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第十章 冬来たりて
302.雪遊び-③
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まさか、クラウがそんな攻撃をしてくるだなんて思わなかった。
「嘘ぉ~……」
もともと戦力外だとは思っていたが、敵側のチームになったクラウがわざわざ雪玉を落とされるとは不覚。
けど、一旦停止になった雪合戦会場の邪魔をしたくないので、僕はまだ『きゃっきゃ』しているクラウに手を振ってからフィールドを出る。
フィールドはそれぞれ制作した雪だるまでだいたいの広さを決め、線は引けないと思いきやフィーさんが魔法で黒い線を引いて下さった。
僕はそこを出た後に、審判になることを宣言して試合を再開させましたとも。
「いきますわよ!?」
僕の以外で赤チームの女性、アナさんがもの凄いコントロールで雪玉を両手で交互に投げていく。それは、フィーさんやサイノスさんも同じく。ここの人達(一名神様)は運動神経どうなっているんですか? とか質問したいくらい。
しかしながら、対する白チームも負けていない。エディオスさん達も避けながら投げて投げて、投げていく。お互いのタイミングがいいのか、僕が妨害してた雪玉戦接触があちこちで起きてしまっている。
そして、セヴィルさんとセリカさんを除く全員が楽しいとばかりに雪玉を投げ合っていくのでした。僕ももっと参加したかったけど、雪掻きよりも楽しい遊びを見つけたかのように、楽しんでいただけたなら何より。
ご褒美の善哉は用意したが……甘いものが得意ではないセヴィルさんはあんまり食べれないだろうけど、エディオスさんとかはお代わり欲しいと思う。
アナさんとか違って、この人の食材に関する好き嫌い……このお城に来てからも見たことがないし?
いつも作るピッツァとかでも言われたことないや。
「よし!」
「げぇ!?」
ちょっと振り返っていたら、エディオスさんのガッツポーズとサイノスさんの残念そうな声。
サイノスさんを見ると、ちょうど頭に雪玉が直撃したのか雪がべったりと。
「はい! サイノスさん脱落です!!」
「……っくしょー。フィー! アナを頼んだ」
「おぅけぇい!」
赤チームが残りふたりになっちゃったけど、フィーさんを当てられないからか戦力はフィフティーフィフティーかなあ?
サイノスさんが僕の隣に立つと、何故か頭をぽんぽんと撫でられた。
「??」
「料理作ったのに、運動するとか体力あるなあ?」
「この体だと出来ること限られてきますし」
「ま、そうだな? その姿じゃ近衛の訓練にも見学とかさせられねぇよ」
「そこまでは……」
と、話ながらふたりで雪合戦を眺めていると、今度はアナさんがセリカさんを脱落させた。
エディオスさんやセヴィルさんはフィーさんを狙ってるけど、持ち前の身軽さでフィーさんはどんどん避けていく。その間に、フィーさんは軽めのスピードをつけた玉でクラウを脱落させた。ふよふよ浮いてたクラウなのに、よく当てられたなあ?
「ふゅふゅぅ!!」
そして、クラウは僕のとこに来ると……さっきの攻撃を謝りたいのかぎゅっと頭に抱きついてきた。別に悪いことをしたわけじゃないから、いい子いい子してあげましたとも。
「……これで、二対二ね?」
セリカさんがサイノスさんとは逆の方に立つと、僕らと一緒に白熱している試合を見つめるしかなかった。
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