相手だからかもしれませんわ。


「そ、そう……でしょうか?」
「……君は自分を卑下しがちだ。俺にとっては宝石と同じかそれ以上に大事にしたいのに」
「あ、ありがとう……ございます」
「ふふ。もっと、俺を欲してくれ」


 さらに、甘々になっていきます。その、男女のお付き合いの先にある行為は、一応教育みたいなのは受けているところですが。

 ここは外。

 誰かが来るかの保障はありませんが!?

 いきなり、外でだなんてありませんよね?!


「えっと……このあと、どうされます??」
「……それは、俺に聞いていいことでもと?」
「え?」
「押さえのない俺の欲情を、ここで露わにしてもいいということなのか?」
「い、いえ!? そこまでは!!?」
「はは。それは冗談だ」


 リデル様。それは冗談にしても心臓に悪いものでしかありませんわ!!


「……解放的に、なっていませんか?」
「君の想いも聞けたし、触れ合えたからな? そこは許してほしい」
「あ、はい……?」
「君からも、俺に触れて構わないんだが?」
「え、そ、その……!?」
「そこは冗談じゃないんだが」
「……今が、限界です」
「これくらいでか?」


 ダメですわ。リデル様の口角が緩んでしまって、眩しいほどの笑顔が全開ですもの!! 

 世のレディは、いずれ旦那様になるとの時間をどのように過ごされているのでしょうか? リーリルお姉様にもっと、お兄様とのことをご教授願えばよかったですわ!!

 しかし、現実は自分でなんとかしなくてはいけませんので……頑張ってみましたが、ハグで精いっぱいでしたわ。自分からキスを強請るなんて高レベルな手法は出来ませんでした……。


「……これくらい、ですの」
「可愛らしいが、俺としてはもっと」


 と、顎に手を添えられ……心ゆくまでキスを再開されたので、腰砕けになってしまいましたのぉ!!?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について

えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。 しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。 その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。 死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。 戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。

<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。 本編完結済み。 続きのお話を、掲載中です。 続きのお話も、完結しました。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!

永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手 ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。 だがしかし フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。 貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。

学生時代、私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私が実は本物の聖女で、いじめていた女は災厄を呼ぶ魔女でした。

さら
恋愛
いじめていた女と一緒に異世界召喚された私。 聖女として選ばれたのは彼女で、私は無能扱いされ追放された。 だが、辺境の村で暮らす中で気づく。 私の力は奇跡を起こすものではなく、 壊れた世界を“元に戻す”本物の聖女の力だった。 一方、聖女として祭り上げられた彼女は、 人々の期待に応え続けるうち、 世界を歪め、災厄を呼ぶ魔女へと変わっていく――。

無関心夫の手を離した公爵夫人は、異国の地で運命の香りと出会う

佐原香奈
恋愛
建国祭の夜、冷徹な公爵セドリック・グランチェスターは、妻セレスティーヌを舞踏会に残し、早々に会場を後にした。 それが、必死に縋り付いていた妻が、手を離す決意をさせたとも知らず、夜中まで仕事のことしか考えていなかった。 セドリックが帰宅すると、屋敷に残されていたのは、一通の離縁届と脱ぎ捨てられた絹の靴。そして、彼女が置いていった嗅いだことのない白檀の香りだけだった。 すべてを捨てて貿易都市カリアへ渡った彼女は、名もなき調香師「セレス」として覚醒する。 一方、消えた妻を追うセドリックの手元に届いたのは、かつての冷たい香りとは似て非なる、温かな光を宿した白檀の香水。 「これは、彼女の復讐か、それとも再生か——」 執念に駆られ、見知らぬ地へ降り立った公爵が目にしたのは、異国の貿易王の隣で、誰よりも自由に、見たこともない笑顔で微笑む「他人」となった妻の姿だった。

聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。

三月べに
恋愛
 聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。  帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!  衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?  何故、逆ハーが出来上がったの?

処理中です...