【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十章 冬来たりて

299.異世界の小豆もどき

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 小豆ことハチャ豆は軽く洗って、水をたっぷり入れたお鍋で火にかけることにした。

 小豆は前日に水に浸しておくのがいいとかも言われていたが……僕はおばあちゃんに習ったんです。小豆は皮が薄いから洗ってすぐ煮た方が、皮もそこまで破れにくいし崩れないって。

 このハチャ豆が同じかはわからないけど……?


「カティア~、水足そうよー?」
「もうですか?」


 フィーさんが来い来いと手招きしたので、脚立のような台の上に乗ってみると……沸騰していないのに、もう水が豆スレスレ!?


「こう言う豆なんだよ。結構入れないと水を吸ってもなかなか膨らまないし」


 と言うわけで、フィーさんの水魔法で大量に追加。

 沸騰するまで、それを三回くらい繰り返したら。


「灰汁凄!?」


 水を吸うだけでなく、あの赤茶の灰汁も物凄く出たんです。これは今の僕だと時間がかかるのでマリウスさんにやっていただいた。

 その後の渋抜き、再び水を入れて沸騰したらの差し水とかも。お願いしている間に、僕はフィーさんと一緒に白玉作りだ。


「粉と砂糖と水だけで大丈夫?」
「そう言うお団子なんです」


 単体で味付けするよりも、合わせる具材次第で食感もだが味も変わっていく食材だ。こねて、ころころ転がして……茹でて、ちゅるんとした見た目になってもフィーさんは食べ物かと信じられないようだった。


「カティアさん、豆が煮えたようですよ?」


 マリウスさんが教えてくださると、僕は急いで見に行く。台の上に乗って覗いてみると……。


「おお!」


 見事に、砂糖を入れる前の段階まで煮えていた!?

 ほとんど味がしないけど、味見をしても手でつぶれるくらいの柔らかさで、小豆とほとんど風味とかは同じだった。

 これにたっぷりの砂糖を数回に分けて入れて……混ぜてもったりしたらお塩を少々加え、ここでまた味見。


「「「!?」」」
「美味しいです!!」


 異世界で粒あんが再現出来ると思わなかったが……ちゃんと粒あんが出来た!!

 ファルミアさんだとやってそうだけど……これはこれで美味しい。さらに、フィーさんご所望の白玉善哉にすべく、お椀ぽい器に白玉一個と善哉を少しかければ。


「おーいしー!!」


 とてもとても輝かんばかりの美少年の笑顔をいただきました。

 とりあえず、これは鍋ごとフィーさんの異空間収納に入れて、コロネさんにクラウと一緒にモコモコ防寒具を着せてもらい。

 いざ、お城の銀世界に突入しようとしたら。

 フィーさんの注意事項を忘れてしまってて、クラウと一緒に危うく沈むところだった!?
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