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第10章~彼氏彼女の事情~
水樹のお節介
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俺達を睨みつけながら仁王立ちする及川。
その隣で沙月が気まずそうにしている。
って言うか沙月は俺の浮気を疑ってるのか!?
中居も及川の言葉に突っかかる様に
「お前達には関係ぇねぇだろ。そっちこそ何してんだよ」
「私達只の女子会です~。沙月ちゃんのお姉さんと一緒に来ました~」
「ハイハイ、そうですか。それはようござんしたね」
「はぁ? 何その言い方~。っていうかマジで男二人で何してる訳?」
「別になんだっていいだろうが」
及川の言葉で忘れていた重大な事を思い出した。
それを伝えるべく、尚も言い合う中居を強引にコチラに引き寄せる。
「何だよ佐藤、邪魔すんな」
「そんな事より大変だぞ」
「あ? どうした?」
「もうすぐ水樹がナンパしたっていう女の子が来る。今その子が来たら俺達が完全に悪物にされるぞ」
「確かにヤベェな。ただでさえいつも以上にウザくなってるってのに」
「とりあえず俺は水樹に電話して事情を話すから、中居は時間を稼いでくれ」
「オッケ、任せろ」
行動方針が決まって動き出そうとすると、及川がいつの間にか俺達の所まで詰め寄って来ていた。
マズイ! 今の話を聞かれたか?
と様子を伺っていると
「二人でコソコソして怪しい! 絶対何か隠してるでしょ!」
「別に隠してなんかねぇよ」
よし! バレていないようだ。
中居が相手をしてくれている内に水樹に連絡しようとスマホを取り出そうとした時、及川の標的が中居から俺に移った。
「っていうか佐藤も何してる訳? 沙月ちゃんから色々聞いてるんだからね」
「え? な、何もやましい事はしてないぞ? そ、それに沙月から色々聞いたって何を聞いたんだよ?」
「それは言えないよ~、女同士の秘密……え? なに?」
沙月が及川の話を中断させて何やら耳打ちしている。
っていうか沙月は及川に何を話したのだろう。ソッチが気になる。
沙月との会話が終わった及川が何やらニヤニヤしている。
「ね~佐藤、佐藤って嘘つくとき言葉がどもるんだってね~」
「それがどうかした?」
「さっき思いっきりどもってたよね~。これは何か隠してるのがバレバレだな~」
「か、隠してなんかないって!」
と言った瞬間中居に頭を引っ叩かれた。
「いって~」
「いてぇじゃねぇよ! 思いっきりどもってんじゃねぇか!」
「そんな事言われたって自分じゃ治せないんだから仕方ないだろ」
「だからって指摘されて即行でどもってんじゃねぇよ!」
「そんなに怒んなよ! 今は一刻も早く水樹に連絡しないとだろ?」
「チッ、そうだったな」
「水樹がどうかしたの?」
「あ? 水樹に早く連絡……って、うお! いきなり混ざってくんじゃねぇ!」
俺達が言い争ってる間にいつの間にか及川が混ざっていた。
「あんたたちが隠してたのって水樹の事だったの?」
「別に隠してた訳じゃねぇよ、なぁ?」
「あ、ああ、遅いから心配してただけだしな」
「ふ~ん、だったら丁度よかったじゃん、水樹来たみたいだし」
「「は?」」
及川に言われ入り口の方を見ると、及川の言うとおり水樹が歩いてくるのが見えた。
これじゃ口裏を合わせる時間もないし、浮気のレッテルを張られて終わりだな。
なんて考えていると、よく見たら水樹の隣を友華さんが歩いている。
及川達は友華さんと一緒と言ってたな。
だとすると水樹は一人で戻って来たって事か。
不幸中の幸いか、どうやら水樹のナンパは失敗に終わったらしい。
「待たせて悪かったな」
「全然かまわねぇよ。ったく、今回ばかりはお前がフラれて助かったぜ」
「そうそう、水樹を待ってる間生きた心地がしなかったもんな」
「ん? お前達何言ってるんだ?」
「ドタキャンされた気持ちは察してやるから安心しろ」
「別に水樹がフラれた事を嬉しがってる訳じゃないからな?」
「いやいや、待てって。俺は別にフラれてなんかないぞ?」
「あ? どういう事だ?」
「ドタキャンされたから友華さんと一緒に来たんだろ?」
俺と中居の言葉を受けて、水樹は呆れた様に
「最初からユウ姉を連れて来るつもりだったんだけど? 何を勘違いしてんだか」
と言って肩を竦める。
「はぁ? お前が昨日ナンパした女連れて来るっつったんじゃねぇか!」
「いやいや、水樹、それは流石に無理があるって」
「お前達こそ何言ってんだ。昨日偶然ユウ姉も此処に行くって言ってたから一緒に行こうって誘ったんだよ。男だけでこんな所周れないだろ? まぁナンパって言い方は悪かったと思うけど、そこまで怒らなくてもいいだろ」
ハメられた。水樹は最初から及川達が此処に来る事を知っていた……いや、此処に来るように仕向けたに違いない。
じゃなかったらこんな所で偶然沙月達に会うなんて事は無い筈だ。
友華さんも水樹とグルなのだろう。沙月達は「友華さんと一緒に来る」って言ってたし。
全く、水樹らしいお節介の掛け方だ。
きっと沙月と及川も俺達と同じ心境だろう。
そう思い目を向けると、やはり気まずそうにこっちを見ていた。
その隣で沙月が気まずそうにしている。
って言うか沙月は俺の浮気を疑ってるのか!?
