12 / 43
守護精獣 シューリ
しおりを挟む
その鳥は、鳥というより怪鳥の大きさで私の身長よりも高かった。その体よりも長い尻尾を入れると3メートル以上はあるかと思われた。全身の羽は虹色に輝き、その眼は赤色で見たこともない美しい鳥だった。その鳥が突然喋った。
「貴方が523番目の聖女のユイカね。レオールが珍しく守護精霊になったっていう・・・まあでも、なんていうか普通の女ね」
ああ、レオールの友達ね。っていうかレオール友達いるんだ。
「はい。わたしがユイカです。貴方はレオールの友達の守護獣なのですか?レオールならここにいますよ」
私は下のほうに視線をやる。希少種の日本黒犬として城の出入りを許されたレオールは私が仕事の時でも私の周りにいつもいたからだ。ほら、やっぱりいた。
「お前か・・・何しに来た」
「ぷぷぷ。レオール貴方なんて格好をしているの?そんなにこの聖女が気に入ったの?」
うーん。聖女ということを隠さなくてはいけない私としては、守護獣の言う台詞は聖女である私にしか聞こえないと分かっていても、そう連呼されると困る。
「あの、お友達なら二人で積もる話もありそうだし、場所を変えて話したらどうかな。私達この部屋を早く掃除して、次の部屋に行かないといけないから」
「貴方掃除なんてしているの?」
「はい」
このメイド服が目に入らんのか!
「地の守護精霊がいるのにどうして?」
いやだって役立たずだもん・・・とは思っても口には出さない。あれ?でも・・。
「・・・レオールって私の守護精霊なんですか?」
「・・・・・・・」
沈黙が流れる。
「貴方彼から直接名前を聞いて、その名前を呼んでもいいと許可を貰ったはずよ」
その怪鳥は続けて言う。そういえば一番初めに名前を聞いたときに・・・。
[ 私の名前はレオールだ。そう呼んでくれ、ユリカ ]
・・・とか言われたかも。それが守護精霊になる儀式なんだ。参ったなあ。っていうかもう3つの願い関係ないじゃん!!レオールお前黙ってたな!!!
「ふふふふ。おもしろいわ。ユリカ。あたしも貴方の守護精霊になってあげるって言ったらどうする?」
私は怪鳥を見上げて即答した。
「結構です。レオールは私にとって布団であり話し相手でもありますけど、貴方はあんまり役に立たなさそうというか・・・・」
私はちらっと虹色の羽を見て思う。
「まあ羽毛布団くらいにはなりそうですけど、さわり心地次第ですね。触ってみてもいいですか?」
その怪鳥は驚いたように眼を見開いていう。
「あたしが守護精霊になってあげようっていってるのよ。どうして断ったりするの?あたしが火の精霊だって知っているの?」
「光だろうが地だろうがどうでもいいんだけどですけど、私には今レオールを守ることで精一杯なんです。私はまだ駆け足のぺーぺーの侍女で、給金も余りないしこれ以上守ってあげられそうにありません。ごめんなさい」
このあたりでレオールも火の精霊も気が付いた。ユリカは守護精霊という意味を取り違えているのだ。レオールがユリカ守護精霊になったということで、ユリカがレオールを守ってやらなければいけないと思っているらしい。
普通の人間ならば、あまりに神技レベルの絶大な力を持つ精霊を守るという考えすら思いつかないだろう。だがユリカは違った。日本でもファンタジーの本を読んだ事が無いので、精霊といっても漠然とスピリチュアルなものなのかと思っているのが原因だ。
レオールはなんともユリカらしい間違いだと、苦笑いをこぼした。
突然居を付いて、火の精霊が笑い出した。
「ふふふふふふふ・・・あなたならいいわ。あたしの名前を教えてあげる。あたしはシューリよ。あたしの名前を呼ぶ許可を与えるわ」
うわっ。この鳥!!私が丁重にお断りしたのに勝手に自分の名前を名乗って、私このシューリも守ってやらないといけない訳――――!!!!
一瞬呆然となって血の気が引いたが、気を取り直していった。
「仕方ありません。私の守護精霊になったのなら、私の言うことを聞いてもらいますよ」
シューリが一瞬、怯えた表情になる。
「・・・何なの。一体・・。怖い顔して・・・」
守護精霊になるということは守護獣とは意味が違う。守護精霊はその主であるユリカに命令されれば必ず言うことをきかなくてはいかないからだ。しかもその主の命が尽きるまで・・・。なので殆どの守護獣は守護精霊になることを嫌う。よほどの理由が無い限り誰かの守護精霊にはならない。
私は仁王立ちで腰に手を当て反対の手の指を10センチくらいに広げて、下からシューリの顔を見上げつつ、できるだけ上から目線で言った。
「その姿では目立ちすぎるので、このくらいの大きさの鳥になってください。今日から貴方は日本国で産出された希少種の末裔、日本虹鳥です。でも私の就寝時には元の姿に戻って、掛け布団になってください!!」
「ぷっ!!!あはっはっはっ!!!」
背後から聞き覚えのある笑い声が聞こえた。
私は本能的に身構えた。
デューク王だ・・・!!!!
