勘違い聖女とドS鬼畜王の攻防 

南 玲子

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黒い鱗の竜

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早速デューク王に、朝一番で寝室に突撃訪問して提案したら即、右手で頭頂部にチョップを食らった。

「その案は却下!」

私は痛む頭を押さえながら、次の提案をしてみる。

「じゃ、エリョリーナ王女の前で1分間おならをするのはどうかな?両足を首の後ろにまわして両手で歩くとか、はたまた、よだれと鼻水を垂らしながら暮らすとか・・・・」

デューク王はその度に私の頭にチョップを食らわし、最後には両手で私の頬を締め上げて、その整ったお顔を近づけてきた。私の鼻と彼の鼻が当るくらいに近い。

ぎゃぁぁぁーーーー。イケメン怖い。イケメン怖い!!!

「私がなにかをしたりという方向じゃない案を出してくれないか?それとも私にスミスみたいになれと言うのか」

いや・・もしかして、もしかしなくても怒ってらっしゃる?

「で・・・でも、スミスさんはデューク王と違ってとっても普通の素敵な人です」

私の基準はイケメンは、悪人。普通の人は、素敵な人。だった。なのでデューク王の言っている意味が分からなかった。

デューク王の機嫌がますます悪くなる。

「もういい。そんなことをさせられるくらいなら、今から私がエリョリーナ王女を殺してくる」

そういって近くにいる騎士から剣を貰おうとしている。

えー!!仮にも婚約者でしょう?なんて物騒なお人なの・・・この人!

「人殺し反対です!平和的解決を目指しましょう。そうだよくあるドラマだと結婚間近のカップルの前に現れるのは、たいてい元彼、元彼女です。デューク王の元彼女は今どこですか?その人に何とかしてもらいましょう!!」

デューク王が貸してもらった剣を腰に刺しながら言った。

「私の元彼女はいないといえばいないし、いるといえば100人ほどいる」

はいいいいい????

するとデューク王が、丁寧に説明してくれた。

2年ほど前、王国の状態が安定したので・・( 実は侵略に飽きてきたらしい・・ )そろそろ跡継ぎをと思い、いろんな女性と避妊魔法をかけながらそういう関係になったそうで・・・。1ヶ月で100人と試してみた結果、女はもういいという結論に達したらしい。

「どの女もみんな同じだ。しかもみんな私より顔も悪いし頭も悪い。女とそういう行為をするくらいなら、このまま結婚しなくてもいいと結論付けた」

ほーう。いや馬鹿じゃない?この人?

「不器用なんですね。デューク王は・・・」つい本音が出てしまった。

その一言にデューク王が過剰に反応する。

「おいユリカ不器用ってどういうことだ?!私は生まれてこの方、そんなことを誰かに言われたことはないぞ!」

あー無自覚ですか・・・。だけど真実だと内心では思っているから過剰に反応するって訳ですね。

「1ヶ月で100人ってところがですよ。今度は逆を試すといいです。1人を100日ってことでどうでしょうか?そうしたら見えてくるものがあると思いますよ」

私がキレた子供を諭すようにいうと、背後でレオールとシューリが笑っている声が聞こえた。

いや、私にしか聞こえないからいいけどね、デューク王が聞いたら激怒するよ。そしたら明日は豹鍋に鳥からが晩御飯のメニューにのるよ・・。

デューク王は何か思うところがあるようで、暫く熟考した後で口を開いた。

「わかった。じゃあ、お前にする」

「はぁ??!」

「1人を100日ってやつだ。お前なら他の女と全然違うからできそうな気がする。試しに毎日やってみよう」

ちょっと待って!やるって、その夜のいけない感じのやるですか?いや、間に合ってます。結構です。遠慮します!!!!

私はドサクサにまぎれて抱きついてこようとする人間の皮をかぶった悪魔から必死で逃れた。あわやベットに押し倒されそうになった時に、目の前にありえないものを見た。私の上にのしかかっているデューク王の肩越しに見る空間に、なにやら黒くて大きいものが見えた。

まわりの近衛兵が、あまりの事に動揺している。私の視線に気がついたらしいデューク王が振り返ると、そこには大きな漆黒の翼をもった竜がいた。

その竜が私に向かって話しかけた。

「お主がユリカか。俺のシューリがお主の守護精霊になったと聞いてやってきた。俺のシューリはどこだ?」

な・に・ご・と????!!
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