中居も及川の言葉に突っかかる様に
「お前達には関係ぇねぇだろ。そっちこそ何してんだよ」
「私達只の女子会です~。沙月ちゃんのお姉さんと一緒に来ました~」
「ハイハイ、そうですか。それはようござんしたね」
「はぁ? 何その言い方~。っていうかマジで男二人で何してる訳?」
「別になんだっていいだろうが」
及川の言葉で忘れていた重大な事を思い出した。
それを伝えるべく、尚も言い合う中居を強引にコチラに引き寄せる。
「何だよ佐藤、邪魔すんな」
「そんな事より大変だぞ」
「あ? どうした?」
「もうすぐ水樹がナンパしたっていう女の子が来る。今その子が来たら俺達が完全に悪物にされるぞ」
「確かにヤベェな。ただでさえいつも以上にウザくなってるってのに」
「とりあえず俺は水樹に電話して事情を話すから、中居は時間を稼いでくれ」
「オッケ、任せろ」
行動方針が決まって動き出そうとすると、及川がいつの間にか俺達の所まで詰め寄って来ていた。
マズイ! 今の話を聞かれたか?
と様子を伺っていると
「二人でコソコソして怪しい! 絶対何か隠してるでしょ!」
「別に隠してなんかねぇよ」
よし! バレていないようだ。
中居が相手をしてくれている内に水樹に連絡しようとスマホを取り出そうとした時、及川の標的が中居から俺に移った。
「っていうか佐藤も何してる訳? 沙月ちゃんから色々聞いてるんだからね」
「え? な、何もやましい事はしてないぞ? そ、それに沙月から色々聞いたって何を聞いたんだよ?」
「それは言えないよ~、女同士の秘密……え? なに?」
沙月が及川の話を中断させて何やら耳打ちしている。
っていうか沙月は及川に何を話したのだろう。ソッチが気になる。
沙月との会話が終わった及川が何やらニヤニヤしている。
「ね~佐藤、佐藤って嘘つくとき言葉がどもるんだってね~」
「それがどうかした?」
「さっき思いっきりどもってたよね~。これは何か隠してるのがバレバレだな~」
「か、隠してなんかないって!」
と言った瞬間中居に頭を引っ叩かれた。
「いって~」
「いてぇじゃねぇよ! 思いっきりどもってんじゃねぇか!」
「そんな事言われたって自分じゃ治せないんだから仕方ないだろ」
「だからって指摘されて即行でどもってんじゃねぇよ!」
「そんなに怒んなよ! 今は一刻も早く水樹に連絡しないとだろ?」
「チッ、そうだったな」
「水樹がどうかしたの?」
「あ? 水樹に早く連絡……って、うお! いきなり混ざってくんじゃねぇ!」
俺達が言い争ってる間にいつの間にか及川が混ざっていた。
「あんたたちが隠してたのって水樹の事だったの?」
「別に隠してた訳じゃねぇよ、なぁ?」
「あ、ああ、遅いから心配してただけだしな」
「ふ~ん、だったら丁度よかったじゃん、水樹来たみたいだし」
「「は?」」
及川に言われ入り口の方を見ると、及川の言うとおり水樹が歩いてくるのが見えた。
これじゃ口裏を合わせる時間もないし、浮気のレッテルを張られて終わりだな。
なんて考えていると、よく見たら水樹の隣を友華さんが歩いている。
及川達は友華さんと一緒と言ってたな。
だとすると水樹は一人で戻って来たって事か。
不幸中の幸いか、どうやら水樹のナンパは失敗に終わったらしい。
「待たせて悪かったな」
「全然かまわねぇよ。ったく、今回ばかりはお前がフラれて助かったぜ」
「そうそう、水樹を待ってる間生きた心地がしなかったもんな」
「ん? お前達何言ってるんだ?」
「ドタキャンされた気持ちは察してやるから安心しろ」
「別に水樹がフラれた事を嬉しがってる訳じゃないからな?」
「いやいや、待てって。俺は別にフラれてなんかないぞ?」
「あ? どういう事だ?」
「ドタキャンされたから友華さんと一緒に来たんだろ?」
俺と中居の言葉を受けて、水樹は呆れた様に
「最初からユウ姉を連れて来るつもりだったんだけど? 何を勘違いしてんだか」
と言って肩を竦める。
「はぁ? お前が昨日ナンパした女連れて来るっつったんじゃねぇか!」
「いやいや、水樹、それは流石に無理があるって」
「お前達こそ何言ってんだ。昨日偶然ユウ姉も此処に行くって言ってたから一緒に行こうって誘ったんだよ。男だけでこんな所周れないだろ? まぁナンパって言い方は悪かったと思うけど、そこまで怒らなくてもいいだろ」
ハメられた。水樹は最初から及川達が此処に来る事を知っていた……いや、此処に来るように仕向けたに違いない。
じゃなかったらこんな所で偶然沙月達に会うなんて事は無い筈だ。
友華さんも水樹とグルなのだろう。沙月達は「友華さんと一緒に来る」って言ってたし。
全く、水樹らしいお節介の掛け方だ。
きっと沙月と及川も俺達と同じ心境だろう。
そう思い目を向けると、やはり気まずそうにこっちを見ていた。
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