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第十章 冬来たりて
298.寒いからこそ
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今日も今日とて、寒い日々が続く。
けど、ちょっと朗報なことがあったんです!
キューブ状の雪が、今日は止んでいたからなんです!!
なので、せっかくだからと……!!
「雪遊びしたいです!!」
やることが勉強でも座学しかないので、体が鈍ってしまうからと。朝ご飯の時に、エディオスさん達に提案しました!!
「雪で遊ぶぅ?」
エディオスさんは熱々のコーヒーことコフィーを飲みながら首を傾げられた。
「雪が止んだ今です! 僕も体を動かしたいんです!!」
「お前、沈むぞ?」
「遊びたいんです!!」
「……フィー」
「いいんじゃない? 魔術で僕がなんとかしてあげるから」
カイツにはまだ習っていないんでしょ? と聞かれると首を縦に振った。カイツさんからの魔術講座だけだから実践はやっていない。
「わーい! 遊べるー!!」
「ふゅゆぅ!!」
クラウも外に出られると思うと、きゃっきゃとはしゃいでいた。ふたりで椅子から降りてクルクルまわると……アナさんからは『ふふ』と笑われた。
「まあ、カティアさん。そのようにはしゃがれて」
「だって、冬でも体を動かさないと!!」
冬籠もりではないけど、脂肪が体に蓄えられてしまう。つまり、太っちゃうわけ!! これが本音です。
「……遊ぶとは言え、どうするのだ?」
セヴィルさんはピンとこないのか、僕らを不思議そうに見てきた。
「えーっと、雪合戦。雪だるま作り、かまくらにスキーとか」
「全部蒼の世界での遊びか?」
「遊ばないんですか?」
「魔術使わなきゃ、雪に埋もれちゃうんだよ?」
「なるほど……」
けど、フィーさんの目はわくわくって輝いていた。
「ねぇ、カティア!」
「はい?」
「魔術かけてあげる代わりに、僕食べたいものがあるんだけど!」
「なんでしょう?」
「兄様に昔聞いたことがあるんだけど……ゼンザイ? っておやつ!!」
「善哉ですか……??」
小豆がないのに作れるかなあ?? それにお餅とか白玉も。
だから、雪遊びをする前に厨房に突撃して、フィーさんやマリウスさん達と粉探しや小豆探しをすることになりました。
「カティア~!! 多分これかなあ??」
小豆を探し当てたのはフィーさんで、お見事小豆を見つけてくださいました。
「ハチャ豆だね」
「ハチャ……豆??」
「調理が面倒な豆なんだよ。これ、物凄く水を吸うから煮るのが大変」
「しかし、善哉のためには」
「頑張る!!」
お餅はさすがになかったので、白玉の材料はあったからそれを作ることになり。あと、栗の甘露煮あったので贅沢に栗善哉に決定!!
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