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第十五章 異界の夏に向けて
457.ツッコミ親友の前世-①(ファルミア視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)
夢……だと思うわ。
リースも、四凶達も居ないし……ふんわりした空間に漂っている感じ。
意識はきちんとあるけれど……ここまで、はっきりとしているのは初めてだわ。
試しに軽くほっぺを叩いても……痛みがあった?
『何かしら? ここ?』
というか、いつの間に寝ていたのかしら?
記憶に全くないのよね?
『ふふ。理解が早くて助かるよ』
声が聞こえた。
振り返れば……フィーと思うくらい似ていたけど、背丈とか目の色が全然違うのですぐに否定した。
敵……ではないと思うけど。
『……誰かしら?』
『僕は……クロノソティス。フィーの兄神だよ』
『……兄?』
そっくり過ぎな理由はわかったけど……私に何の用かしら?
『そう。そろそろだと思って、君の記憶を返しにきたんだ』
『記憶? 何を?』
『君の……蒼の世界での【正確な記憶】だよ。料理とかはともかく……色々不安定でしょう?』
『……そうね』
前世の記憶はたしかにある。
けど……死因とかもだけど。
『私』は誰で……何をしていたのか。
日本人だった、記憶はきちんとあるんだけど……何者であったのか、記憶が曖昧なのだ。
同じ転生者であったと、つい最近わかったばかりのカティとは違って。
『だから……時期になったから、渡しに来たんだ。君に……この記憶を』
クロノソティスと言う神は……握っていたらしい、綺麗な青い宝玉を私の手に握らせた。
温かなそれを……手に触れさせた途端。
私の脳に、膨大な記憶と言う情報が流れてきたわ!?
『い゛……った!?』
痛いどころで済まない激痛が起こり。
思わず……クロノソティスから手を振り払い、地面でうずくまるしか出来なかったわ!!
『……け……い……!!』
カティの声が聴こえる?
けど……呼ばれたのは、私の『今の名前』じゃない。
ファルミアじゃない。
私の……以前は。
【蓮水彗】。
日本人で、あの子……カティが【東城奏樹】だった時の。
『親友』で、同僚だった……大切な関係だったのを、思い出せた。
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