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第十八章 バカンスも終わって
601.相談しましょう‐①
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お引越し作業や、新しい服装の準備は皆さんのおかげであっという間に整ったけれど。
セヴィルさんと生活していく上で、僕は彼の奥さんになるために必要な教育を受けていく。それは、これまでの行儀作法などの授業を受けていたからそこまで苦じゃなかったが。
セヴィルさんと、恋人としても『何もない』のにいい加減踏ん切りをつけなきゃいけないと思うんだよね? 恥ずかしがっているだけじゃなく、僕からもなにかしらアクションをした方がいいなって。
その相談相手に、イシャールさんを選ぶあたり僕も慎重に動いていると思いたい。
「……ぶっちゃけて言うと、ゼルと性交してぇのか?」
「……その通りですけど。もう少し、やんわりとした表現にしてください!」
「男に相談する時点で諦めろ」
「……はい」
セリカさんやシャルロッさんとかに相談してもよかったけど。
セヴィルさんとは幼馴染みで、ちょっとご親戚でもあるからいい相手だとは思う。もっと近しいご親戚のエディオスさんもいいかもしれないが、フィーさんといっしょにもっと盛り上げてセッティングとかされそうだからやめたのだ。お引越し作業がその例だからね。
「んで? 実際のところは、どこまで行った?」
単純に話し合うだけではなく、ピッツァの調理と練習をしながらの話し合いは僕ららしいけどね。僕らは曲がりなりにも料理人だから。
「……口づけと軽い触れ合いだけです」
「……は? ゼルから動きは?」
「……我慢、してくれてます」
「……相当お前さんに惚れこんでいるんだなあ?」
「イシャールさんから見ても、そうですか?」
「お前さんと最初城を歩いている時点で、俺は度肝抜かれたぞ? ゼルがガキ連れて歩くのに笑顔でいるのがな」
思い出して寒気がしたのか、青ざめたくらい。
やっぱり、『冷徹宰相』ってあだ名があるくらいだから……笑顔とかやわらかい雰囲気は、周りにはびっくりされるだけですまないのかも。
僕にとっては、『ゼルお兄ちゃん』の頃から変わらず優しくて素敵な恋人さんなんだけどな? その記憶もフィルドさんたちに封印させられてたけど。
それはともかく、僕は今ではめちゃくちゃセヴィルさんが大好きで将来の旦那さんになる人だと、覚悟とか色々決めてはいる。だからこそ、普通のスキンシップ以上のシチュエーションなどについて動こうと思ったのであーる。
「じゃあ、僕がいるだけでセヴィルさんはいい方向に向かっているんですか?」
「それは断言出来る。あいつを人間らしくさせてんのは、間違いなくカティアのおかげだ。下手すると生涯独身を貫こうとしてたみてぇだから、お前さんがいなきゃあいつは恋も愛もなにも諦めていた」
「……ある意味。僕は向こうで死んでよかったんですね」
「それがいいことじゃねぇが……結果としてはな」
「僕もセヴィルさんとはいっしょにいたいですから」
「さらっと惚気るなあ?」
「イシャールさんも、シャルロッタさんとそうでしょう?」
「それはな」
さてさて、男性側の意見はもうひとりか二人は聞きに行こう。次は、サイノスさんかな?
イシャールさんにはピッツァ生地の仕込みの注意点をいくつかお伝えしてから、クラウを連れてサイノスさんの執務室に行くことにした。イシャールさんは相談よりも注意点の多さに撃沈していたけどね?
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