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デューク王の考察 3
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ユリカは本当に面白い女だ。
いつまでたっても飽きない。この何事にも飽きやすい私が、ユリカに会える日を楽しみにしている。
最近毎朝私の寝所に突撃してきては、エリョリーナ王女婚約破棄作戦の案を提示してくる。それはどれも突拍子もないもので、後で思い返しては大笑いをさせてもらっている。勿論、案は全て却下だ。その度に私の鉄拳がとび、ユリカの顔が歪むのを見て快感を覚える。
先日ユリカが私のことを不器用だといった。生まれてこの方、天才だの非凡だのと賞賛の言葉で形容されたことはあっても、不器用だと言われたのは初めてのことだったので驚いた。
ユリカがいうには1ヶ月で100人と夜を共にするよりも、1人と100日間夜を共にするほうが、見えてくるものがあるそうだ。
そうなのだろうか・・・もしそうならその一人はユリカがいい。そう思った・・・。なので無理にでも手篭めにしてやろうと実力行使に出た時、大きな黒い鱗を持った竜が現れた。そいつは水の守護獣で、ユリカの守護精霊になりたいといっているらしい。
彼女は最初、水の守護獣に対して災害だといって守護精霊にするのを拒んだが、水の守護獣が哀れっぽい仕草をしただけで同情したのか、日本黒鱗鷲に変化し彼女の就寝時には凍り枕になるのならばと守護精霊になるのを許可した。
私だけではなく世界に誇る大精霊たちでさえ、この変わった聖女と一緒にいるのはとても心地のよい事らしい。
また居候が増えると言うことでユリカは私に頭を下げて、水の守護精霊と一緒に城に住まわせてくれと再び頼んで来た。
本来ならば私が頭を下げて王国に留まってくれとお願いする立場だということに、未だ気が付かない彼女に微笑みがこぼれる。
彼女を手に入れることを条件にしても良かったが、嫌がる彼女を精神的に追い詰めて、嫌なのに自らねだらせるような状況に追い込んで抱くほうが面白そうだったのでやめた。
はやく私の物になればいいのに・・・。
ある日政務に勤しんでいると、有能な侍従からユリカがエリョリーナ王女と直接対決をしていると聞いたので、早速帯剣をして現場に向かった。
私がユリカのことを聖女だというと、正体がばれるのを恐れたユリカが自分は性を売る方の性女だと言い張った。自分の名誉より3匹の守護精霊と過ごす侍女生活を優先させる彼女に驚かされた。将来の夢は超・侍女らしい。本当に予測できない女だ。
あまりにもエリョリーナ王女がうっとうしかったので、挽肉にしてやろうと思って剣を取った。戦いのさなかもずっとユリカを腕の中に抱いていた事に、実は自分でも気が付いていなかった。無意識だったらしい。
ユリカはブレダ王国の騎士と王女の命を懇願した。いいだろう、私もさっさと殺してしまうより、じわじわと痛めつけて殺すほうが長く楽しめるのでそっちを取った。騎士達の両脚の腱をわざわざ狙って斬りつける。プライドの高い騎士が歩けなくなることで精神的に苦痛を与えるのが目的だ。
戦いが終わった後、ユリカは私が騎士達と王女を殺すと思ったらしく、水の守護精霊に頼んで奴らをブレダ王国に届けさせた。
私はユリカが苦しむだろうと、騎士達の命を救ったことで彼らに与えた苦痛を語って聞かせた。時に死は生より望まれるものだということを説明してやった。
ユリカが苦悶の表情を浮かべる。私は背筋に快感が走るのを覚えた。だが驚いた事に次の瞬間彼女は言ってのけた。
死は生より良いものでは決してないと・・・彼女は自信を持ってそう言い張った。その言葉に私の全身は凍ったように動かなくなった。今までの自分の信念が崩れていくように感じた。
考えても出口のない疑問に苦悩していると、ふと彼女の双眸が私を見つめているのに気が付いた。その次の瞬間、胸の奥が痛んでそれなのに暖かい熱がそこから上がってきて頬を染めたのに気が付いた。
この感情は何なのだ。今まで感じたことのない感情だ。
私はきっとその答を知っているはずだ。だけど、ただ認めたくないだけなんだ。
