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第十章 冬来たりて
317.また青いカッツの使い道-③(カイツ視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(カイツ視点)
創世神様からの仕置きが……あの程度で済んで、良かったとは思えない。
だけど、痛みがかなり伴った蹴りで……創世神様は、俺を許して下さった。
カティアちゃんを、魔術陣を使って誘拐した事実は変わらない。たとえ、すぐに副将軍閣下によって解放されたとしても。
そして今、カティアちゃんの家庭教師となり……彼女の作り出す未知な料理にあの方は見た目相応な少年のように喜んでいらっしゃった。
俺のことは、道端の雑草のようにしか思われていないだろう。この神にとって、神王家以外の人間などはそんな存在だ。
なのに、俺と目が合うと……何故か肩を落とされた。
「突っ立っていないで、食べなよ?」
そうお言葉をいただけたことに、俺は『え?』と間抜けな声を漏らしかけた。
「そうですよ! もともとはカイツ先生のために作ったんですから!!」
カティアちゃんが俺の服を軽く掴むと、くいっと引っ張って調理台の方に連れて行く。丸いコロッケが、いくらか冷めても湯気が軽く上がっていた。
実家でも出来立ての料理だなんて、ガキの頃以来口にしたのはいつだったか。
思い出せないくらい昔だったが……軽食ではあるのに、良い匂いがするそれを俺が口にして良いのか。しかし、創世神様が許可を出してくださったんだ。食べないわけにはいかない。
まだ中は少し熱いだろうから……とカティアちゃんから注意を受け、フォークで刺して口に運ぶ。まだまだ熱量の凄いそれを口に近づけるだけで、一瞬ためらったが……これは俺のために作ってくれたものだ。
口に入れてみると、やはり熱いが……!?
「ほふ!?」
外側はさっくり。中は、創世神様が仰ったように……俺が手伝ったホロ芋の部分がホクホクと……しかも、トロッとしていて。さらに中には青いカッツが蕩けたものと独特な風味の何か。
だが、お互いがいい具合に素材を引き立てつつ……調和していたのだ。
「どうですか?」
カティアちゃんに聞かれたので、俺は首を縦に強く振った。
「凄く美味しい! これは創世神様が仰るように酒が欲しくなるよ!!」
辛味と塩気。加えて、芋の微かな甘味が絶妙だ。発泡系の酒が間違いなく合うはずだ!!
「ふゅぅ! ふゅふゅぅう!!」
そして、俺が美味しいと絶賛していたらクラウちゃんが俺達の間に飛んできた。この可愛らしい聖獣のように見えるのが、未だに神獣とは思えないが。
「クラウは、もうちょっと待ってて?」
「ぶゅぅ……」
その主人であるカティアちゃんが諭せば、我慢出来ないようだが、我慢するようにと諦めた感じだ。本当に、幼い神獣だが守護する主人の言うことをよく聞いている。
カティアちゃんが歳相応に見えないくらい、賢いせいもあるだろうけど。
「はい、いいよー?」
「ふゅぅうう!!」
カティアちゃんのお許しをもらえたクラウちゃんは、本当に嬉しそうに……青いカッツのコロッケを食べさせてもらえた。
その微笑ましい光景に、俺は……改めて、以前の愚かな自分を叱咤したい気持ちに駆られた。しかし、それは今彼女に尽くす方向できちんと昇華しようと決めて。
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