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第十四章 異界の春へ
419.ただの惚気男(セヴィル視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(セヴィル視点)
カティアから、識札が届いた。
昼餉なのだが、皆とではなくカティアの部屋に来て欲しいとの知らせだったのだ。当然、想いを交わした相手からの誘いは嬉しくないわけがない。
ましてや、その相手であるカティアだからこそ、だ。
「…………また、キモい顔しやがって」
と、エディオスに言われる始末だった。
「…………良いだろう」
「俺はともかく、お前はまだ秘匿事項だぞ。いつもの冷徹無表情はどうした」
「……………………無理を言うな」
「わからなくもねぇけどよ……」
エディオスとセリカが御名手となり、いくつかの月日が経った。公に、恋仲とも認められ……宮城内で儀式を行ったひと組として、まあ色々根掘り葉掘り伯父上らに聞かれたらしい。らしいと言うのは、エディオスが離宮に単身で連れて行かれたのに……伯父上が俺には席を外せとおっしゃったのだ。
正確には、現在の神王家直系のみ。なので、あと参加したのは伯母上とアナだけだ。
俺は俺で……父上や母上から相手は見つかったのか、強く聞かれたが……その相手がカティアだとはまだ言えぬ。身体は少し成長したとて……想いを交わしても、まだその時ではない。
本来の意味の『御名手』の儀式を済ませても……カティアとそうしようと話し合って決めたからだ。
そのカティアから……茶会以外で、久しぶりに昼餉を誘ってくれたのだ。気分が昂揚しても仕方がない!!
「…………とりあえず、俺は行く」
「へーへー…………って、もう終わらせたのかよ!?」
「あとは、お前の印のみだ」
「うへぇ……」
すべきことはきちんとしたのだ。何も悪いことはしていない。
近習らが、間抜けた表情をしていても素知らぬフリをした。追求はしてこないだろうが、答えをきちんと言うつもりはさらさらない。
廊下ですれ違う臣下らからも、目を丸くするとか卒倒する奴らがいても同じようにした。
隠し切れないのは仕方がないが……カティアと時間を共に出来るのは何よりもの最上の喜びだ!
俺と共に……だとしたら、俺の好きな辛い料理を用意してくれているのだろうか?
ピッツァの時の、アクアスを使ったあのオイルは……俺の愛用品であるから、あれ繋がりかもしれん。
だとしたら、今この空腹の胃袋を満たしてくれる料理はそれを使っていたとしたら!
はやる気持ちを抑えながらも、努めて平常の気持ちにしながらカティアの部屋の前に立つ。匂いなどはしないが……まだ戻ってきていないだろうか?
個人用の小型砂時計を確認したが、時間はほぼ真昼だ。言われた通りの時間である。
ノックを一応してみると、中からカティアの返事があった。
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