【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第九章 想う相手に向けて

278.全属性

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 これはいったいなんだろうか??

 クラウと一緒に、じーっと覗き込んじゃうよ?


「カイツさん。これは……??」
「人間の魔術適正を調べる結晶だ。たしかに、市井だと見かけないから無理はないね?」


 それどころか、異世界の人間だったとは口が裂けても言えませんとも。

 とりあえず、これに触って僕の魔法属性のようなものを調べるんだそうな?


「触るのに、何か決まりがあるんですか?」
「いや、特にないよ? あるとすれば、出来るだけ何も考えないでおくことだけど」
「わかりました」


 机の上に置いてもらい、僕は椅子に座ってからその水晶のようなものに手を伸ばした。

 ちょっとだけ痺れたりするかな、とか思っちゃったけどそんなことはなく……ちょんと指で触れたら冷たい石の温度が伝わってきた。


「ふーゅゆ?」


 クラウは机の上に寝転がり、ふんふんと鼻の部分を動かしている。何か匂いとかでもあるのだろうか?

 すると、水晶がパチパチと音を立てたのでした。


「……始まったか」


 カイツさんがそう言い出すと、水晶がいきなり真っ黒に光り出して……天井を突き抜けるかと思いきや、虹のような光の帯が出現。

 綺麗だなあと思っていると、クラウも『きゃっきゃ』って感じに騒ぎ出した。


「うわぁ……!!」


 出てきた虹の帯は、僕らの前でオーロラのようにゆらゆらと動き出して行く。綺麗だな、ってカイツさんに言おうとしたら……。


「か、カイツさん??」


 頭の中真っ白って感じに、固まっていたのだった。それは帯が消えてからも、しばらくそのままで……僕は慌ててカイツさんの体を揺らした。


「…………あり得ない」


 正気に戻って、最初に出てきた言葉がそれでした。


「な、何がでしょう??」


 言わなくとも、さっきのオーロラ現象についてだろうけど。カイツさんはまだ信じられないと言いながら、首を左右に振った。


「……全属性?? 神王家でも滅多に出ない事象が。カティアちゃんに……!?」
「え、じゃあ??」
「……ああ。君は望めば大抵の魔術が扱える」


 これはもしや、僕のトリップ特典というものなのかな??

 クラウの事は言ったけど、流石にそれは言えないのでお口チャックしましたとも。


「……けど。今まで何も知らなかったので。ご指導よろしくお願いします」


 それは本当の事なので、僕はもう一度お辞儀しました。


「……ああ。わかった。俺も出来る限り教えるよ」


 苦笑いされたカイツさんと握手をすると……クラウも『やりたい』と抱きついてきたので三人で握手することになった。


「まずは、どうするんですか??」


 そして僕は、異世界らしい魔法講義を教われるのにワクワクが止まらない!!
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