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第十五章 異界の夏に向けて
439.嗜みの成果
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「次はこちら。肌に少しだけ馴染ませますわ」
ただいま、アナさんからお化粧講座を受けています。
僕自身のため、セヴィルさんにもっと『女』として喜んでいただくためにもと。
前世では、ほとんどしたことがないお化粧を頑張っている。
最初こそ、お化粧の加減がさっぱりだったが……慣れてきたら、なんとなくだけどわかってきた。
筆っぽい道具の加減とか、パフとか。
ぽんぽんと顔につけていくだけで……どんどん別の人物である『カティア』になっていく。
金髪碧眼の少女から美少女へと。
恋ってすっごーい!
女が自分で綺麗になりたいって気持ちを叶えてくれるんだから。
(……こんな感じ?)
アナさんほどではないけれど、きちんとした出来にはなっていると思う。
鏡越しに聞くと、アナさんもだがセリカさんやクラウにも合格点だと頷いてもらえた。
「素晴らしいですわ!」
「カティアちゃん器用だもの」
「ふゅぅ!(可愛い!)」
とのことなので、とりあえずひと安心。
だから、メイクを落とそうとしたんだけれど……アナさんに待ったをかけられてしまった。
「なりませんわ!! お着替えなさって……ゼルお兄様のところへと参りましょう!」
「そうね。そろそろ、お茶の時間だし」
「……え。ご迷惑じゃ?」
「あり得ませんわ!」
「絶対無い!!」
と、半ば押し切られてしまったが決定事項となり……以前の白いドレスじゃないけれど、セヴィルさんがお好きらしい淡いグリーンのドレスにお着替えして。
僕らは、エディオスさんのお仕事部屋へと行くことになりました。
「エディお兄様、わたくしですわ」
ノックの後、すぐに対応してくださったのは……セヴィルさんだった!!
アナさんの後ろに居るから、見えていないと思うけど……緊張が。緊張がぁ!?
「……どうした」
「ふふ。ゼルお兄様のお届けものですわ」
「……俺に?」
「さ、カティアちゃん」
セリカさんに背中を押されると……アナさんが横に移動したので、必然的に僕はセヴィルさんの前に立つことに。
何故か、息を飲む音が聞こえてきたんだけど!?
「ど……どうでしょう、か」
ちょっと自信がないけど、アナさんとセリカさんの監修付きだから……悪くはない、はず。
ちらっと目だけでセヴィルさんを見ると……まるで、りんごかトマトのように真っ赤っかになっちゃった!?
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