私はユリカを愛してしまったことを・・・。
いつまでたっても飽きない。この何事にも飽きやすい私が、ユリカに会える日を楽しみにしている。
最近毎朝私の寝所に突撃してきては、エリョリーナ王女婚約破棄作戦の案を提示してくる。それはどれも突拍子もないもので、後で思い返しては大笑いをさせてもらっている。勿論、案は全て却下だ。その度に私の鉄拳がとび、ユリカの顔が歪むのを見て快感を覚える。
先日ユリカが私のことを不器用だといった。生まれてこの方、天才だの非凡だのと賞賛の言葉で形容されたことはあっても、不器用だと言われたのは初めてのことだったので驚いた。
ユリカがいうには1ヶ月で100人と夜を共にするよりも、1人と100日間夜を共にするほうが、見えてくるものがあるそうだ。
そうなのだろうか・・・もしそうならその一人はユリカがいい。そう思った・・・。なので無理にでも手篭めにしてやろうと実力行使に出た時、大きな黒い鱗を持った竜が現れた。そいつは水の守護獣で、ユリカの守護精霊になりたいといっているらしい。
彼女は最初、水の守護獣に対して災害だといって守護精霊にするのを拒んだが、水の守護獣が哀れっぽい仕草をしただけで同情したのか、日本黒鱗鷲に変化し彼女の就寝時には凍り枕になるのならばと守護精霊になるのを許可した。
私だけではなく世界に誇る大精霊たちでさえ、この変わった聖女と一緒にいるのはとても心地のよい事らしい。
また居候が増えると言うことでユリカは私に頭を下げて、水の守護精霊と一緒に城に住まわせてくれと再び頼んで来た。
本来ならば私が頭を下げて王国に留まってくれとお願いする立場だということに、未だ気が付かない彼女に微笑みがこぼれる。
彼女を手に入れることを条件にしても良かったが、嫌がる彼女を精神的に追い詰めて、嫌なのに自らねだらせるような状況に追い込んで抱くほうが面白そうだったのでやめた。
はやく私の物になればいいのに・・・。
ある日政務に勤しんでいると、有能な侍従からユリカがエリョリーナ王女と直接対決をしていると聞いたので、早速帯剣をして現場に向かった。
私がユリカのことを聖女だというと、正体がばれるのを恐れたユリカが自分は性を売る方の性女だと言い張った。自分の名誉より3匹の守護精霊と過ごす侍女生活を優先させる彼女に驚かされた。将来の夢は超・侍女らしい。本当に予測できない女だ。
あまりにもエリョリーナ王女がうっとうしかったので、挽肉にしてやろうと思って剣を取った。戦いのさなかもずっとユリカを腕の中に抱いていた事に、実は自分でも気が付いていなかった。無意識だったらしい。
ユリカはブレダ王国の騎士と王女の命を懇願した。いいだろう、私もさっさと殺してしまうより、じわじわと痛めつけて殺すほうが長く楽しめるのでそっちを取った。騎士達の両脚の腱をわざわざ狙って斬りつける。プライドの高い騎士が歩けなくなることで精神的に苦痛を与えるのが目的だ。
戦いが終わった後、ユリカは私が騎士達と王女を殺すと思ったらしく、水の守護精霊に頼んで奴らをブレダ王国に届けさせた。
私はユリカが苦しむだろうと、騎士達の命を救ったことで彼らに与えた苦痛を語って聞かせた。時に死は生より望まれるものだということを説明してやった。
ユリカが苦悶の表情を浮かべる。私は背筋に快感が走るのを覚えた。だが驚いた事に次の瞬間彼女は言ってのけた。
死は生より良いものでは決してないと・・・彼女は自信を持ってそう言い張った。その言葉に私の全身は凍ったように動かなくなった。今までの自分の信念が崩れていくように感じた。
考えても出口のない疑問に苦悩していると、ふと彼女の双眸が私を見つめているのに気が付いた。その次の瞬間、胸の奥が痛んでそれなのに暖かい熱がそこから上がってきて頬を染めたのに気が付いた。
この感情は何なのだ。今まで感じたことのない感情だ。
私はきっとその答を知っているはずだ。だけど、ただ認めたくないだけなんだ。
私はユリカを愛してしまったことを・・・。
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