【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十七章 異界のバカンス旅行

508.再びの焦り(セヴィル視点)

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 ☆      ☆      ☆      ☆      ☆      ☆(セヴィル視点)









 カティアが、消えた。

 手をにぎっていたはずなのに、何かにつまずいたのかと振り返ったら……姿形すべてが消えていたのだ。


「……カティア?」


 あちこちを見ても、魔鉱石を眺めている姿も何もない。

 まるで、そこに存在していなかったかのように……何もなかった。俺だけしか残されていなかったのだ。少し戻っても、気配も何もない。


「カティア!?」


 これはおかしい。カティアが俺に何も言わずに、距離を置く女性でないのは知っている。御名手みなてと言う理由もだが、俺と心を通わせた関係から……無断でなどという手段に移すことがまずない。

 俺はまず、少しの望みをと走って先に進んだのだが……四凶しきょうの一体が居るだけで、カティアはやはりそこにはいなかった。


「……いかがした?」


 四凶は俺の焦りを知らぬから、不思議そうに問いかけてきた。その問いに、やはりカティアは俺より先に進んでいないことが確定出来たが。


「……カティアが消えた」
「……なに?」
「こちらに来ていないのであれば……またさらわれたかもしれん」
「……気配は感じなかったが」
「俺だって信じたくない」


 しかし、何があってからでは遅い。

 俺は四凶に遊戯は中断することを伝え、さらに奥に足を向けた。魔法省の人間で、現在はカティアの家庭教師となったカイツと同じ仕業にしては、術が鮮やかすぎる。陣も詠唱何もなく、存在をかき消すなど……神の仕業か?

 フィルザス神にしてはおかしい。行使する意味がないからだ。今回のバカンスをあれもそれなりに楽しみにしていたからだ。もしくは、レイアーク神? クロノソティス神か?

 なんのために? カティアを?

 何をするつもりなのか?

 四凶の残りともすれ違っても、俺は足を止めずに奥へと足を動かしていくしか出来ない。

 もう、二度と。

 以前なら諦めていた、カティアとの繋がりを……もう一度断たれるなどごめんだからだ!!
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