【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

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第十七章 異界のバカンス旅行

548.ブルスケッタを作って

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 ブルスケッタって言っても、トマトのハーブマリネだけじゃない。

 魚介類もだし、果物を使うのもアリだ。それを甘めだったりしょっぱく仕上げていくのが、蒼の世界ではあったりする。僕やファルミアが前世で勤務していたイタリアンレストランでは、前菜メニューにも載せられていたんだ。

 種類が多くて、女性客にはお酒のおつまみにも注文されることがあったね。今日はそれを作っていこうと思うんだ。

 材料を刻んだり、たたいたり。

 リンネオイルと乾燥ヘルネ、塩や胡椒でちょうどいい塩梅になっていく。セヴィルさんが刻んでくれたトマトはぐちゃぐちゃじゃなくて、いい具合の角切りだった。

 トマトとバジルのマリネを味見してもらうと、気に入ってくださったのか、口元が緩んだ。


「美味いな……」
「これを少し固めのパンに乗せて食べるんです」
「パンにか?」
「ピッツァよりもさっぱり食べれるようにしたいので」
「そうだな。味は濃いが、さっぱりしている」
「ファルミアは妊婦さんなので、マトゥラー以外は火を通したもの中心ですねー」
「……詳しいな?」
「蒼の世界では、情報共有しやすいところでしたから。僕がセヴィルさんにお話した夢の内容に、学校のことがありましたよね? 子どもでも調べやすい環境だったんです」
「そうか……」


 僕は今まで恋愛経験ゼロに等しかったからね!!

 記憶を封印されてても、セヴィルさん以外の男の人を好きにはなれなかった。普段は隠してたけど、この口調のこともあったし。

『セヴィルお兄ちゃん』はそれを全然気にしてなかったから。

 だから……今も大好きなんだ。

 それから、セヴィルさんにはフランスパンに近いパンをスライスしてもらい、炙ったらブルスケッタの具材を体裁よく乗せて。

 出来上がったら、皆さんを呼びました!


「ひと休みしましょう!! 軽食作りましたよー?」
「さすがだわ、カティ!!」


 さっき起きたらしいファルミアが一番乗りでこっちに来た。起き抜けだけど、顔色も良かったから体調は大丈夫みたい。

 とりあえず、果物のを勧めてあげたよ。
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