彼女はオタク男

tsuusan

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レッスンが始まる

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愛はレッスンを受ける為に必要なものをしっかり準備して本社へ向かう。動きやすい服装や汗をふくタオルなど。

相田プロダクション本社に着いた愛は受付を済ませ
レッスンの行われている3階に向かった。

扉を開ける愛。

レッスンは、すでに始まっている。みんな集中してダンスの練習をしていた。

愛の方に視線を向ける者はいない。

しばらく愛は、練習風景を眺めていた。

音楽が止まり、みんな汗をふきはじめた瞬間、愛に向かって怒号のような女性の声。

「お前、遅刻かぁぁぁ。」

愛は今まで受けた事のない、波動のようなものをその声から感じた。

声の主は、厳しくて有名な鬼怒まりこ先生だった。

愛はしどろもどろしながら先生に言った。

愛「今日からお世話になります。平間 愛です。よろしくお願いします。」

鬼怒は愛が遠くからレッスンを受けにくることを聞いていた。

鬼怒「あー、お前が愛か。まずそこで見とけ。明日同じことする。覚えるんだぞ。」

そう言って鬼怒は、レッスンを再開した。

鬼怒の教えかたは一流だが、その厳しさから何人ものアイドルの玉子たちが泣いていた。

鬼怒「はい、今日終わり。」
玉子たち「ありがとうございました。」

そう言ってみんな汗をふきながら帰る準備をしている。

その時、愛は鬼怒に呼ばれた。

鬼怒「愛。お前はみんなより遅くくるよなぁ?何が言いたいかわかるよな?」

居残り。ありがたい事に個人レッスンをしてくれると言う。平日だろうが休みの日だろうが、関係なく。

愛は遅くまでレッスンをし、会社の人が送ってくれる車の中で寝る事になった。

学校とレッスンに通う日々。

愛は、いつもそのハードスケジュールに心が折れそうになったが続けていた。

ある日のレッスン

愛はいつも通り、3階にある、レッスン場に向かうための廊下を歩いていた。
前から、男の人がこちらへ歩いてくる。
その男は、縮れ麺のようなロン毛パーマ、夜なのに薄色のサングラス、革製品を着た、怪しげな感じだった。

その男が愛に話しかける。

怪しげ「君、レッスン受けてる子?」

愛は答えようか一瞬迷ったが、本社の中、挨拶しなければと思った。

愛「はい。平間 愛です。よろしくお願いします。」

怪しげ「ふーん…。名刺渡しておくわ。はい。じゃね。」

怪しげ男は名刺を愛に渡して、さっさと行ってしまった。

愛は名刺を軽く見る。

音楽プロデューサー有岡尊と書かれていた。

愛は名刺をカバンにしまいレッスン場に向かう。


数週間後

アイドル玉子たちとのレッスンの後、愛はいつもように居残りをしていた。

鬼怒から新たなレッスン内容を聞かされた。
新たな音楽、それにあわせた振り付け。
鬼怒の厳しさはさらに増大した。





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