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第108話 鏡から
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鏡羅と名を与えた愛し子。
無事に……風のと想いを交わすことが出来たようだ。
『良い……実に良いことよ』
水鏡から眺めておったが、ヒトのように互いの想いを確認しておったわ。
こっそり……こっそり、眺めていたが。まさか、今日確かめ合うとは。
鏡羅がまことの意味で大精霊と覚醒したことで……風のは我慢ならなかったのであろう。
その気持ちはわからんでもない。
鏡羅は美しく、凛々しく成長を遂げたのだからな?
そして……鏡羅も風のを想っておったから、その気持ちを正直に伝えた。
結果、お互いの気持ちをたしかめあったのだ。
『……さて』
見守った分……我は我でせねばならぬことがある。
鏡羅の両親だった者らの魂は天上の方へ送り届けたが。
我が処罰を与えた……あの阿呆ども。
さほど時間は経っておらぬが、今はどのようにしているか。
水鏡に触れ、あちらを映してみたのだが……まあ、愚か愚かな光景しか写らん。
『……ああ、愚かよ』
鏡羅を罵る言葉ばかり。
鏡羅は何も悪くないと言うのに。
実に愚かな者どもよ。
財を分け与えた国が怒り、進軍してくるのも時間の問題だ。
その様子を確認すると、国境に軍が押し寄せていた。
鏡羅の後悔はほぼない。
あの者らについては、憐れんでいるだけだ。
となれば……両親以上に惨い死を迎えさせても、なんら問題はないだろう。
我は……これ以上見る必要がないと、水鏡を閉じることにした。
無事に……風のと想いを交わすことが出来たようだ。
『良い……実に良いことよ』
水鏡から眺めておったが、ヒトのように互いの想いを確認しておったわ。
こっそり……こっそり、眺めていたが。まさか、今日確かめ合うとは。
鏡羅がまことの意味で大精霊と覚醒したことで……風のは我慢ならなかったのであろう。
その気持ちはわからんでもない。
鏡羅は美しく、凛々しく成長を遂げたのだからな?
そして……鏡羅も風のを想っておったから、その気持ちを正直に伝えた。
結果、お互いの気持ちをたしかめあったのだ。
『……さて』
見守った分……我は我でせねばならぬことがある。
鏡羅の両親だった者らの魂は天上の方へ送り届けたが。
我が処罰を与えた……あの阿呆ども。
さほど時間は経っておらぬが、今はどのようにしているか。
水鏡に触れ、あちらを映してみたのだが……まあ、愚か愚かな光景しか写らん。
『……ああ、愚かよ』
鏡羅を罵る言葉ばかり。
鏡羅は何も悪くないと言うのに。
実に愚かな者どもよ。
財を分け与えた国が怒り、進軍してくるのも時間の問題だ。
その様子を確認すると、国境に軍が押し寄せていた。
鏡羅の後悔はほぼない。
あの者らについては、憐れんでいるだけだ。
となれば……両親以上に惨い死を迎えさせても、なんら問題はないだろう。
我は……これ以上見る必要がないと、水鏡を閉じることにした。
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