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魔道師カナ様

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ひろしは、突然現れ、勝手に住みついた、魔道師カナ様に、こき使われる日々を過ごしていた。

ひろしが、カナ様を無視して、アイリのライブDVDを、眺めている時、カナ様は、近くにあった、アイリの写真集を後頭部めがけて、おもいっきり投げつけ、ひろしを呼ぶ。

「茶をもて。」

頭におもいっきりくらった、ひろしは、なにごとか?と思い、落ちてる写真集を見て、カナ様に文句を言う。

「ちょっとやめてください。宝物なんですよ。」

「ほんとになんてこと、するんだよ。」

「アイリ、大丈夫?」


ひろしは、お茶のことを無視して、アイリを眺める。


カナ様は、最近、一緒に住み始めてから、徐々に慣れてきている、ひろしの態度に腹がたつ。

カナ様は、ひろしの胸ぐらを掴んで、唾を顔面に食らわせながら、もう一度言う。

「茶を早くもて」


わかりましたよ。もぅ。自分で持ってくれば良いじゃんと思いながら、せんべいとお茶を持ってくる。


カナ様は、お茶とせんべいが大好物で、お茶をすすりながら、満足そうに言う。


「おいしいなぁ~。ウフッ…。」


それを見ていた、ひろしは、心でつぶやく…。


(だんだん、キャラが崩壊してるぞ、お前。
そんな可愛いく言ったって顔に似合ってないっての。大体、魔道師のくせに、お茶とせんべいって…。)



カナ様は、当然、全部聞こえているが、いちいち口に出して、こいつに言うことも嫌になってしまっていたので、いつも心の中で、言い返した後、一言くらいで済ませていた。

(ほんと、いちいちうるさい奴だ。お前になんか可愛いくないなんて、言われたくないわ。お前こそ、キャラを忘れていないか?、くそ生意気なこと、ばっかり言ってくるが、お前は、きんもちわるぅくて、くっさいんだからな。我はそれを我慢して、お前と住んであげているのに、なんでいちいち突っ掛かってくるかなほんとに。そもそも魔道師が、お茶とせんべい食べたらダメなんて誰がいった?食べても良いじゃん。あー腹たってきた。)

カナ様はPCのコンセントを、引っこ抜いた。

ひろしは焦る、そしてカナ様に言う。

「あー!もう、壊れたらどうするんですか?」

「アイリのDVD取れなくなっちゃうよ。」

「困るなぁ。」

カナ様は、にやけた。

そんな小さい意地悪をしにきたのか?

ひろしは、本当の目的は、なにか聞きたかったが怖いので辞めた。



カナ様のお気に入りの場所は、ひろしのベッドの上。


くっさい布団は下に放り投げて、カナ様は、自分のお気に入りの真っ黒な布団をベッドに引き、くつろぐ。


カナ様は、だんだん、飽きてきていた。

最初は、この、ブ男で、きもオタク男ひろしと、一緒に居たら、つねになにか面白いものを見せてくれるのでは?と、魔道師ゆえの外れた感で、来てみたところもあったが、全然面白くない。

カナ様は、カナ様の楽しみ方で行くことにした。


ベッドに寝転んで、せんべいポリポリ食べていたカナ様だったが、ゆっくりおき上がり、アイリのライブばかり見てるきもオタクやろうに、そこにあった、とっておく用のアイリの新品DVDを、毎度毎度の命中率で、ひろしの頭めがけ投げつけ、ひろしを呼ぶ。

ひろしは、また頭に衝撃を受け、今度はなんだ?と
思いながら、カナ様を見て言う。


「今度はなんですか?」


「あっ!DVDぃ~。」


「んもう。」


カナ様は思う。

(んもう。じゃねぇよ、毎日、毎日同じことばっかりしやがって、全然おもしろくないんだよ。だいたいなんだよ?とっておく用って?そりゃDVDだから、開けて、観ないといけないものだし、ふぃるた~、はがしてないやつも~、って気持ちは、わからんでもないが、かんしょう用と、とっておく用は、かぶっとるとは、おもわんのか?)


「お前、愛になれ。」


ひろしは、ハァぁ?と思い、カナ様のお言葉に逆らった。


「またですか?」


「冗談じゃないですよ」


「ほんとに勘弁して下さい。」


「あっ!、わかった。またアイリの事、疑ってると思っているでしょ?」


「俺は、もう絶対、アイリの事、疑わないし、ずっと大好きでいますよ。」

「それに、アイリ本人に伝えたし、アイリは、俺の事なんて、知らないけど…。」


ひろしは、あの日の事を、思いだして、せつない気持ちでいた。


カナ様は、ひろしの言葉に、心の中で・・・。

(そうか、お前の気持ちは、本物であったか、わかったぞ、さらばだ。・・・。ってなるとでもおもって言ったのか?前回、ちょっぴり恥ずかしかったけど、ノリツッコミしてやっただろ。忘れてやがるな、こいつ。)


