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第三章~初めての恋愛~
新島楓
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夜、自室で表情や言葉のトーンの練習をしながら放課後の事を考えていた。
『ミナミって呼んでね』
水瀬には『ミナ』という部活内でのあだ名があったがあまり気に入っていなかったらしく、俺が思いついたというか、気づいたあだ名の中にある『ミナミ』が気に入った様でこれからはミナミと呼ぶ事になった。
しかし、今日の話を知らない奴が聞いたら俺が突然水瀬の事を名前で呼び始めた様に見えるだろう。
皆にはどう説明すればいいのだろう?
そんな事を考えていると、不意に携帯の着信音が鳴った。
ティローン
確かLINEの通知の音だったはず。
誰からだろうと見てみると柚希からだった。
まぁそうですよね。グループの連中とも交換したけど、まだプライベートでやり取りする様な仲ではない。
トーク画面を開くと
「11時に私の部屋に来て」
とだけ書かれていたので
「了解」
とだけ書いて返信した。
恐らく今日の課題についてだろう。
まだ水瀬の事をあだ名で呼べていないので文句を言われそうだ。
それよりも柚希は今日部活見学に行くと言っていたがどうなったのだろう。
高校でもめぐと一緒にテニス部に入ると言っていたからテニス部に顔を出したのだろうか?
テニス部には確か新島が所属していたはずだ。
新島の印象は文武両道、容姿端麗、社交性抜群のパーフェクト美少女だが、何処か柚希に似ていると感じた。
自己顕示欲の塊である柚希には新島はどう映るのだろう?
ティローン
とその時、また携帯が鳴った。
柚希が何か伝え忘れたのかと思い、画面を見ると以外な名前が記されていた。
新島楓
つい今まで考えていた相手から連絡がきた。
内容を確認してみると
「まだ起きてるかな?」
という内容だった。
これだけでは何の様か分からないので
「起きてるよ。どうしたの?」
と返信する。
すると今度はメッセージでは無く、通話がかかってきた。
ビックリしてスマホをベッドに落としてしまう。こんな時間に女子と通話なんてした事がない。
というか女子と通話した事がないのでどうすればいいのか混乱する。
だが既にメッセージで俺が起きてる事はバレているので出ない訳にはいかない。
恐る恐る通話をタップする。
緊張が相手に伝わらない様に意識して自然なトーンで応答する
「もしもし?」
「あ、もしもしごめんね急に。迷惑じゃなかった?」
迷惑ではないけどビックリするから勘弁してほしい。
「いや、そんな事ないけどどうしたの?」
「ん~、メッセージでやり取りするより直接話した方が早いと思ったから」
「そ、そうなんだ」
リア充ってそんな事で異性に気軽に電話するの? 勘違いしちゃうからやめてほしい。
「それで話したい事って?」
「そうそう! 今日テニス部に一年生が見学に来てたんだけど、その中に佐藤柚希って子がいたんだけど、もしかして佐藤君の妹さん?」
「うん、俺の妹だよ」
「やっぱりそうだったんだ~」
なんという事でしょう。二人は既に知り合っていたようです。
「佐藤君の言ってた様に凄い美人だね。それに勉強やスポーツも出来るみたいだしさ~」
「そ、そうだな。妹は俺と違って努力家なんだよ」
「努力家か~」
「あ、ああ」
まぁ、その努力の源は自己顕示欲を満たす為なんだけどね。
と考えていたら、新島の声のトーンが少し下がった。
「知ってる? 私も努力家なんだよ?」
「そ、そうなのか?」
俺は敢えて知らないフリをする。
「勉強も学年1位だし部活ではインターハイに行ってる。今の私の容姿も努力して手に入れたの」
「それは凄いな」
「こんな私ってまるで学校のアイドルみたいじゃない?」
「そ、そうだな。皆からの人望も厚いしな」
「うん、だからさ……」
ここで少し間が空く。
俺は嫌な予感をひしひしと感じて冷たい汗が背中を伝う。
「そんな完璧なアイドルは一人で十分だと思わない?」
俺は血の気が引いて行くのを感じた。
今なんて言った? アイドルは一人で十分?
それは遠回しに柚希が邪魔だと言っているんじゃないか?
「そ、それってどういう……」
「分かってるでしょ?」
さっきよりも更に声が低くなり冷たさを帯びていた。
「新島は一体どうしたいんだ?」
やっとのことで声を絞り出した。
「どうしたい……かぁ」
薄々は感じている。
新島は柚希と似ている。
「私はねぇ、何でもトップにならないと気が済まないし、皆から新島楓という存在を認めて貰いたいの。それには柚希ちゃんの存在が邪魔なんだよね~」
淡々とした声で言う新島。
「でも、柚希ちゃんには感謝してる事もあるんだよ?」
新島から感謝という言葉が発せられた。
「感謝?」
「うん。柚希ちゃんのお蔭で友也君がイケメンになったんだから」
「それがどうして感謝なんだ?」
俺がイケメンと言われる様になったのは確かに柚希の特訓のお蔭だ。
でも、それがどうして柚希に感謝するという事になるのだろう。
「やっぱり学校一のアイドルの彼氏は学校一のイケメンじゃないとね。友也君はまだまだ粗削りだけど私が力を貸せば絶対学校一のイケメンになれるよ」
「つまり俺は新島のアクセサリーになるって事か?」
「そんなんじゃないよ~、ちゃんと好きになってあげる。皆から羨ましがられるようなカップルになるの」
柚希と似ていると思ったがとんでもない。
新島は柚希よりも自己顕示欲が強く、おまけに承認欲求や所有欲も持ち合わせている。
俺はどうするのがベストか分からないでいた。
俺が悩んでいると
「友也君にはもっとリア充になって貰う必要があるから、明日から私と一緒に特訓しよ」
やっぱりそういう流れになるのか。
柚希も新島も自分の為だけに俺をリア充にしようとしている。
だったら柚希の時と同じだ。
相手の要求に答えながら目を覚まさせる!
「わかった。けど一つだけ条件がある」
「な~に~?」
「俺が学校一のイケメンになるまで柚希には手を出さないで欲しい。寧ろ手を組んで欲しい」
「どういう意味かな?」
「柚希と新島は俺を学校一のイケメンにしたいんだろ?二人で協力した方が実現が早いんじゃないか?」
一時的にだけど協力関係にさせれば直ぐに柚希が狙われる事はないだろう。
そしてその間に俺が二人の目を覚まさせる!
「まぁ確かにそっちの方が効率的かもね。分かったわ、そのお願い聞いてあげる」
「助かる」
「じゃあ詳しい話は明日しましょうか。明日は休日だけど出て来れる?柚希ちゃんもいっしょで」
「ああ、多分大丈夫だ。何処に行けばいい?」
「なら私の家に来て。場所と時間は後で送るから」
「わかった」
「それじゃ明日楽しみにしてるから、おやすみ」
そう言って通話が切れた。
そして直ぐに新島の家の住所と時間が送られてきた。
「あ~、柚希に何て説明しよう……」
そう独り言ちり、時計を確認するともう11時近かったので柚希にどう説明するか頭を悩ませながら部屋を後にした。
『ミナミって呼んでね』
水瀬には『ミナ』という部活内でのあだ名があったがあまり気に入っていなかったらしく、俺が思いついたというか、気づいたあだ名の中にある『ミナミ』が気に入った様でこれからはミナミと呼ぶ事になった。
しかし、今日の話を知らない奴が聞いたら俺が突然水瀬の事を名前で呼び始めた様に見えるだろう。
皆にはどう説明すればいいのだろう?
そんな事を考えていると、不意に携帯の着信音が鳴った。
ティローン
確かLINEの通知の音だったはず。
誰からだろうと見てみると柚希からだった。
まぁそうですよね。グループの連中とも交換したけど、まだプライベートでやり取りする様な仲ではない。
トーク画面を開くと
「11時に私の部屋に来て」
とだけ書かれていたので
「了解」
とだけ書いて返信した。
恐らく今日の課題についてだろう。
まだ水瀬の事をあだ名で呼べていないので文句を言われそうだ。
それよりも柚希は今日部活見学に行くと言っていたがどうなったのだろう。
高校でもめぐと一緒にテニス部に入ると言っていたからテニス部に顔を出したのだろうか?
テニス部には確か新島が所属していたはずだ。
新島の印象は文武両道、容姿端麗、社交性抜群のパーフェクト美少女だが、何処か柚希に似ていると感じた。
自己顕示欲の塊である柚希には新島はどう映るのだろう?
ティローン
とその時、また携帯が鳴った。
柚希が何か伝え忘れたのかと思い、画面を見ると以外な名前が記されていた。
新島楓
つい今まで考えていた相手から連絡がきた。
内容を確認してみると
「まだ起きてるかな?」
という内容だった。
これだけでは何の様か分からないので
「起きてるよ。どうしたの?」
と返信する。
すると今度はメッセージでは無く、通話がかかってきた。
ビックリしてスマホをベッドに落としてしまう。こんな時間に女子と通話なんてした事がない。
というか女子と通話した事がないのでどうすればいいのか混乱する。
だが既にメッセージで俺が起きてる事はバレているので出ない訳にはいかない。
恐る恐る通話をタップする。
緊張が相手に伝わらない様に意識して自然なトーンで応答する
「もしもし?」
「あ、もしもしごめんね急に。迷惑じゃなかった?」
迷惑ではないけどビックリするから勘弁してほしい。
「いや、そんな事ないけどどうしたの?」
「ん~、メッセージでやり取りするより直接話した方が早いと思ったから」
「そ、そうなんだ」
リア充ってそんな事で異性に気軽に電話するの? 勘違いしちゃうからやめてほしい。
「それで話したい事って?」
「そうそう! 今日テニス部に一年生が見学に来てたんだけど、その中に佐藤柚希って子がいたんだけど、もしかして佐藤君の妹さん?」
「うん、俺の妹だよ」
「やっぱりそうだったんだ~」
なんという事でしょう。二人は既に知り合っていたようです。
「佐藤君の言ってた様に凄い美人だね。それに勉強やスポーツも出来るみたいだしさ~」
「そ、そうだな。妹は俺と違って努力家なんだよ」
「努力家か~」
「あ、ああ」
まぁ、その努力の源は自己顕示欲を満たす為なんだけどね。
と考えていたら、新島の声のトーンが少し下がった。
「知ってる? 私も努力家なんだよ?」
「そ、そうなのか?」
俺は敢えて知らないフリをする。
「勉強も学年1位だし部活ではインターハイに行ってる。今の私の容姿も努力して手に入れたの」
「それは凄いな」
「こんな私ってまるで学校のアイドルみたいじゃない?」
「そ、そうだな。皆からの人望も厚いしな」
「うん、だからさ……」
ここで少し間が空く。
俺は嫌な予感をひしひしと感じて冷たい汗が背中を伝う。
「そんな完璧なアイドルは一人で十分だと思わない?」
俺は血の気が引いて行くのを感じた。
今なんて言った? アイドルは一人で十分?
それは遠回しに柚希が邪魔だと言っているんじゃないか?
「そ、それってどういう……」
「分かってるでしょ?」
さっきよりも更に声が低くなり冷たさを帯びていた。
「新島は一体どうしたいんだ?」
やっとのことで声を絞り出した。
「どうしたい……かぁ」
薄々は感じている。
新島は柚希と似ている。
「私はねぇ、何でもトップにならないと気が済まないし、皆から新島楓という存在を認めて貰いたいの。それには柚希ちゃんの存在が邪魔なんだよね~」
淡々とした声で言う新島。
「でも、柚希ちゃんには感謝してる事もあるんだよ?」
新島から感謝という言葉が発せられた。
「感謝?」
「うん。柚希ちゃんのお蔭で友也君がイケメンになったんだから」
「それがどうして感謝なんだ?」
俺がイケメンと言われる様になったのは確かに柚希の特訓のお蔭だ。
でも、それがどうして柚希に感謝するという事になるのだろう。
「やっぱり学校一のアイドルの彼氏は学校一のイケメンじゃないとね。友也君はまだまだ粗削りだけど私が力を貸せば絶対学校一のイケメンになれるよ」
「つまり俺は新島のアクセサリーになるって事か?」
「そんなんじゃないよ~、ちゃんと好きになってあげる。皆から羨ましがられるようなカップルになるの」
柚希と似ていると思ったがとんでもない。
新島は柚希よりも自己顕示欲が強く、おまけに承認欲求や所有欲も持ち合わせている。
俺はどうするのがベストか分からないでいた。
俺が悩んでいると
「友也君にはもっとリア充になって貰う必要があるから、明日から私と一緒に特訓しよ」
やっぱりそういう流れになるのか。
柚希も新島も自分の為だけに俺をリア充にしようとしている。
だったら柚希の時と同じだ。
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「わかった。けど一つだけ条件がある」
「な~に~?」
「俺が学校一のイケメンになるまで柚希には手を出さないで欲しい。寧ろ手を組んで欲しい」
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そしてその間に俺が二人の目を覚まさせる!
「まぁ確かにそっちの方が効率的かもね。分かったわ、そのお願い聞いてあげる」
「助かる」
「じゃあ詳しい話は明日しましょうか。明日は休日だけど出て来れる?柚希ちゃんもいっしょで」
「ああ、多分大丈夫だ。何処に行けばいい?」
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「わかった」
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