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第十章 冬来たりて
312.青いカッツの使い道-③
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なので、お夕飯の時にゴルゴンゾーラペンネと一緒にクラッカーもお出ししてみた。
「「くっさ!?」」
ペンネを出した途端、エディオスさんもだけどサイノスさんも顰めっ面になっちゃった……。アナさんはハンカチで鼻を押さえてて、セリカさんは今日はもうお屋敷にご帰宅済み。ケーキだけは、明日の授業後に食べてもらおうとフィーさんの亜空間収納に入れてあります。
「……凄い臭いだな」
セヴィルさんは顰めっ面はしないけど、眉間に軽くシワが。
「お昼のピッツァよりも、まろやかに仕上がっていますよ?」
「……そうか」
エディオスさん達がまだ臭い臭い言い合っている間に、セヴィルさんはペンネを食べてくださった。もぐもぐと口が動き、飲み込んでくれると僕の方に振り返ってくれた。
「どうでしょう?」
「多少辛味はあるが……ピッツァより食べやすいな?」
「よかったです!」
「ふゅゆぅ!!」
僕は先にクラウに上げていたし、試作段階で味見したからゆっくり食べることにした。エディオスさん達はそんな僕らの様子を見てから……ひとりお代わりを頼もうとしていたフィーさんの方も見て、ひと口食べると顔を輝かせた。
「「うんめ!?」」
「少しピリッとしますが……ピッツァよりもまろやかで美味しゅうございますわ!!」
「あとでケーキもありますよ~?」
「「「これでケーキ!!?」」」
それと、クラッカーも勧めると……また大半が顰めっ面になっちゃったけど、フィーさんがパクパク食べるのでこれにも続く。
僕もなくならないうちに食べれば、贅沢ゴルゴンゾーラのカナッペが口いっぱいに!!
これは、是非ファルミアさんにも教えなくちゃ。明日以降、識札で伝えよう。
ケーキを出した時には、臭いよりも見た目に皆さん驚かれて……これまた食べるのをためらっていたけど、コフィーと一緒だと合うとわかればあっという間。
「あのけったいな見た目を裏切るくれぇ、美味いな??」
もうケーキを三つ目食べているんエディオスさんは、いたく気にいられたようです。
「臭いだけは強烈だが……これは悪くない」
甘いものでも、塩気が強いせいかセヴィルさんでも二個食べてくれました。
「中層や下層にもあるかもしれないなぁ? イシャール達も、これを知れば病みつきになるぞ??」
そして、サイノスさんはあっという間に四個目です。
「僕も屋敷に確認しようかなあ? ディック達に教えればいつでも食べれるし」
一番食べているのは、五個目のフィーさんでした。
「本当に美味しゅうございますですもの」
アナさんは女性らしく……一個で我慢しているように見えた。サイノスさんの前でも、ちょっと食べ過ぎを見られたくないかもしれない。婚約されてから、乙女らしく振る舞おうとしてるのかも。
(……好きな人かあ)
likeよりも、loveに近くなったとは言え。
セヴィルさんに、特別なプレゼントを作る意欲は出てきても。
僕自身が、『大好き』と言えるかどうかの気持ちを……封印された記憶以降抱いたことがないから。
だから、セヴィルさんの事が本当の意味で『大好き』と言い切れない。
トキメキはもちろんあるけど……告白されたこともあるし。
誕生日まで、まだ少し時間があっても、答えを早く見つけたかった。
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