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第10章~彼氏彼女の事情~
露呈
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次の日バイトに行くと、珍しく店長がホールの仕事をしていた。
「てん……真弓さんがホールやるなんて珍しいですね」
危うく店長と言いかけた。
店長は自分の事を真弓と呼ぶように全従業員に言っている。
名前で呼ばなかったら理不尽にも怒られる。
店長は俺の言葉に対してやや疲れ気味に
「ああ、西村が高熱で出れないらしくてな。仕方なくだ」
「なるほど、それで西村先輩がいないんですね」
いつもは事務所に籠っている店長だが、バイトの穴を埋める為に店長自らホールに出るしかない。
聞けば三日連続で穴埋めしているらしく、店長の顔には珍しく疲れが見える。
しかし、お客様の前ではそんな事を微塵も感じさせないのだから流石は店長といった所だ。
夜のピークが過ぎて店長と一息していると、来店の音が鳴った。
それを聞いた店長はすぐさま入り口へと向かった。
その様子を見ていたら、店長らしからぬ、砕けた感じで話していた。
珍しかったので様子を見ていると
「真弓さん、お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだな」
どうやら店長の知り合いらしい。
店長は最初こそ砕けた感じだったが、その後はマニュアル通りに席に案内して戻って来た。
「友也、後は任せた。私は事務処理をしてくる」
とだけ言って逃げるように事務所に入っていった。
いくら客が少ないからって俺一人に押し付けるなんて……。
と考えていると、呼び出しの音が鳴った。
慌てて呼ばれたテーブルに向かう。
「お待たせいたしました、ご注文はお決まりでしょうか?」
と聞くと、三人組のリーダーらしき人物が捲し立てる様に注文してきた。
いっぺんに言われたのでもたついていると
「何やってんだよ、トロくせぇなぁ」
「申し訳ございません、すぐにお持ち致します」
と言ってカウンターに戻ろうとした時
「早くしてねー、トロい店員さーん」
「「ぎゃははは」」
と言って爆笑していた。
確かにもたついた俺が悪いけど、あそこまで言う事はないと思う。
カウンターに戻って心を落ち着かせていると、三人組の話声が聞こえてきた。
いくら他に客が居ないとはいえ、もう少し静かに出来ないのだろうか。
そんな大声で喋っていたら話の内容までまるわかりだ。
「修一くん、例のJKはどうなの?」
「あっ! それ俺も気になってた」
「あー、チョロかったな。俺の肩書聞いてすぐ飛びついてきたな」
「無理ないよ、修一くんの肩書は最強だから」
「そうそう、しかもイケメンだから落ちない女いないって」
「まあな。でもあの女結構ガード硬くてまだヤれてねぇんだよ」
「マジっすか!」
「その女何様って感じだね」
「んで、この間デートしてた時に女の友達と偶然会ったんだけど、ソイツもムカついたな」
「何かあったんすか?」
「俺がデートに誘ってやったのに彼氏居るから断るとか言い出しやがってよ」
「バカな女っすね」
「そんで俺がその彼氏の事バカにしたらマジギレしやがって。あー、マジうぜぇ」
「まぁまぁ落ち着いて」
「そんなバカは忘れてとっととJKヤっちゃいましょう」
「そうだな。ま、一発ヤってポイだけどな」
「「ぎゃはは」」
なんて下品な会話なんだ……。
気分悪くしていると、来店を知らせる音が鳴った。
それからは立て続けにお客さんが来て急に慌ただしくなった。
さすがの店長も事務所から出てきてホールを手伝ってくれた。
一段落して騒がしかった三人組のテーブルを見ると、既に帰った後だった。
気になる事があったのでもう少し話を聞いておきたかったがしょうがない。
退勤の時間になり店長と共に事務所に戻る。
事務所に戻った瞬間に店長は大きなため息を吐きながら椅子に腰かけた。
「はぁ~、いつもならあの時間は混まないのに参った参った」
「そうっすね、流石に疲れました」
「そうだろうな。今日は早く帰ってゆっくり休め」
「はい、そうします」
と言って更衣室に入り着替えを済ませる。
更衣室から出ると、店長は事務仕事をしていた。
そんな店長にずっと気になっていた事を聞いてみる。
「真弓さん、今日来た男三人組と知り合いなんですか?」
と聞くと、店長は一瞬ハッとした表情をした。
「ああ、あの中の一人は私の後輩なんだ」
「そうだったんですか!」
「私も今でこそ店長として働いているが、昔はやんちゃしていてな。その時に知り合ったんだ」
「やっぱりそうだったんですね」
「やっぱりとは何だ!」
「すみません」
「しかし景山も今じゃ東大生だからな。人生なんて分からない物だ」
「東大ですか! 凄いですね!」
「昔は結構やんちゃしててな。それにモテるもんだから女をとっかえひっかえしていたよ」
「でも今は東大生なんですよね?」
「ああ、あいつなりに相当努力したんだろうな。昔の面影は無かったよ」
そう言って店長は遠い目をした。
きっと昔の事を想い出しているのだろう。
それを邪魔しては悪いと思い
「それじゃお先に失礼します」
と言って店を出た。
歩きながら今日の事を振り返る。
真弓さんが景山と言っていた男が話していた事。
景山の事を修一と呼んでいた取り巻き。
そして柚希から見せて貰った彼氏の写真。
それらを頭の中で整理する。
柚希の彼氏は景山修一だ。
