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第七章 繋がりは広がる
247.おめでとうの言葉(サイノス視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(サイノス視点)
あのカティアに苦手なものがあるだなんて、思いもよらなかった。
神域からの帰還後、俺は自分の執務室に向かいながら考えていた。アナとの御名手については、明日以降の発表にするとエディが決めたため……俺の勝手だがこの二日間でどれだけ書簡などが貯まったか確認するためだ。
アナも統括補佐としての責があるし、俺と同じように自分の執務室に向かった。いちゃつく……のは、昨日の昼間に抱きしめたり口付けしただけだが……概ね満足はしている。
概ね、はだが。
「…………明日まで休みでは?」
ジェイルは俺が入ってくるなり、怪訝な表情をした。これはいつも通りなので気にはしない。
「……一応暇にはなった。明日から色々騒ぎになるからな? その為に、先に出来る事はやっておく」
「…………騒ぎ??」
「…………まだ他に言うなよ?」
部下や文官らもいないので、堂々とアナと御名手になった事を告げれば……ジェイルは椅子からひっくり返りやがった。
「……アナ、リュシア……様、と御名手!?」
「はは……お前さんでもさすがにそうなるか?」
「な、何故、宮城内に一切広まっていないんだ!?」
「まだ昨日結ばれたばっかだ。エディも明日からの方がいいだろうって、とりあえず離宮には識札は飛ばしたそうだが」
「…………陛下の御意向であれば、俺は何も言わん。だが」
「うん?」
意味深な物言いに、ジェイルも眼鏡が光った気がしたのだが?
「…………積年の想い、成就したことは同僚として喜ばしいと思っている」
「……おう」
なんかからかわれるとか思ったが、そうじゃないことには頷けた。たしかに、数少ない人数にだがこいつにもアナへの想いは打ち明けていた。つーか、バレたんだけどな?
「……で? いつ婚礼の儀を挙げるんだ?」
仕事に戻りながらも、淡々と聞いているように見えるがこいつが上機嫌な証拠だ。甘味以外では珍しい部類に入る。
「……はやくて一年後だ」
「妥当だな?」
「お前さんもさっさと見つけろよ?」
「…………ああ」
「ん?」
やけに含みのある言い方。
少し気になって、俺は書簡から顔を上げれば……ジェイルが顔もだが耳を真っ赤にしていやがった。
「…………」
これはまさか、と俺は口の端が緩むのを感じた。
「…………見つけたのか?」
「…………だいぶ、前から」
「嘘だろ? 誰だよ??」
「…………ティーヌ」
「…………は?」
聞き返すと、ジェイルは卓に顔を突っ伏した。
「シェイリティーヌだ……!!」
「…………お前さん、むしろ嫌っていると思ってたんだが?」
「逆だ。……最初から気になって、思ったように行動出来ん」
「……おいおいおい!?」
たしか、フィーは昔言っていたが蒼の世界の言葉だと『アマノジャク』って性格か??
俺以上に面倒な奴がいたとは……フィーに御名手かどうか一度聞いてやろうかと思えてきた。
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