自己顕示欲の強い妹にプロデュースされる事になりました

白石マサル

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第七章~ヒメゴト~

変異

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 22時にバイトが終わり、着替えを済ませ事務所の外で沙月を待つ。
 沙月とは何回も一緒に帰っているが、今日はなんだかドキドキする。

 バイト中に見せた沙月の意外な一面が原因だろう。
 それに耳元で囁いた時の沙月は妙に艶っぽかった。

 そんな事を考えながら待っていると、着替えを済ませた沙月が事務所から出てきた。

「ごめんない、おまたせしました~」
「大丈夫だ、んじゃ帰るか」

 といつも通りに帰ろうとすると沙月が

「今日はこっちから帰りませんか?」

 と言われた。

「別に構わないけど、こっちは余り街灯が無いから離れるなよ」
「はーい。それじゃあ離れない様に手を握っておきますね」

 と言って手を握ってきた。

「手を握る必要はないだろ?」
「私と手を握るの嫌ですか?」
「嫌じゃないけど……」
「ならいいじゃないですか」

 と言って手を握り直す。
 指を絡めた、所謂恋人繋ぎだ。

 こんな事今までしてこなかったのに今日の沙月はどうしてしまったのだろう。
 しかもそんな沙月にドキドキしている自分がいる。

 あまり沙月を意識しない様に歩いていると、握っている手をキュッキュッと握って来た。
 お返しに俺もキュッキュッと握ると、またキュッキュッと握って来る。
 何だこれは? 凄く恥ずかしい。

「さっきからなんなんだよ」
「えー、スキンシップじゃないですか~」
「そういうのはいいからもうやるなよ」
「でも友也さんも握り返してきてくれたじゃないですか~」
「それは……やられたからやり返しただけだよ」

 言ってプイッと顔を背ける。
 
「友也さんって可愛いですね~」
「うっせー!」
「ふふふ」


 そんなやり取りをしながら歩いていると、人気のない公園の前に差しかかった。
 公園と言うには遊具が無く、街灯一つとベンチが置いてあるだけだった。
 
 気味が悪いなーなんて考えていると沙月が

「友也さん、公園……寄っていきませんか?」

 と言ってきた。

「こんな所より駅前のスタバの方がいいんじゃないか?」
「いえ、今は二人きりになりたいので……ダメですか?」

 と上目使いで聞いてくる。
 これでは断れない。

「分かったよ、少しだけな」
「ありがとうございます」

 公園の中に入ると、月明かりに照らされて意外と明るかった。
 一つしかないベンチに向かい俺が腰を降ろすと

「あっ、ちょっと待っててください。靴紐が解けちゃったので直しますね」

 と言って左足をベンチに掛け、靴紐を直している……!?

 左足を上げた事でスカートがズレてしまっている。
 しかも沙月は俺の右隣りで靴紐を直しているのでズレたスカートから色々見えてしまっていた。

 俺は何も見なかった事にして反対側を向く。
 
 白だった。白だった。白だった。白だった。

 ダメだ! 頭から離れない! 何か他の事を考えよう! 地球は何故丸いんだ?
 などと考えていると

「よいしょ、お待たせしました」

 と横に座った。
 肩と肩が触れ合う程近くに座られ、しかもさっきの光景がまだ浮かんでくるのでドギマギしていると

「見ました?」

 と聞かれた。
 ヤバイ! と思いながらも平静を装い

「何をだ?」

 と聞き返すと、顔を寄せてきて耳元で囁く様に

「私のパンツです」

 と言ってすぐに顔を離す。
 その言葉で俺はついに動揺を隠せなくなり

「み、見えちゃったんだからしょうがないだろ! 気を付けろよ」

 と逆ギレ気味に言うと、沙月は「ふふ」と笑って

「友也さんになら見られても平気ですよ。ちなみに上はフリルの着いた薄い水色です」

 と、とんでもない発言をする。
 そしてまた俺の手を握ってくる。

 俺は気にしないフリをしながらも、下着姿の沙月を想像してしまった。
 沙月はそんな俺の思考を読んだかの様に

「今私の下着姿想像しましたよね?」

 と言ってくる。

「そ、そんな想像する訳ないだろ!」
「私は想像して欲しいです……」

 と言いながら、繋いでない方の手を俺の太腿に乗せながら

「想像の中の私はどんな格好してますか? 私意外と着痩せするんです」
「な、何言ってんだよ」
「ふふ、ねぇ友也さん。女の子の柔らかさ知ってますか?」

 と言いながら太腿に置いた手を首に回し、まるで絡みつく様に俺の膝の上に乗って来た。

「ちょ、沙月! いい加減に……」

 いい加減にしろ! と言おうと沙月に目を向けると、いつの間にかブラウスのボタンが半ばまで開いていた。
 月明かりに照らされ、はだけた胸元がハッキリと見える。

 本当にフリルが付いてる。
 じゃなくて! この状況をどうにかしないと!
 
 と考えていると、手に柔らかい感触が当たった。
 
 さっきまで手を繋いでいた手がいつの間にか沙月の胸に当てられていた。

「どうですか? 私の身体で興奮しますか?」

 と熱っぽい声で聞いてくる。
 こんな事されて何も感じないわけがない。

「友也さん……」

 沙月の顔が近づいてくる。

「沙月……」

 もうこのまま身を任せてしまおうか……。
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