スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜

櫛田こころ

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第67話 やれやれ(クロノソティス視点)

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 ひとつの区切りがついた。

 リデルとレイシアのことだけれど。

 繭殿の陽の方角を解放してくれたこともあり、レティ自身の魔力が大幅に消費していたのを心配していたが。

 水鏡で様子をちょこっと見ていたら、『おやまあ』な出来事になっていたよ。ちゃんとお互いの気持ちを確認し合っていた最中だったとは。

 少しうらやましく、少し気恥しいきがした。孫神では長兄の僕がねぇ? フィーのところでは、『あの子』も気づくのが相当遅かったけれど……こっちの方が早かったかな??


「ふふ。想いを通わせて、次は月の方角か……むしろ、その方がいいかもしれない」


 月が欲するのは『格別な癒し』となる魔力だ。意気込んで強い魔力のこもったスキルで穢れを落としてもいいだろうが。

『愛情』を知った今のレティなら、もう少し『いつくしみ深き心』とやらが分かったと思えるんだよね? 慈愛の心はやわらかい月の魔力にはそれはそれはご馳走でしかないから。


「けど。まだジャディスには行かせてあげられない……」


 封印はさらに施しても、想い合う相手が出来た今でも。

 慈しみを覚えたばかりのレティには、心を痛める結果でしかなかったから。自分が実は『何者』かもしらないまま、アーストの王太子妃候補になっているのかも記憶がおぼろげ。

 それを解決していいのは、月の繭殿を解放してでもまだ足りない。


「そもそも、『穢れ』がどうして僕の身体に宿り……イリスの血族だからと国に根付き、二つに分かつようにしていたかもあの子たちは何も知らないんだ」


『虹染め』『紡ぎ』の任務なんて可愛らしいもの。

 人生の大半を穢れに覆われていたのも、まやかしのひとつだと知ったなら……僕は彼らに怒られるだけで済まないかも。

 神の都合と言ってしまえば、それはそれで納得してしまうかもしれない。

 それは本当だけど、『イリス』の血族は僕ら『神』のことだからね? その血を飲んだ人間たちに影響がないわけがないから……穢れで、徐々に抜いていくしかないんだ。

 僕が『浄化』すべき、狭間の穢れを少しずつ受けて本来の姿を隠した理由がそれだから。

 レティには申し訳ないけど、リデルと過ごす時間は出来るだけあげるから頑張ってほしい。

 神々の『聖浄』を完了するそのときまで、どうか。
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