少し強引にでも柚希と話し合う必要があるようだ。
「てん……真弓さんがホールやるなんて珍しいですね」
危うく店長と言いかけた。
店長は自分の事を真弓と呼ぶように全従業員に言っている。
名前で呼ばなかったら理不尽にも怒られる。
店長は俺の言葉に対してやや疲れ気味に
「ああ、西村が高熱で出れないらしくてな。仕方なくだ」
「なるほど、それで西村先輩がいないんですね」
いつもは事務所に籠っている店長だが、バイトの穴を埋める為に店長自らホールに出るしかない。
聞けば三日連続で穴埋めしているらしく、店長の顔には珍しく疲れが見える。
しかし、お客様の前ではそんな事を微塵も感じさせないのだから流石は店長といった所だ。
夜のピークが過ぎて店長と一息していると、来店の音が鳴った。
それを聞いた店長はすぐさま入り口へと向かった。
その様子を見ていたら、店長らしからぬ、砕けた感じで話していた。
珍しかったので様子を見ていると
「真弓さん、お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだな」
どうやら店長の知り合いらしい。
店長は最初こそ砕けた感じだったが、その後はマニュアル通りに席に案内して戻って来た。
「友也、後は任せた。私は事務処理をしてくる」
とだけ言って逃げるように事務所に入っていった。
いくら客が少ないからって俺一人に押し付けるなんて……。
と考えていると、呼び出しの音が鳴った。
慌てて呼ばれたテーブルに向かう。
「お待たせいたしました、ご注文はお決まりでしょうか?」
と聞くと、三人組のリーダーらしき人物が捲し立てる様に注文してきた。
いっぺんに言われたのでもたついていると
「何やってんだよ、トロくせぇなぁ」
「申し訳ございません、すぐにお持ち致します」
と言ってカウンターに戻ろうとした時
「早くしてねー、トロい店員さーん」
「「ぎゃははは」」
と言って爆笑していた。
確かにもたついた俺が悪いけど、あそこまで言う事はないと思う。
カウンターに戻って心を落ち着かせていると、三人組の話声が聞こえてきた。
いくら他に客が居ないとはいえ、もう少し静かに出来ないのだろうか。
そんな大声で喋っていたら話の内容までまるわかりだ。
「修一くん、例のJKはどうなの?」
「あっ! それ俺も気になってた」
「あー、チョロかったな。俺の肩書聞いてすぐ飛びついてきたな」
「無理ないよ、修一くんの肩書は最強だから」
「そうそう、しかもイケメンだから落ちない女いないって」
「まあな。でもあの女結構ガード硬くてまだヤれてねぇんだよ」
「マジっすか!」
「その女何様って感じだね」
「んで、この間デートしてた時に女の友達と偶然会ったんだけど、ソイツもムカついたな」
「何かあったんすか?」
「俺がデートに誘ってやったのに彼氏居るから断るとか言い出しやがってよ」
「バカな女っすね」
「そんで俺がその彼氏の事バカにしたらマジギレしやがって。あー、マジうぜぇ」
「まぁまぁ落ち着いて」
「そんなバカは忘れてとっととJKヤっちゃいましょう」
「そうだな。ま、一発ヤってポイだけどな」
「「ぎゃはは」」
なんて下品な会話なんだ……。
気分悪くしていると、来店を知らせる音が鳴った。
それからは立て続けにお客さんが来て急に慌ただしくなった。
さすがの店長も事務所から出てきてホールを手伝ってくれた。
一段落して騒がしかった三人組のテーブルを見ると、既に帰った後だった。
気になる事があったのでもう少し話を聞いておきたかったがしょうがない。
退勤の時間になり店長と共に事務所に戻る。
事務所に戻った瞬間に店長は大きなため息を吐きながら椅子に腰かけた。
「はぁ~、いつもならあの時間は混まないのに参った参った」
「そうっすね、流石に疲れました」
「そうだろうな。今日は早く帰ってゆっくり休め」
「はい、そうします」
と言って更衣室に入り着替えを済ませる。
更衣室から出ると、店長は事務仕事をしていた。
そんな店長にずっと気になっていた事を聞いてみる。
「真弓さん、今日来た男三人組と知り合いなんですか?」
と聞くと、店長は一瞬ハッとした表情をした。
「ああ、あの中の一人は私の後輩なんだ」
「そうだったんですか!」
「私も今でこそ店長として働いているが、昔はやんちゃしていてな。その時に知り合ったんだ」
「やっぱりそうだったんですね」
「やっぱりとは何だ!」
「すみません」
「しかし景山も今じゃ東大生だからな。人生なんて分からない物だ」
「東大ですか! 凄いですね!」
「昔は結構やんちゃしててな。それにモテるもんだから女をとっかえひっかえしていたよ」
「でも今は東大生なんですよね?」
「ああ、あいつなりに相当努力したんだろうな。昔の面影は無かったよ」
そう言って店長は遠い目をした。
きっと昔の事を想い出しているのだろう。
それを邪魔しては悪いと思い
「それじゃお先に失礼します」
と言って店を出た。
歩きながら今日の事を振り返る。
真弓さんが景山と言っていた男が話していた事。
景山の事を修一と呼んでいた取り巻き。
そして柚希から見せて貰った彼氏の写真。
それらを頭の中で整理する。
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少し強引にでも柚希と話し合う必要があるようだ。
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