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第十四章 異界の春へ
420.アクアスピッツァ
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僕の部屋に来てくださった、セヴィルさんを出迎えたわけなんですが。
(……無茶苦茶笑顔)
冷徹宰相さんとかのあだ名があるはずの……セヴィルさんが、無茶苦茶笑顔なんですよ!?
たしかに、識札のお手紙でお昼ご飯を楽しみにしていてとはお伝えしたけども。
こんなにも……装甲崩すと言わんばかりの笑顔になられるとは。僕もおっかなびっくりだとも!
「今日は昼餉の誘い、感謝する」
口調とかはいつも通りなのに、顔と一致していない!?
悪い意味じゃないけど……ちょっとビビってしまう。嬉しい意味で。
「どうぞ。こちらにご用意しました」
テーブルの上には、蓋付きの大きなお皿と小さいのがひとつずつ。僕もお昼ご飯を食べるけど、僕とクラウはあの超激辛唐辛子は食べられないから普通のも作ったんだよね?
セヴィルさんは席に座ってもうずうずしている気持ちが隠せないでいた。そんな一面を見れて……僕は、ちょっと可愛いと思っちゃった。
恋人のそんな可愛い表情に、『萌えよ!』とツッコミ親友ならいいそうだけど……ちょっとだけわかったかもしれない。
とりあえず、セヴィルさんの方から蓋を開ければ……まだほんのりと湯気が立つピッツァを見て、セヴィルさんは目を丸くされた。
「……こんなにも、アクアスを?」
「セヴィルさんのために作りました」
名付けて(?)セヴィルさんスペシャル!
味見は、イシャールさんもだけど誰も出来なかったので一発勝負な部分もあるけど!
多分……大丈夫、だと思う。
切り分ける時も、イシャールさんからの防護魔術で手は保護してくださいましたとも。
セヴィルさんも必要だとは思ったが……お預けをくらった仔犬のようなテンションに、つい『どうぞ』と口に出せば、すぐに彼はピッツァを手に取ってくれた!?
んでもって、躊躇わずに口に入れた!?
「……………………うまい」
咀嚼して飲み込んで、数秒で感激の言葉をいただけた。
そして……どんどん食べ進めていく!?
(……やっぱり、アクアスとか辛いもの大丈夫なんだね)
次、次と……食べ進めていく手が止まらない。口も噛むことをやめない。
僕は、その食べっぷりに目が釘付けになって……クラウが袖を引っ張るまで自分のピッツァを食べるのを忘れてしまうほどだった。
なんだか、お腹がいっぱいになる気がして……ほとんどをクラウにあげて、一枚か二枚でやめておくくらい。
「……もう、ないか」
そして……Lサイズくらい用意した激辛アクアスピッツァを……ものの数分でセヴィルさんは完食しちゃったよ!?
「……すみません。ひとつしか」
「……いや、いい。しかし、凄く美味だった」
「お粗末様です」
まだ物足りなさはあるようだけど……本当に一枚しか用意していない。ソースだけは、イシャールさんが残ったのを保管してくださっているが。
生地はもう無いし……イシャールさんが仕込んだのはご自分のお昼ご飯にされるから……パスタで仕込んでみようかな?
セヴィルさんにお伝えすると、中層厨房に行こうと意気揚々に答えてくださった。
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