【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

文字の大きさ
311 / 616
第十章 冬来たりて

311.青いカッツの使い道-②

しおりを挟む







 ◆◇◆











 生地と混ぜて、ザルで濾したのとは別に……ケーキの型に生地を流し込んでから、ゴルゴンゾーラを少しちぎって上に載せる。

 これがまた美味しいんだよね??

 焼く作業はマリウスさんにお願いしてから、待っている間にさらにゴルゴンゾーラの可能性を検討していく。


「デザートにも出来るので、果物や蜂蜜。ジャムと合わせても美味しいですよ?」
「えー? ジャムも??」
「蜂蜜同様に、甘じょっぱくて美味しいです」


 なので、マーマレード的なジャムと一緒にクラッカー的なものに載せて食べれば……フィーさんはぴこんと肩が跳ね上がった。


「……美味しっ」
「あと、サラダにもいいですね?」
「果物混ぜたりして?」
「それも有りですね?」


 フィーさんはますます、ゴルゴンゾーラの虜になってしまったようだ。


「……となれば。調味料にすることも可能ですか?」


 マリウスさんが焼き具合を確認しに行った後に、僕にそう聞いてきました。


「はい。カッツのドレッシングって作れますか??」
「ええ。粉状のカッツであれば」
「よーく混ぜれば、辛味とコクが堪らないですよ!」
「……陛下にお出しする前に、こちらで試作してみます」
「はい」


 ブルーチーズドレッシングだなんて贅沢だあ!

 基本、少量でも高価だからお店じゃない限りダバっと使えないからね??

 ここだとたくさんあるようだけど?? なので、クラッカーに夢中なフィーさんにこっそり聞けば。


「うーん? 柔らかいカッツに保存の魔法かけ忘れてたら……だったかな?? 僕の屋敷には基本的にないし……蒼の世界ではどうだった??」
「僕も詳しくないですが、特殊な環境でないと青いカビがつかないとしか」
「不思議だねぇ?」
「ですねぇ??」


 まあ、パンの発祥もだけど。チーズも偶然の産物かもしれない。

 とりあえず、ケーキに使ったゴルゴンゾーラの匂いがすごく漂ってきたので僕はうっとりしていたんだけど。


『『『臭い!!?』』』


 奥でお仕事されている料理人の皆さんには、ピッツァの時以上に顔がくしゃくしゃになっちゃった……。

 けど、ケーキは出来上がったみたいです!!

 マリウスさんが僕らの前に置いてくれたそれは……まさしく、僕がツッコミ親友と一緒に作ったのとだいたい同じなゴルゴンゾーラ入りのチーズケーキだった!!


「これを冷まして……」


 冷却の魔法で、粗熱を取ってからマリウスさんに型から出してもらう。

 型から出したら、切り分けてひとつを味見。


「ん~~!!?」


 甘さ。

 塩っぱさ。

 コク。

 辛味。

 それらが一体化した、おつまみにもなる美味しいケーキだった。

 普通のチーズケーキよりも、少し塩気がきついからジュースやコーヒーとかよりお酒が欲しくなっちゃう!! 僕は、今の体だとお酒飲めないけど。


「美味しいー!!」
「ふゅふゅぅ!」



 フィーさん達も美味しいと言いながら食べてくれた。クラウは吸引しそうだったから、すぐに離れさせたけども。


「これは……!」
「麺やピッツァもいいけど……こう言うデザートにも合うんですね??」
「いやはや、カティアさん。これは素晴らしいですよ! 臭いだけはどうしようもないですが、味を知れば病みつきになります!!」
「お役に立てて何よりです」


 晩御飯もデザートも決まったし、よかったよかった。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

【完結】まもの牧場へようこそ!~転移先は魔物牧場でした ~-ドラゴンの子育てから始める異世界田舎暮らし-

いっぺいちゃん
ファンタジー
平凡なサラリーマン、相原正人が目を覚ましたのは、 見知らぬ草原に佇むひとつの牧場だった。 そこは、人に捨てられ、行き場を失った魔物の孤児たちが集う場所。 泣き虫の赤子ドラゴン「リュー」。 やんちゃなフェンリルの仔「ギン」。 臆病なユニコーンの仔「フィーネ」。 ぷるぷる働き者のスライム「モチョ」。 彼らを「処分すべき危険種」と呼ぶ声が、王都や冒険者から届く。 けれど正人は誓う。 ――この子たちは、ただの“危険”なんかじゃない。 ――ここは、家族の居場所だ。 癒やしのスキル【癒やしの手】を頼りに、 命を守り、日々を紡ぎ、 “人と魔物が共に生きる未来”を探していく。 ◇ 🐉 癒やしと涙と、もふもふと。 ――これは、小さな牧場から始まる大きな物語。 ――世界に抗いながら、共に暮らすことを選んだ者たちの、優しい日常譚。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

処理中です...