勘違い聖女とドS鬼畜王の攻防 

南 玲子

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守護精獣 シューリ

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その鳥は、鳥というより怪鳥の大きさで私の身長よりも高かった。その体よりも長い尻尾を入れると3メートル以上はあるかと思われた。全身の羽は虹色に輝き、その眼は赤色で見たこともない美しい鳥だった。その鳥が突然喋った。

「貴方が523番目の聖女のユイカね。レオールが珍しく守護精霊になったっていう・・・まあでも、なんていうか普通の女ね」

ああ、レオールの友達ね。っていうかレオール友達いるんだ。

「はい。わたしがユイカです。貴方はレオールの友達の守護獣なのですか?レオールならここにいますよ」

私は下のほうに視線をやる。希少種の日本黒犬として城の出入りを許されたレオールは私が仕事の時でも私の周りにいつもいたからだ。ほら、やっぱりいた。

「お前か・・・何しに来た」

「ぷぷぷ。レオール貴方なんて格好をしているの?そんなにこの聖女が気に入ったの?」

うーん。聖女ということを隠さなくてはいけない私としては、守護獣の言う台詞は聖女である私にしか聞こえないと分かっていても、そう連呼されると困る。

「あの、お友達なら二人で積もる話もありそうだし、場所を変えて話したらどうかな。私達この部屋を早く掃除して、次の部屋に行かないといけないから」

「貴方掃除なんてしているの?」

「はい」

このメイド服が目に入らんのか!

「地の守護精霊がいるのにどうして?」

いやだって役立たずだもん・・・とは思っても口には出さない。あれ?でも・・。

「・・・レオールって私の守護精霊なんですか?」


「・・・・・・・」


沈黙が流れる。

「貴方彼から直接名前を聞いて、その名前を呼んでもいいと許可を貰ったはずよ」

その怪鳥は続けて言う。そういえば一番初めに名前を聞いたときに・・・。

[ 私の名前はレオールだ。そう呼んでくれ、ユリカ ]

・・・とか言われたかも。それが守護精霊になる儀式なんだ。参ったなあ。っていうかもう3つの願い関係ないじゃん!!レオールお前黙ってたな!!!

「ふふふふ。おもしろいわ。ユリカ。あたしも貴方の守護精霊になってあげるって言ったらどうする?」

私は怪鳥を見上げて即答した。

「結構です。レオールは私にとって布団であり話し相手でもありますけど、貴方はあんまり役に立たなさそうというか・・・・」

私はちらっと虹色の羽を見て思う。

「まあ羽毛布団くらいにはなりそうですけど、さわり心地次第ですね。触ってみてもいいですか?」

その怪鳥は驚いたように眼を見開いていう。

「あたしが守護精霊になってあげようっていってるのよ。どうして断ったりするの?あたしが火の精霊だって知っているの?」

「光だろうが地だろうがどうでもいいんだけどですけど、私には今レオールを守ることで精一杯なんです。私はまだ駆け足のぺーぺーの侍女で、給金も余りないしこれ以上守ってあげられそうにありません。ごめんなさい」

このあたりでレオールも火の精霊も気が付いた。ユリカは守護精霊という意味を取り違えているのだ。レオールがユリカ守護精霊になったということで、ユリカがレオールを守ってやらなければいけないと思っているらしい。

普通の人間ならば、あまりに神技レベルの絶大な力を持つ精霊を守るという考えすら思いつかないだろう。だがユリカは違った。日本でもファンタジーの本を読んだ事が無いので、精霊といっても漠然とスピリチュアルなものなのかと思っているのが原因だ。

レオールはなんともユリカらしい間違いだと、苦笑いをこぼした。

突然居を付いて、火の精霊が笑い出した。

「ふふふふふふふ・・・あなたならいいわ。あたしの名前を教えてあげる。あたしはシューリよ。あたしの名前を呼ぶ許可を与えるわ」

うわっ。この鳥!!私が丁重にお断りしたのに勝手に自分の名前を名乗って、私このシューリも守ってやらないといけない訳――――!!!!

一瞬呆然となって血の気が引いたが、気を取り直していった。

「仕方ありません。私の守護精霊になったのなら、私の言うことを聞いてもらいますよ」

シューリが一瞬、怯えた表情になる。
「・・・何なの。一体・・。怖い顔して・・・」

守護精霊になるということは守護獣とは意味が違う。守護精霊はその主であるユリカに命令されれば必ず言うことをきかなくてはいかないからだ。しかもその主の命が尽きるまで・・・。なので殆どの守護獣は守護精霊になることを嫌う。よほどの理由が無い限り誰かの守護精霊にはならない。

私は仁王立ちで腰に手を当て反対の手の指を10センチくらいに広げて、下からシューリの顔を見上げつつ、できるだけ上から目線で言った。

「その姿では目立ちすぎるので、このくらいの大きさの鳥になってください。今日から貴方は日本国で産出された希少種の末裔、日本虹鳥です。でも私の就寝時には元の姿に戻って、掛け布団になってください!!」


「ぷっ!!!あはっはっはっ!!!」


背後から聞き覚えのある笑い声が聞こえた。

私は本能的に身構えた。


デューク王だ・・・!!!!
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