259 / 616
第八章 過去の嘆き
259.世界の慣わし(ファルミア視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)
兄弟は……結局男の子だった。
だから、必然的に当主の継承権はその子に移ることになり……私は四凶の主として日々を過ごしていくだけだった。お見合い云々で、他家に嫁ぐ動きは全然ない。
と言うのも、この黑の世界には……少し特別な慣わしがあるらしく。簡単にお見合い云々で政略結婚とかが出来ないそうだ。
「御名手ねぇ……??」
魂の片割れ。
運命共同体?
そんな習慣が、ファンタジー満載のこの世界では根強いらしく。無理矢理の場合だと、唯一神である『フィルザス様』と言う神様からの天罰があり、大変で済まない事象になるそうだ。
市民もだが、特に貴族以上はどの国でも同じなんだとか。それに、この世界でのある意味頂点の位置する神王国でも……それは同じらしい。
神ではなく、神霊って神様の分身のようで違う存在の子孫達である……この世界の人間の仕組みだと、余計に恋愛は慎重だそうだ。
それは四凶を束ねる私も同じなんだって。
「そんな乙女ゲームとかでありそうな世界だなんて……」
ここって、ゲームの世界? とか、四凶達に聞いたことはあるが、全員首を横に振った。
「連なる世界」
「異なる世界ではあるが、神は縁深き存在」
「虹の世界の下の下」
「ファルがいたのは、蒼の世界」
だと言われただけだが、よくわからない。
窮奇もだけど、渾沌と檮杌とかは言いたいこととかが時々謎めいているから意味不明。
だけど、一万年以上も生きるんだから……贅沢に時間はあるから料理も色々作りたい。両親達は弟のバスティスにかかりっきりだもの。私を蔑ろにしないとは言っていたけど……少しずつ離れていっている。
前世の記憶持ちだから、子供らしさはないはずなのに……この世界に染まってきたのか、年相応の精神状態にもなっているかもしれない。
少し寂しくて、辛い。
学園でも相変わらず、ひとりぼっちだから……せめてもの楽しみは、自分で作ったお弁当とデザートを四凶達と食べることだったわ。
「やあ! 可愛いらしい後輩のようだね?」
それを数年繰り返したところで出会ったのが。
若い頃の、リース……ユティリウスだったわ。
明るめのオレンジがかった、赤のセミロングヘアに整った……王子様風のイケメン!?
自分もクラスメイトとかの美醜は見慣れていたはずなのに……いきなり現れた先輩らしい男子生徒を目にした途端、私の心臓が痛いくらい跳ね上がったわ!?
(……なにこれ?)
前世でも久しく感じていなかった……ある意味『一目惚れ』状態に、私はなってしまったようだわ。
21
あなたにおすすめの小説
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる