【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十五章 異界の夏に向けて

464.報告ついでに

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 ◆◇◆










「……は? ファルが?」



 中層にまた行った時に、イシャールさんには絶対に言おうと……ファルミアの事情を改めて伝えました。


「はい。僕とは前世、親友だったんです」


 場所は大きな厨房ではなく、僕がお願いして個室の厨房にお邪魔しています。フィーさんはいないけど、クラウは頭の上に乗っているよ? いつものスタイルだ。


「……世間は狭いもんだなあ?」


 しばらく考えた末……イシャールさんの口から出た言葉はそれだった。それしか思いつかなかったのだろう。非常によくわかります。


「僕もびっくりですよ」
「の割には、スッキリした面してるじゃねぇか?」
「いや~……なんかしっくりきていると言うか」


 ファルミアが『けい』だとわかったら……なんと言うか、しっくり来ちゃったんだよね?

 料理でのやり取りも、すぐにテンポ良く出来ちゃうのが……なんだか、しっくり来るだけでなく……一緒にいるだけで気が楽だった。

 最初のは美女っぷりに圧倒されていたが……今は、記憶が戻っても……彗は彗で、ファルミアはファルミアだ。

 話のやり取りも、今までのことを思うとちょっと違和感はあるが……すぐに慣れたものだ。僕らは僕らだからね?


「ふゅふゅぅ!(ファルミアはファルミアー!!)」
「そだねー!」
「なんつってんだ?」
「ファルミアはファルミアだって、言っています」


 イシャールさんには、クラウの声は聞こえないからちゃんと伝えますとも。

 とりあえず、今日はイシャールさんがせっかくだからと……ピッツァ回しを教えることになりました。

 生地は、ティラミスケーキの時間操作はうまくいかなかったけど、こっちは大丈夫だったので。

 生地伸ばしから順に……伸ばす工程をきちんとご指導致しますよ!!


「……こうか!?」


 生地に慣れるべく、見た目は粘土遊びっぽくなっていますが……イシャールさんは、うりゃー! と頑張って格闘しています。

 僕も初心者の時は同じだったから、実に懐かしい。

 ファルミアも久しぶりだから……同じ感じになるかなあ?

 結果、イシャールさんは物のみごとに……生地を広げては破くを繰り返しましたとさ。


「ちっくしょー!! ぜってぇ、マスターしてやるぅう!!」
「頑張りましょう!!」
「ふゅぅ!(僕も!)」
「へ? クラウも?」


 ちっちゃな手だと無理だと思ったら……足も使って、上手に回すことが出来たのです!?

 これには……イシャールさんとお口あんぐりになりました……。
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