「貴方が523番目の聖女のユイカね。レオールが珍しく守護精霊になったっていう・・・まあでも、なんていうか普通の女ね」
ああ、レオールの友達ね。っていうかレオール友達いるんだ。
「はい。わたしがユイカです。貴方はレオールの友達の守護獣なのですか?レオールならここにいますよ」
私は下のほうに視線をやる。希少種の日本黒犬として城の出入りを許されたレオールは私が仕事の時でも私の周りにいつもいたからだ。ほら、やっぱりいた。
「お前か・・・何しに来た」
「ぷぷぷ。レオール貴方なんて格好をしているの?そんなにこの聖女が気に入ったの?」
うーん。聖女ということを隠さなくてはいけない私としては、守護獣の言う台詞は聖女である私にしか聞こえないと分かっていても、そう連呼されると困る。
「あの、お友達なら二人で積もる話もありそうだし、場所を変えて話したらどうかな。私達この部屋を早く掃除して、次の部屋に行かないといけないから」
「貴方掃除なんてしているの?」
「はい」
このメイド服が目に入らんのか!
「地の守護精霊がいるのにどうして?」
いやだって役立たずだもん・・・とは思っても口には出さない。あれ?でも・・。
「・・・レオールって私の守護精霊なんですか?」
「・・・・・・・」
沈黙が流れる。
「貴方彼から直接名前を聞いて、その名前を呼んでもいいと許可を貰ったはずよ」
その怪鳥は続けて言う。そういえば一番初めに名前を聞いたときに・・・。
[ 私の名前はレオールだ。そう呼んでくれ、ユリカ ]
・・・とか言われたかも。それが守護精霊になる儀式なんだ。参ったなあ。っていうかもう3つの願い関係ないじゃん!!レオールお前黙ってたな!!!
「ふふふふ。おもしろいわ。ユリカ。あたしも貴方の守護精霊になってあげるって言ったらどうする?」
私は怪鳥を見上げて即答した。
「結構です。レオールは私にとって布団であり話し相手でもありますけど、貴方はあんまり役に立たなさそうというか・・・・」
私はちらっと虹色の羽を見て思う。
「まあ羽毛布団くらいにはなりそうですけど、さわり心地次第ですね。触ってみてもいいですか?」
その怪鳥は驚いたように眼を見開いていう。
「あたしが守護精霊になってあげようっていってるのよ。どうして断ったりするの?あたしが火の精霊だって知っているの?」
「光だろうが地だろうがどうでもいいんだけどですけど、私には今レオールを守ることで精一杯なんです。私はまだ駆け足のぺーぺーの侍女で、給金も余りないしこれ以上守ってあげられそうにありません。ごめんなさい」
このあたりでレオールも火の精霊も気が付いた。ユリカは守護精霊という意味を取り違えているのだ。レオールがユリカ守護精霊になったということで、ユリカがレオールを守ってやらなければいけないと思っているらしい。
普通の人間ならば、あまりに神技レベルの絶大な力を持つ精霊を守るという考えすら思いつかないだろう。だがユリカは違った。日本でもファンタジーの本を読んだ事が無いので、精霊といっても漠然とスピリチュアルなものなのかと思っているのが原因だ。
レオールはなんともユリカらしい間違いだと、苦笑いをこぼした。
突然居を付いて、火の精霊が笑い出した。
「ふふふふふふふ・・・あなたならいいわ。あたしの名前を教えてあげる。あたしはシューリよ。あたしの名前を呼ぶ許可を与えるわ」
うわっ。この鳥!!私が丁重にお断りしたのに勝手に自分の名前を名乗って、私このシューリも守ってやらないといけない訳――――!!!!
一瞬呆然となって血の気が引いたが、気を取り直していった。
「仕方ありません。私の守護精霊になったのなら、私の言うことを聞いてもらいますよ」
シューリが一瞬、怯えた表情になる。
「・・・何なの。一体・・。怖い顔して・・・」
守護精霊になるということは守護獣とは意味が違う。守護精霊はその主であるユリカに命令されれば必ず言うことをきかなくてはいかないからだ。しかもその主の命が尽きるまで・・・。なので殆どの守護獣は守護精霊になることを嫌う。よほどの理由が無い限り誰かの守護精霊にはならない。
私は仁王立ちで腰に手を当て反対の手の指を10センチくらいに広げて、下からシューリの顔を見上げつつ、できるだけ上から目線で言った。
「その姿では目立ちすぎるので、このくらいの大きさの鳥になってください。今日から貴方は日本国で産出された希少種の末裔、日本虹鳥です。でも私の就寝時には元の姿に戻って、掛け布団になってください!!」
「ぷっ!!!あはっはっはっ!!!」
背後から聞き覚えのある笑い声が聞こえた。
私は本能的に身構えた。
デューク王だ・・・!!!!
0
あなたにおすすめの小説
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる