47 / 167
第四章~代償と恋路~
好きの確認
しおりを挟む
潤んだ瞳で見つめられ俺は動けなくなる。
楓の顔が少しづつ近づいて、吐息が掛かるまで近づいた時
「何かあったのか?」
俺の言葉に楓が止まる。
俺はそっと楓を離す。
すると楓が
「それ……こっちのセリフ」
「どうして?」
俺の問いかけに楓は泣きそうな顔で
「さっきお腹触った時、痛そうな顔したから私の知らない所で何かされたのかなって」
しまった。我慢したつもりだったけど顔に出てたのか。
「何も無いって。昨日風呂場で滑って転んだんだよ」
と言った瞬間、楓は俺の服に手を掛け、強引に脱がそうとする。
「な、何やってんだよ」
「何でもないんだったら見られても平気でしょ」
そう言いながら服を無理やり引っ張られる。
まるで小さい子の服を脱がす様な感じで服が捲り上がる。
そして露わになる身体。無数の痣がそこにはあった。
その身体を見て楓が
「なに……これ……」
驚きで震えながら身体を見ている。
そして堰を切った様に質問してくる。
「どうしたのこれ? どうすればこんな事になるの? 誰にやられたの? ねぇ?」
「お、落ち着けって」
「落ち着いてなんていられないよ! どうして! ねぇ、どうして!」
「いや、これは……」
「どうして何も言ってくれなかったの!」
最後にそう言い、泣き崩れる。
楓を心配させない為に黙ってたのが完全に裏目に出た。
俺は楓を落ち着かせる為に優しく語り掛ける。
「楓、聞いてくれ」
「……グス、ヒック」
「前に言っただろ? こうなる事は覚悟してるって」
「でも……ヒック、こんな事されるなんて……グスッ」
「犯人の顔は覚えてる。いつか復習してやるさ」
最初は不特定多数と思っていたが、俺にちょっかい出してきてるのは三人だけだった。
そいつらの事を調べると、同じ学年の奴等で、過去に楓にフラれている事もわかった。
「いざとなったら情けないけど中居達に助けを求めるさ」
「情けなくなんかない! こんなになるまで弱音一つ吐かないんだもん!」
「楓にそう言って貰えると勇気が出るよ」
「友也君は強すぎるよ……、どうしてそんなに強くいられるの?」
どうして……か。
俺はそっと楓を抱き寄せて
「楓が居るからかな。一人だったら折れてたかもしれない」
「でも私の所為でヒドイ事されてるんだよ?」
「それ以上に楓の事が好きだからな」
少し強く抱きしめて
「でも、少し疲れたかもしれない」
俺の言葉に楓はバッと俺の顔を見る。
「それって……」
再び瞳に涙が溜まっていく。
「だから今日は楓に甘えてもいいかな?」
俺の言葉を受け、キョトンとしている。
「辛くなったらいっぱい甘えるから覚悟しとけっていっただろ?」
そう言うと、思い出したのか「あ!」と声を挙げた。
そして今度は楓が俺を強く抱きしめる。
「うん、いっぱい甘えて。して欲しい事あったら言ってね」
「ああ」
お互いがお互いを強く抱きしめ合う。
楓の匂いや温もりが俺を包む。
そしてどちらからともなく唇を重ねる。
楓の唇は柔らかく、涙の所為だろうか、少ししょっぱかった。
俺は今、楓に膝枕されながら頭を撫でられている。
太ももの感触が伝わり、あまり落ち着かない。
楓は自分の子供をあやすかのように慈愛に満ちた表情をしている。
そして少しづつ語り出す。
「昨日の佳奈子達を見て、無性に友也君が恋しくなったの」
「俺も同じだよ」
「今日家に呼んだのはね、理由は色々あるんだけど……」
「うん」
「えっと、友也君と一つになれたらって……」
やっぱりですか!?
っていうかこの状態でそんな事言わないで! 緊張してきた。
「そしたら友也君の今の現状知っちゃって……」
そういってまた悲しそうな表情をする。
俺は起き上がり楓の瞳を見つめる。
そして今度は俺からキスをする。
「これだけ甘えさせて貰ったし、俺はもう大丈夫だから」
「うん……」
「それに今はこれが精一杯かな。その、一つになるとかはもうちょっと待ってて欲しい」
「それ、女の子のセリフだよ」
「はは、確かに」
「わかった、待ってるから」
「ありがとう」
それからまた甘えさせて貰った。
今日の出来事を思い返しながら帰路に着き、終始ニヤニヤが治まらなかった。
家でも何とか抑えようとしたがどうしてもニヤついてしまう為すぐに部屋に引きこもる。
「俺に勇気があればあのままシちゃってたんだよなぁ」
と独り言ちているとスマホの通知音が鳴る。
楓からかな? と思い画面を見ると
〈今から部屋に来て〉
と柚希からの呼び出しだった。
いつもならもっと遅い時間なのにと思いながら柚希の部屋へ行く。
ドアをノックすると直ぐに柚希が扉を開けて俺を強引に引っ張り部屋の中へ入れると
「お兄ちゃんにはこれから二股掛けて貰います!」
と、いきなり言ってきた。
どこか怒っている感じがするが
「何いってんだ? そんな事出来る訳ないだろ」
と反論すると
「あっそ、好きにすれば? ただめぐがどうなっても知らないから」
と感情の消えた目で言い放った。
楓の顔が少しづつ近づいて、吐息が掛かるまで近づいた時
「何かあったのか?」
俺の言葉に楓が止まる。
俺はそっと楓を離す。
すると楓が
「それ……こっちのセリフ」
「どうして?」
俺の問いかけに楓は泣きそうな顔で
「さっきお腹触った時、痛そうな顔したから私の知らない所で何かされたのかなって」
しまった。我慢したつもりだったけど顔に出てたのか。
「何も無いって。昨日風呂場で滑って転んだんだよ」
と言った瞬間、楓は俺の服に手を掛け、強引に脱がそうとする。
「な、何やってんだよ」
「何でもないんだったら見られても平気でしょ」
そう言いながら服を無理やり引っ張られる。
まるで小さい子の服を脱がす様な感じで服が捲り上がる。
そして露わになる身体。無数の痣がそこにはあった。
その身体を見て楓が
「なに……これ……」
驚きで震えながら身体を見ている。
そして堰を切った様に質問してくる。
「どうしたのこれ? どうすればこんな事になるの? 誰にやられたの? ねぇ?」
「お、落ち着けって」
「落ち着いてなんていられないよ! どうして! ねぇ、どうして!」
「いや、これは……」
「どうして何も言ってくれなかったの!」
最後にそう言い、泣き崩れる。
楓を心配させない為に黙ってたのが完全に裏目に出た。
俺は楓を落ち着かせる為に優しく語り掛ける。
「楓、聞いてくれ」
「……グス、ヒック」
「前に言っただろ? こうなる事は覚悟してるって」
「でも……ヒック、こんな事されるなんて……グスッ」
「犯人の顔は覚えてる。いつか復習してやるさ」
最初は不特定多数と思っていたが、俺にちょっかい出してきてるのは三人だけだった。
そいつらの事を調べると、同じ学年の奴等で、過去に楓にフラれている事もわかった。
「いざとなったら情けないけど中居達に助けを求めるさ」
「情けなくなんかない! こんなになるまで弱音一つ吐かないんだもん!」
「楓にそう言って貰えると勇気が出るよ」
「友也君は強すぎるよ……、どうしてそんなに強くいられるの?」
どうして……か。
俺はそっと楓を抱き寄せて
「楓が居るからかな。一人だったら折れてたかもしれない」
「でも私の所為でヒドイ事されてるんだよ?」
「それ以上に楓の事が好きだからな」
少し強く抱きしめて
「でも、少し疲れたかもしれない」
俺の言葉に楓はバッと俺の顔を見る。
「それって……」
再び瞳に涙が溜まっていく。
「だから今日は楓に甘えてもいいかな?」
俺の言葉を受け、キョトンとしている。
「辛くなったらいっぱい甘えるから覚悟しとけっていっただろ?」
そう言うと、思い出したのか「あ!」と声を挙げた。
そして今度は楓が俺を強く抱きしめる。
「うん、いっぱい甘えて。して欲しい事あったら言ってね」
「ああ」
お互いがお互いを強く抱きしめ合う。
楓の匂いや温もりが俺を包む。
そしてどちらからともなく唇を重ねる。
楓の唇は柔らかく、涙の所為だろうか、少ししょっぱかった。
俺は今、楓に膝枕されながら頭を撫でられている。
太ももの感触が伝わり、あまり落ち着かない。
楓は自分の子供をあやすかのように慈愛に満ちた表情をしている。
そして少しづつ語り出す。
「昨日の佳奈子達を見て、無性に友也君が恋しくなったの」
「俺も同じだよ」
「今日家に呼んだのはね、理由は色々あるんだけど……」
「うん」
「えっと、友也君と一つになれたらって……」
やっぱりですか!?
