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第十五章 異界の夏に向けて
464.報告ついでに
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「……は? ファルが?」
中層にまた行った時に、イシャールさんには絶対に言おうと……ファルミアの事情を改めて伝えました。
「はい。僕とは前世、親友だったんです」
場所は大きな厨房ではなく、僕がお願いして個室の厨房にお邪魔しています。フィーさんはいないけど、クラウは頭の上に乗っているよ? いつものスタイルだ。
「……世間は狭いもんだなあ?」
しばらく考えた末……イシャールさんの口から出た言葉はそれだった。それしか思いつかなかったのだろう。非常によくわかります。
「僕もびっくりですよ」
「の割には、スッキリした面してるじゃねぇか?」
「いや~……なんかしっくりきていると言うか」
ファルミアが『彗』だとわかったら……なんと言うか、しっくり来ちゃったんだよね?
料理でのやり取りも、すぐにテンポ良く出来ちゃうのが……なんだか、しっくり来るだけでなく……一緒にいるだけで気が楽だった。
最初のは美女っぷりに圧倒されていたが……今は、記憶が戻っても……彗は彗で、ファルミアはファルミアだ。
話のやり取りも、今までのことを思うとちょっと違和感はあるが……すぐに慣れたものだ。僕らは僕らだからね?
「ふゅふゅぅ!(ファルミアはファルミアー!!)」
「そだねー!」
「なんつってんだ?」
「ファルミアはファルミアだって、言っています」
イシャールさんには、クラウの声は聞こえないからちゃんと伝えますとも。
とりあえず、今日はイシャールさんがせっかくだからと……ピッツァ回しを教えることになりました。
生地は、ティラミスケーキの時間操作はうまくいかなかったけど、こっちは大丈夫だったので。
生地伸ばしから順に……伸ばす工程をきちんとご指導致しますよ!!
「……こうか!?」
生地に慣れるべく、見た目は粘土遊びっぽくなっていますが……イシャールさんは、うりゃー! と頑張って格闘しています。
僕も初心者の時は同じだったから、実に懐かしい。
ファルミアも久しぶりだから……同じ感じになるかなあ?
結果、イシャールさんは物のみごとに……生地を広げては破くを繰り返しましたとさ。
「ちっくしょー!! ぜってぇ、マスターしてやるぅう!!」
「頑張りましょう!!」
「ふゅぅ!(僕も!)」
「へ? クラウも?」
ちっちゃな手だと無理だと思ったら……足も使って、上手に回すことが出来たのです!?
これには……イシャールさんとお口あんぐりになりました……。
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