チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

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第1章

第九十四話 分配 その一

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 何故だか急に静まり返る室内。カラルはおもむろに立ち上がり、宝具ストレージからダブルサイズのベッドを取り出した。

 ”契りの寝具”は全て純白だったのに対してこちらは黒のシーツに黒の枕で、生地はシルクのような肌触りだ。

「これが”側室の寝具”よ。機能はアキト様と契約を行うための道具になるわ。使い方はベッドの上でみんなと軽くスキンシップをしてもらって完了よ。その後は各自で随時このベッドを使うといいわ。多分アキト様と繋がり方の親密度で強くなるスピードが変わるわ」

 何そのレベルアップシステム。普通はモンスターを倒し、修業して強くなるという概念が崩れ落る。彼女たちはそんな力の手に入れ方でいいのだろうか?

「俺は別に構わないのだけど、皆はそれでいいの?」

「まったく問題なし」

「お兄ちゃんとイチャイチャするの結構好きだし……」

「奥さんだもの問題ないわ」

「あまりわからないけど、先代についていきますぅ」

 若干一名、雰囲気に流されている人がいるが、あとは嫁なので問題ないか……。

 ルーミエが手を上げて質問をする

「はーい、メリットとデメリットを教えて」

「メリットはアキト様の強さの何割かの力を得られるのだけれど、具体的にどうなるのかは実際してみないとわからないわ。デメリットは嫉妬で仲間割れが起きてしまう可能性があることかしら……。アキト様を独占しても得られる力は変わらないのでみんな、喧嘩の無いようにね」

 俺も質問する。

「”契りの寝具”との違いは?」

「契約の重さが違うのでアキト様には全くリスクはないわ。命の共有が無い分、繋がりは軽くなり、強さの共有の度合いも低いけれど、アキト様の底なしなので相当な力を手に入ることになるはずよ」

 俺以外はレベルという概念を持っていない、カラルと”契りの寝具”を使って、アレを重ねていくうちに、彼女のレベルがどんどんと上がっていったのでおそらく同じことになるのだろう。

 カラル以外の五人でベッドに乗る。始める前に今の状況を把握しておこう。

 俺のレベルはキンガーニの街を攻略したのでレベルも上がっていたが、ボーナスポイントを振っていなかったな。

◇ ◇ ◇
Lv1976 HP19760/MP19760
強さ:3300、守り:3000 器用さ:4100、賢さ:3200 魔法耐性:3100 魔法威力:3000 ボーナス:1050
◇ ◇ ◇
 
 嫁たちも契約前にレベルを確認しておく。カラルが998、ルーミエが41、ユウキが34、レイラが20、ノイリが13だ。

 まずはノイリからだ。他の四人が見ている中、お互い膝立ちの状態で近づいて軽くフレンチキスをする。こんなことで強くなれるんだったら苦労しないよな。

 ノイリから吐息のような声が漏れる。

「も……」

「も?」

「……もうちょっとこうしていてください」

 首周りに手を回され抱き着いてきた。俺もよしよしと頭を撫でてあげる。しばらく抱き合ったのち、ゆっくりと離れる。抱き合っただけだったが、ノイリは顔は真っ赤にしてうつむいた。すでに酔いはさめているようだ。

 続いてレイラとゆっくりと抱き合う。

「今晩はあたしが独占してもいいみたいなの」と耳元で囁いた。既に順番を決めていたようだ。

 続いてルーミエはユウキと二人同時に抱き着いてきた。両手にそれぞれの腰に手を回し、抱き寄せた。

「あたしたちは明日ゆっくりアキトを堪能させてもらうね」とユウキに囁かれた。

たち?三人同時プレイか?それは本当に楽しみだ。

「はいはーい、皆さんの契約も無事完了よ。いかがでしょう実感あるかしら?」

 それぞれ手に力を入れたりして、確かめているが何らかの身体的な変化があったようで、一様に驚いている。

 分析能力でレベルを見るとルーミエが76、ユウキが58、レイラが52、ノイリが23に上がっていた。

 ノイリがあまり上がっていないのは親密度の違いのせいだろうか……ノイリは巫女としての仕事もあるのであまり強くならなくてもいいかな。

 いや、それでも……もう少し強くなっていてほしい。

「ノイリ、もう少し俺とくっついてくれないか?」

「はい……喜んで」

 今度はベッドの上でお互い立ったままで背中に腕を回し、強く抱き合う事一、二分。

 何もしないままこれだけの時間は結構長く感じ、静まり返った中に自分の心臓の音が聞こえてくるし、ノイリも俺の胸顔を埋めてスリスリしている。

 離れるときに見つめあうとお互い照れてしまう。レベルは39まで上がった。この世界でいう初級の中の冒険者くらいにはなるのだろうか。

 無事に儀式を終えて、レイラの部屋に側室のベッドを設置する。宴は俺とレイラを除き続けるようだ。

 その夜はレイラと久しぶりにイチャイチャを繰り返してゆっくりと語り合ったあと、眠りについた。
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