【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十章 冬来たりて

313.青いチーズケーキを-①

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 ◆◇◆











 それから、翌日の出来事でした。


「青いカッツの使い道、俺にも教えてくれ!!」


 マリウスさんから、おそらくゴルゴンゾーラの使い道を聞いたイシャールさんが……僕の部屋に来ました。しかも、シャルロッタさんまで。


「カティアちゃん、私からもお願い! あのカッツが扱えるのなら、無駄にしない食材の救済措置になると思うの!!」


 と言うわけで、セリカさんやカイツさんの授業が終わってから中層調理場へ。クラウももちろん連れていきました。


「デザートとメインどっちがいいですか?」
「そりゃどっち」
「カティアちゃん、どっちが多くカッツを使うの!?」
「……おい」


 イシャールさんよりも、シャルロッタさんの方が今日は生き生きとしているような……そんなにも、ゴルゴンゾーラの使い道に興味があるみたい。


「そうですね? 臭いがきつくないのはケーキですが……多く使うのは麺料理の方です」
「逆に、麺料理は臭いがきついのね?」
「はい。どちらか妥協しないと」
「ん~~……」
「唸るも何も、臭い軽減のためならケーキだ!」
「……そうですね」


 と、最終的にはイシャールさんの決定権となったのでチーズケーキになりました。

 ただし、ここで食事をされる方々への提供も考慮して……ちょっとアクセントを加えるのに、まずはリモニレモンをナパージュのような艶出しの液体をつけること。こうすると、乾燥防止にもなるし綺麗だから。

 さらに、チーズ部屋とは違う香辛料の部屋に案内してもらいました。ここに、ケーキへの重要食材があるかもしれないので。


「ケーキに香辛料か?」


 イシャールさんは探しながらも、僕に疑問をぶつけてきた。


「あの青いカッツって、結構しょっぱいですし。ケーキ自体は少し甘いんです」
「ほう?」
「だから、舌休めと言いますか……ピンクの胡椒の粒を食べるといい具合になるんですよ?」
「へー?」


 と言っても、これはツッコミ親友が師匠である料理長から聞いたことを教えただけだ。僕も、自分で購入して食べたのも一回程度だから、あんまり味は覚えていない。

 そして、探し終えてから厨房に戻ると……大半の料理人さん達が渋い表情になっていた。この世界のゴルゴンゾーラって、常温に出すと臭いが強烈だから換気してもすごいすごい。

 イシャールさんも辛そうだが、軽く一喝してから僕とシャルロッタさんと一緒にゴルゴンゾーラチーズケーキを作ることに。

 カッツクリームこと、クリームチーズとかは既にシャルロッタさんが準備してくださっていた。


「けど、ここで作っていいんですか??」


 臭いが充満している今更ではあるが、イシャールさん専用のキッチン部屋でもいいのにとも思ったが。


「この使い道を知った上で、あいつらにも調理させる。なら、慣れさせた方がいいだろ?」


 と言いつつ、イシャールさんの本心だと巻き添えにしようとしか思えなかった。それは黙っておいたけど。
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