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第九章 想う相手に向けて
276.中華料理の奥深さ
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美味しい美味しい天津炒飯を食べた後は……レストラーゼさんが僕にもっと『中華料理』のレシピを聞きたいと、僕のお部屋にやってきました。
クラウ用の例の結晶が今はないけど、神力? なのはたっぷり残っていたから……レストラーゼさんは中に入るなり真剣なお顔であちこちに視線を巡らせたのだ。
「な……なんじゃ、これは!?」
「あ、大丈夫です。ちょっと実は……」
アクセサリーのことは言わずに、クラウが定期的に食べている結晶について話すと、納得されたような表情になった。
「なるほどのぉ。神獣を守護獣……ましてや、異界からの神獣であれば、尚更特殊ですまん。そう言う理由であれば仕方がないのぉ」
「驚かせてすみません……」
「良い良い。クラウちゃんのためじゃ」
その話はそこで終わり、次はメインとなる中華料理の話題に移ることにした。レストラーゼさんはご自分で椅子を創って僕がセリカさんとお茶をするテーブルの前に置いた。セリカさん用の椅子にレストラーゼさんが座っちゃうと、後で魔力パターンを書き換えるのが大変なんだって。
その間に僕は、部屋に常備しているハーブティーを淹れましたとも。
クラウは僕の頭に乗りながら、きゃっきゃしていますん。
「えっと……中華料理ですよね?」
「うむ。あの揚げ物も実に美味じゃったが……他は何があるんじゃ??」
「多種多様ですね?」
「……前のティラミスのように、材料を変えられることも可能かの?」
「それもあるんですが……僕の知っている歴史を辿ると、コース料理で『満漢全席』って言うのがあるんです」
「……マンカンゼンセキ??」
「ふゅゆ??」
お椀でお茶を飲んでたクラウも首を傾げると、興味があるのか僕の方を向いてブルートパーズの瞳を輝かせてくれた。
「あんまり詳しくないんですが……中華料理の国元である王様達に出す料理が数種類どころか、百くらいたくさん出すらしいんです。僕がいた時代では、ほとんど名前くらいしか残っていませんが」
「百を超えるじゃと!? それは食堂では小皿料理で数を増やす程度しか出来んのお?」
「はい。とにかく、中華料理は凄く多いので……けど、僕程度じゃ家庭料理とかまかない程度しか作れないですね?」
「先程のテンシンチャーハンやユーリンチーも美味じゃったぞ?」
「けど、僕はお願いしただけですし」
「ほっほ。謙遜する必要はない」
事実を話しただけだけど、やっぱり異世界にとっては僕やファルミアさんのいた『蒼の世界』の料理は凄いですまないらしい。
フィーさんが一部だけ伝えていても、僕の得意なピッツァもなかったらしいし……色々情報共有があるようでないんだなと実感。
「中華だと、ピッツァに似せた小麦粉の料理があるんですよね?」
「ほう? どのような料理なんじゃ??」
「えっと……この世界に『おまんじゅう』ってありますか??」
「まんじゅう?? ふむ……ヴァスシード周辺なら、旅をしていた時に食べたのお。甘いものが多かったが」
「それって、あんまんですか??」
「ふぅむ。ハチャまんじゅうとかだったの。儂も作れなくはないが」
「! 中の具材をピッツァみたいにするものもあるんです!!」
「……ならば、明日の昼餉に作ってみようかの?? 出来れば、ティナさん達にも食べさせてやりたいんじゃ」
「……もしかして、離宮の皆さん勢揃いですか??」
「ディア達を呼ぶと、カティアちゃんを構いたがるからのお? 別の機会が良い」
「そうですね……」
あのお胸アタックは当分ご遠慮願いたいです。
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