チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

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第1章

第八話 エスタを守れ その一

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 カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン——。

 何らかの異変を知らせる鐘の音が鳴り響き、ギルド内は騒然とする。

「なんの鐘だ?」

「敵襲を知らせる鐘よ」

と、手短に答えると、ルーミエたちはアイテムボックスから防具を出して、服の上から装備し始めた。三人ともやけに落ち着いているな。と、感じた。

 普段着は装備した後からアイテムボックスに送るようで、これなら人前でも気にせず着替えられる。緊張感が高まる中、妙なことで感心してる場合でもないので俺も準備を始める。

 黒剣を取り出し、残っていたボーナスポイントをすべて魔法威力に割り当てて完成だ。

◇ ◇ ◇
強さ:150 守り:150  器用さ:200 賢さ:150 魔法耐性:100 魔法威力:300 ボーナス:0
◇ ◇ ◇

 一体どんな奴らが襲ってきているのだろうか……。



 その頃、街の広場では五匹のドラゴンを従えて空から降下する黒ずくめ魔法使いが目撃された。広場のはるか上空には魔法陣が描かれており、次から次へとその中からモンスターたちが重力には従わず、ゆっくりと降りてくる様子はまさに降臨という言葉がぴったりだった。

 次々に広場に降り立つ侵略者たち……。

 ドラゴンの大きさは二階建ての建物とほぼ同じで、その大きさだけでも十分に街の人たちには恐怖を与えた。運悪く広場から逃げ遅れた者は、降下してくるモンスターに次々と殺されてしまう。そしてその死体は数秒後に光となって消えてしまった……。

 五匹のドラゴンはあたりを威嚇するだけで待機している。ゴブリンやオーク、ゴーレム、オーガなどの近接戦闘系のモンスター、グリフォン、ハーピー、ワイバーンなどの空を自由に飛び回れるモンスター、魔法を使える者など圧倒的物量でこの街を支配しにきていた。

 ドラゴンと共に降下してきた黒ずくめの魔法使いが声の音量を魔法で最大限に上げて言い放った。

「よく聞け人間ども!今よりこの街は魔界八将軍がひとり、ガルジア様のものとなった。おとなしく命を差し出せば楽に殺して城の礎としてやる。抵抗するだけ苦しむことになるぞ!がははは!」



 ギルドの窓から空を見上げると、街の上空には光り輝く魔法陣が見えた。そこからモンスターたちが降下してきているようだ。上空からの襲撃となれば町を囲んだ壁は意味がない。

 隣の窓から同じく上空を見ている冒険者たちが話し始める。

「予定通りに襲撃があったけれど、これはさすがにやばいんじゃない?」

「でも俺、次死ぬと三回目だから戦いたくないな…」

「俺達はそのためにここに来たんだからな、やってやるぜ」

「そうさ、この戦いで英雄になってやる」

  『予定通り』だと?どこでそんなことを知り得たのか……。死ぬことに恐怖を覚える者、これから始まる攻防戦で活躍して、名を上げたい者も多いようだ。

 確かにこの数は尋常じゃない。俺も死にたくはない。しかしルーミエたちも落ち着いているし、こういう時ってどこかの強い冒険者が、サクサクって倒してくれるんだよね?

 そんな他人任せなことを思っていると、突如、窓をビリビリと振るわせるほどの大音量で宣戦布告が響き渡る。

「よく聞け人間ども!今よりこの街は魔界八将軍がひとり、ガルジア様のものとなった。おとなしく命を差し出せば楽に殺して城の礎としてやる。抵抗するだけ苦しむことになるぞ!がははは!」

 ……ん?死んだら城の礎になるのか?どうやって?と、思っているとルーミエがどういうことかを説明してくれた。

「敵は死んだ時の私たちの魂を吸収し、土木材料として変換して拠点を建造していくのよ。そして、大きな拠点を気づきこの周辺を支配していくのよ……」

 ルーミエは辛そうに説明を続ける。

 加護を受けた冒険者たちさえも教会に復帰することができず、魂を建造物に取り込まれてしまう。異世界からの領地支配、街支配ではよくある手法だそうだ。

 異世界からの侵略なんて、どうやって防げばいいんだよ。

 ぞくぞくとギルドに集まってきた冒険者たち、ホールの中は二百人いるだろう……。中には入りきれず外や訓練場にもまだまだいるようだ。

 ゴツゴツゴツと足音を響かせて、ギルド事務所から体格の良い爺さんが出てくる。視線が集中する中、カウンターに上がり野太い声を張り上げた。

「ギルドからの決定を伝える。一つ、上空の魔法陣に浮遊魔法で近づき破壊せよ!一つ、エスタを襲う全ての者を排除せよ!報酬は討伐表の二倍だ。予定通りで準備も各自万全のことかと思う!全員武勲をたてよ!以上!!」

 報酬が上がったことで冒険者のテンションが上がり、一斉に雄たけびを上げる。

「「「おおーー!」」」

 えっ、それだけ?結構雑な指示の出し方だな。爺さんもこの襲撃のこと知ってるの?一体何がどうなっているのかついていけない……。

 すぐさま戦場に赴く冒険者もいれば、備品を買いに走るパーティや作戦会議を始めるところもあった。俺はルーミエたちとこの状況について確認する必要があるな。

「アキト、私たちはできれば、この街を守りたいと思っているの」

 深刻な面持ちの三人。

「この襲撃は予定通りって言っていたけれど——」

「ええ、三日前に神託によって、今回の襲撃情報は伝わっているの……」

 お告げみたいなものを出せる人間がいるというのか。

「この戦いで勝てる見込みはあるの?」

「ある……にはあるのだけれど、私たちではガルジアはおそらく倒せないわ」

「まあ、そうだろうね。みんなで協力して倒すとかでしょ?」

「軍隊も動いているけれど、がルジアを倒すのはアキトじゃないかと思っているの」

……え?俺が?
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