っていうかこの状態でそんな事言わないで! 緊張してきた。
「そしたら友也君の今の現状知っちゃって……」
そういってまた悲しそうな表情をする。
俺は起き上がり楓の瞳を見つめる。
そして今度は俺からキスをする。
「これだけ甘えさせて貰ったし、俺はもう大丈夫だから」
「うん……」
「それに今はこれが精一杯かな。その、一つになるとかはもうちょっと待ってて欲しい」
「それ、女の子のセリフだよ」
「はは、確かに」
「わかった、待ってるから」
「ありがとう」
それからまた甘えさせて貰った。
今日の出来事を思い返しながら帰路に着き、終始ニヤニヤが治まらなかった。
家でも何とか抑えようとしたがどうしてもニヤついてしまう為すぐに部屋に引きこもる。
「俺に勇気があればあのままシちゃってたんだよなぁ」
と独り言ちているとスマホの通知音が鳴る。
楓からかな? と思い画面を見ると
〈今から部屋に来て〉
と柚希からの呼び出しだった。
いつもならもっと遅い時間なのにと思いながら柚希の部屋へ行く。
ドアをノックすると直ぐに柚希が扉を開けて俺を強引に引っ張り部屋の中へ入れると
「お兄ちゃんにはこれから二股掛けて貰います!」
と、いきなり言ってきた。
どこか怒っている感じがするが
「何いってんだ? そんな事出来る訳ないだろ」
と反論すると
「あっそ、好きにすれば? ただめぐがどうなっても知らないから」
と感情の消えた目で言い放った。
0
あなたにおすすめの小説
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません
恩田璃星
恋愛
蓮見千歳(はすみちとせ)は、血の繋がりのない叔父、遼平に少しでも女性として見てもらいと、幼い頃から努力を続けてきた。
そして、大学卒業を果たし千歳は、念願叶って遼平の会社で働き始めるが、そこには幼馴染の晴臣(はるおみ)も居た。
千歳が遼平に近づくにつれ、『一途な想い』が複雑に交錯していく。
第14回恋愛小説対象にエントリーしています。
※別タイトルで他サイト様掲載作品になります。
番外編は現時点でアルファポリス様限定で掲載しております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている
甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。
実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。
偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。
けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。
不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。
真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、
少し切なくて甘い青春ラブコメ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
貧乏貴族の俺が貴族学園随一の麗しき公爵令嬢と偽装婚約したら、なぜか溺愛してくるようになった。
ななよ廻る
恋愛
貴族のみに門戸を開かれた王国きっての学園は、貧乏貴族の俺にとって居心地のいい場所ではなかった。
令息令嬢の社交場。
顔と身分のいい結婚相手を見つけるための場所というのが暗黙の了解とされており、勉強をしに来た俺は肩身が狭い。
それでも通い続けているのは、端的に言えば金のためだ。
王国一の学園卒業という箔を付けて、よりよい仕事に就く。
家族を支えるため、強いては妹に望まない結婚をさせないため、俺には嫌でも学園に通う理由があった。
ただ、どれだけ強い決意があっても、時には1人になりたくなる。
静かな場所を求めて広大な学園の敷地を歩いていたら、薔薇の庭園に辿り着く。
そこで銀髪碧眼の美しい令嬢と出会い、予想もしなかった提案をされる。
「それなら、私と“偽装婚約”をしないかい?」
互いの利益のため偽装婚約を受け入れたが、彼女が学園唯一の公爵令嬢であるユーリアナ・アルローズと知ったのは後になってからだ。
しかも、ユーリアナは偽装婚約という関係を思いの外楽しみ始めて――
「ふふ、君は私の旦那様なのだから、もっと甘えてもいいんだよ?」
偽装婚約、だよな……?
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』『アルファポリス』に掲載しております※
※ななよ廻る文庫(個人電子書籍出版)にて第1巻発売中!※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる