勘違い聖女とドS鬼畜王の攻防 

南 玲子

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おそらくかなりできる有能な侍従

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さすがドS・鬼畜・悪魔・腹黒王。実の母親にも遠慮がない。私は少し、推定未来のお義母様のことが気の毒になってきた。

ふと気が付くとガラス張りの豪華絢爛で悪趣味な部屋に、デューク王と二人きりな事に気が付いた。デューク王がさっきから私の目を見つめているのが分かるが、分かっているからこそ、そっちの方向を極力見ないように努めた。無言の戦いがもう始まっている。

やばい・・・やばやばだ。結婚前にセカンドバージンを奪う気か?いやこいつは私を精神的に追い詰めて、嫌なのに自らねだらせるような状況に追い込んで抱きたいはずだ。嫌なのは、もうずっと嫌だろうから変わらないだろう。自らねだる?っていうのはどういう状況なのだ。誰かを人質にするとか、もしくは媚薬かなんかでそういう気持ちにさせるとか・・・?

やばい。やばい。セカンドバージンの危機だ。そうだ!!嫌なのにってところにきっと鍵がある。もし私がノリノリで自らねだれば、嫌なのに自らねだるといった状況ではないので、セカンドバージンは守られるはずだ。

そう考えた私はさっそく実行に移す事にした。自分にできる精一杯のしなを作って、甘い声をだす。両腕をデューク王の両肩に絡めて言った。

「でゅーーーーくぅぅぅん。わぁたぁしぃを抱いてぇぇぇぇ・・・」

自分で言っていて自分でも気持ち悪くなってきた。おえっ。しかし負けんぞ!!こいつと夜を共にしたらどんな目に合わされるか分かったこっちゃない。私は勇気を奮って一層デューク王をノリノリで誘う。

「ずっとぉぉぉ、抱いてほしぃかったのぉぉぉーーん。好きぃぃぃぃーーーん」

少し心もとないがなんとかその存在が分かる程度の胸を、デューク王の胸に押し当てて顔を近づけていった。すると、突然デューク王が突拍子もない行動に出た。私の腰をたくましい両腕でかき抱き、その眉目秀麗なお顔を近づけて、たおやかな唇を私の唇にくっつけた。

これって・・・・あの・・・接吻!!!!???キスですか?え? なんで?あんた嫌なのに自らねだられないとその気にならないんじゃ・・・・。んぐぐぐぅぅぅ。

私は全身の筋肉を使って頭を後方に動かそうとするが、デューク王のたくましい上腕二頭筋には成すすべもなく敗北した。舌を入れてこようとするのを必死で唇を閉じて抵抗する。するとデューク王が私をホールドしている腕とは、反対の手を使って私のわきをくすぐった。

うひゃ!!口を結んでいた顔筋が緩む。すかさず舌を進入させて口内をもてあそぶ。あーこいつはそういう奴だった。私が嫌がることをするのが快感なのだ。よし、嫌がる姿が快感ならば、逆に私が嫌がらないでいれば、面白くなくなって開放してくれるに違いない。

さっそく。作戦変更っていうか、当初の作戦のままなんだけど・・・両手でデューク王の顔と頭を撫で付けながら、自分から舌を絡ませて熱いキスを堪能する。端から見ればバリウッド映画並みの熱いキスシーンみたいになっているだろう。しめしめと思いながらデューク王が飽きるまで抱擁を続けた。

二人きりの空間で互いの唇を吸う音だけが辺りに響く。

・・・はて・・・いつになったらこいつは私に飽きるつもりなんだろう。もうかれこれ17分と25秒が経過している。( 時間はそこにある最高級純金置時計で確認済みだ )このまま接吻を続けると明日には二人ともたらこ唇になっているに違いない。そろそろこいつを殴ってでも終わらせよう。

そう私が決めて両手を振りかぶった瞬間、背後からおそらくかなりできる有能な侍従が音も無く近づいてきて、熱い接吻を続けているデューク王に向かって囁いた。

「デューク王陛下、ブレダ王国との戦争で、戦況に変化が起こりました。至急、会議室においでください」

やったぁぁぁぁ!!よくやった!さすが、おそらくかなりできる有能な侍従!!褒めてやろう!!ああ、もう唇の感覚は無いし、口内にいたっては31本全ての歯の表から裏にいたるまで舐め尽された感がある。肉体的にもかなり消耗したが、精神的に至っては大事な何かを失ってしまったくらいの先制攻撃を受けた。恐るべしドS・鬼畜・悪魔・腹黒王。相手にとって不足なし!!

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