おいでよ、最果ての村!

星野大輔

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第3章 偽りの王

招待

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ラックが購入した弁当も食べ終え、再びお腹が空いてきたころ、ようやく順番が回ってきた。

「次の者、荷物はこちらへ置け。
 検分が終わり次第、そちらの兵からの質問に答えよ」

門兵は特に感情を込めることなく、流れ作業でアリスらを案内する。
アリス、ラック、ちーちゃんの持ち物は少ない。
五分と経たずに荷物のチェックは終わり、机でペンを持ち待ち構えている兵の元へ向かう。

「名前、職業、街へ来た理由、どこから来たのか、滞在日数、これらの質問に答えよ。
 通行証を持っているのであれば、こちらへ提出してくれ」
「通行証はない。
 名前はアリス、冒険者をやっている。
 街へ来た理由は観光、ベアフォンの村からやってきた。
 滞在日数は一週間程度を予定している。」
「名前はラック、右に同じ。
 こっちのちっこいのは、ちーちゃんだ」

話を聞きながら、兵は手元の冊子へ書きこんでいく。
さらさらと書きながらも、ぴたりとその手を止める。

「…ベアフォンから来たといったな。
 そして冒険者。
 もしかして、村に封印された魔物を倒したというのは、あんたらか?」

アリスとラックはその言葉に思い当たる節があった。
成人の儀式の洞窟で遭遇した謎の魔物。
結局、あれが何だったのかは不明だが、忘れようにも忘れられるものではなかった。

「そうだが、なぜ知っている」

兵士は探るような目つきで、アリスを見る。

「嘘ではないようだな。
 魔剣持ちに、それなりの実力もありそうだ。
 なんであの村の情報を知ってるかって?
 国の役人は働いていないようで、働いてるのさ」

懐から手紙を取り出し、アリスへと手渡す。

「ローミン王が魔物を討伐したものと是非会いたいとのことだ。
 連絡はしておく、明日の昼頃にでも登城してくれないか。
 強制ではないが報奨も出して頂けるらしいぞ」
「一国の王が直々に?」

有り得ないことだ。
しかも噂話によれば、ローミン王はナイン大陸を制覇した覇王。
貴族と言えど会うのに半年は要するだろう。

「王はあそこに封印されし魔物の事を知っておられた。
 何でも王族図書館の文献に記されていたとか何とか。
 まあ、とにかく王も悩まれていたのだ。
 もしその魔物が解放されてしまえば、被害は甚大になると。
 それを図らずともあんたらが退治してくれたんだ。
 礼の一つでも言いたいとよ」
「むぅ」
「堅苦しく考えなくてもいい、王は気さくな方だ。
 褒美をもらいに行く気持ちで構わないさ、ははっ」

そう言われても、やはり王は王。
気が乗らないアリスであった。



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いつだか彼らが曳いていた馬車は、どこかで紛失されたようです。
えっ、紛失したのは僕の記憶ですって?

そう、すっかり忘れてました。
村から旅する途中に、逃げてしまったということで!

思いつきで書いてるもんで、
自分で書いておきながら忘れている設定がたくさんあるのです。
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