「我は苦しむ姿を望む」


カナ様が言った瞬間
また、あの閃光がはしる。


ひろしはぐっと目をとじた。

一瞬だった。目を開けた時には、身体に違和感を感じる。

ひろしは、本能的に胸を揉んでいた。

そして、全身鏡を見る。


「愛!?また愛の姿になっちまった…。」


そう言って、愛を見ながら胸をずっと揉み続ける。

「この感触だよ、あぁ~。なんか気持ちよくなってきた…。あっ…。」

喘ぎながら愛は、手を下半身にもっていこうとした。

その時、カナ様は、愛の手首を掴んで、顔を愛に近づけ、質問した。


「我のも、揉んでみるか?」


愛は、手首をつかまれ、ビクッっとなった。
そして、カナ様の胸のほうに視線を合わせ、質問に答えてあげる。


「いや、いいですよ。べつにぃ…。こっちのほうが大きいし…。」



カナ様はなんだと?と思う。


(我のは小さいってことか?まな板とでもいいたいのか?気にしてることいいやがってぇ~。そもそも、その愛は、我が、こんな感じの女の子なら可愛いかなぁ~、とか一生懸命、想像して、やっとできた、女の子なのに、おまえは、エロさ全開で我の作った大切な愛の胸を揉みまくったあげく、股間に手を持っていきそうだったので、このままつっぱしられたらまずいと思い、止めた我の胸をばかにするとわぁ~。)




カナ様は、道しるべを、愛に与える。



「となり街へ行け。」




元オタク男のひろしの愛は、またおんなじ事するの?と思い、カナ様に詰め寄る。

「その流れだったら、名前忘れたけど、スカウトされて、支社に行って、ゴリラみたいな、おっさんにむちゃぶりされて、鬼ババに、どなられるじゃないですか?」

本当に困った顔でカナ様を見つめる愛。

辛く、苦しかった、レッスンの日々。

何度、先生に怒鳴られ、泣かされ、くじけそうになったことか…。

だけど、愛は、歯をくいしばり、耐えて、耐えて

彼女は、一気に大人気アイドル平間 愛になった。

あの日々がまたおとずれる…。


のは、本当に嫌な愛は、必死に、カナ様を説得する。

「ほんとに辞めましょ?」

「同じ事しても、つまらないですよ。」

「もうその流れは、カナ様みたじゃないですか。」

と、言っている時、愛は、ふと思い、カナ様に質問する。

「よく考えたら、今は、愛。ひょっとして、今もうすでに、人気アイドルになっている状態ですか?」


カナ様は答える。


「なってないよ、姿だけ変えただけ。上書きなし。」


愛は、えっ?となり質問を続ける。


「ということは、人気アイドル愛は、この世にいなくて、ただ、単純に、性別変わっただけのひろし?の愛?」


カナ様はニヤニヤしていた。

「そうだよ」



ひろしの愛はそれではやっぱりと思い、カナ様に言う。



「て、ことは、やっぱり同じ流れじゃないですか、嫌ですよ。絶対、行きません。」


ひろしの愛は、覚悟を決めた。あんなに辛い日々はもう嫌だ。

ひろしの愛は、アイリに、ごめんね。消されても、ずっと大好きだからね。と心で、言った。
そして目を閉じる。

カナ様は思う。

(だから聞こえてるっての。おまえがそこまで、頑なに断ったら、話し進まないだろ。そもそもアイドルになんて、どうやってなるのか、まったくわかってないくせに、アイドルネタで、つっぱしる、ど素人丸出しのものを、わざわざ、見てくれた方、ほんとにありがとうございます。という感謝の気持ちで、少しでも、笑って頂けたら…。と、言っちゃてる、我の気持ちを考えず、おまえは目を閉じ消されても良いと覚悟をきめたら、その後のストーリーが、白紙になるだろ。おたきもひろしのおまえの日常生活なんか、学校行って、アイリ見て、会社行ってアイリ見て。の、一言日記になっちゃうくせに、我を困らすな。)



その時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。

ひろしの愛は、びっくりして目をあけ、はい。と返事をした。

カナ様は、すぅ~と姿を消す。

母が部屋にきた。

「あっ?あれ、あ、始めまして、ひろしの母です…。あらぁ~、とっても可愛い娘。ところで、ひろしは?」


ひろしの愛は、とっさに思いついた事を母に言う。

「さっき、飲み物買いに外へ~。」


母は、そうですか、これからも仲良くしてあげてくださいと言い残し、部屋をでる。

カナ様は、姿を現し、元々だけど、悪い顔し、ひろしの愛に言う。


「素敵なお母さんだね。」



ひろしの愛は、ほんとに
性悪最低魔道師女だなと思い、カナ様の言う事を聞く事にした。
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