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第十五章 異界の夏に向けて
440.喜びのキス
しおりを挟む「なんだなんだ?」
奥からエディオスさんもやって来たので、僕らの状況を見られてしまう。
セヴィルさんを押しのけて、エディオスさんが僕の前に立つと。
「いかがでして? エディお兄様」
「……化けたな」
エディオスさんにも、お化粧をした僕の評価はまずまずのようだ。
「淑女の嗜みをカティアさんも学びたいとおっしゃいましたの。ですので、ご協力させていただきましたわ」
「んで、お前がやったのか?」
「カティアちゃんは、アナお姉様に習ったの。これはその成果よ」
「……ほーぅ? んで、ゼルはこれか」
エディオスさんが額を指で弾いても、セヴィルさんはまだ固まったままだった。
「ささ! クラウは預かりますわ。お二人でどうぞお茶のお時間に」
「ふゅ?(えー?)」
「それが良いと思うわ」
「こっちは気にすんな」
と言うわけで、クラウ抜きのお茶会が決定してしまい……少しして、落ち着いたセヴィルさんを伴って僕の部屋へ。
部屋に着いても、セヴィルさんの顔は赤いのが引くどころか……さらに赤くなった気がする。とりあえず、お茶を入れてから席へ座ってもらおうとすると。
「え?」
いきなり、後ろからぎゅーっと抱きしめられた?!
「……すぐ言えずで、済まない」
耳の後ろあたりに、吐息がかかるのでなんだか心臓がキュンキュンするんですが!?
美形でイケメンさんの甘い行動には、まだまだ免疫がないのに!?
「えっと……何がです?」
「…………化粧だ。よく、似合っている」
「あ、ありがとうございます」
面と向かって言えないのはお互い様なので、今更だ。
と思ってたら、あごに手を添えられて……くりんと横に動かされた。
何をされるかと思ったら……。
チッス、をされてしまったぁ!?
しかも、ちょっと長めの!?
「……今はこれくらいで」
離れたセヴィルさんは、満足そうな笑顔でいた。
僕はと言えば、ふにゃふにゃへろん手前だったけど……嬉しくないわけじゃないので、何回か首を縦に振った。
(……心臓に悪いよぉ)
これで大人の体になったら……心臓がいくつあっても足りない!!
あと、これ以上の関係に進める度胸が全然ないよぉ!?
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