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第十二章 異界の年明け
361.騙してすり替わり
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厨房に行っても、クラウの姿は誰もが受け入れられていました。
「……肉のパイ、ですか」
マリウスさんはクラウよりも、ファルミアさんが提案したミートパイの方に興味が向いていた。
「そうよ。ひき肉にアリミン……あとは、カッツたっぷりよ。味付けはマトゥラーとかね?」
「それを……今からですか?」
「あなた達の邪魔はしないわ。奥の部屋を借りれる?」
「ええ。少しお待ちください」
簡単にお片付けをされてから……と、マリウスさんが行かれると、ライガーさんがこっちに来て僕の頭でフードになっているクラウを撫でてくれた。
「クラウちゃんは、今日も可愛いね?」
「ふーゅぅ!」
「うんうん」
本当に……フィーさんの魔術でいつも通りに過ごせている。全員が全員通用しているわけじゃないけど、ちょっと複雑だ。
騙しているように思えて……複雑な気分になってしまう。
とりあえず、マリウスさんに片付けが終わったと声がけがあり……僕らはその部屋でミートパイを作ることになったんだけど。
「パイ生地はどうするんですか?」
普通に作っていたら……おやつタイムどころか夕飯に突入してしまうと思う。すると、ファルミアさんが影から饕餮さんを呼んで……まるで某国民ロボットキャラのように、パイシートを取り出したのだ……。
「これで、あとは具材だけよ!!」
「あははは……」
「僕、カッツ選んでくるよ! ミーア、どう言うのがいいの??」
「そうね。火を通したら、もちっと伸びる……固めがいいわ!」
「わかった~!」
「ファルミア様……私は?」
「セリカは、私やカティと一緒に野菜のみじん切りね?」
お肉のミンチは、檮杌さんが豚肉をミンチプレスのようなもので、きちんとひき肉にしてもらえました。
そこは手で握りつぶすとかがなくて、ちょっとホッと出来た。
とにかく……僕らは、ひたすら野菜をみじん切りにしていく。
クラウは僕の頭に乗ったままだが、いい子にじっとしてくれていたよ?
「見つけたよー!」
フィーさんがチーズ貯蔵庫から戻ってきた頃には、ファルミアさんを中心に具材を炒めるところまで出来ていた。
「ありがとう。…………うーん。ちょっとキツいわ」
「え?」
「ふゅ?」
「大丈夫。軽いつわりよ」
「ファルミア様、私が代わりましょうか?」
「そうね、お願いセリカ」
まだまだお腹にふくらみはないけれど……妊婦さんは大変なんだな、と経験のない僕には心配することしか出来なかった。
「ふゅ、ふゅぅ!!」
クラウがファルミアさんに手を伸ばすと……いきなり、お餅みたいにみょーんって伸びた!?
これには、さすがに全員で声を上げた!!
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