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8、マルキ公爵side 2
しおりを挟む僕の屋敷にマリア・ロズベル伯爵令嬢がやって来て二日目、僕は彼女と一緒に朝食をとる事にした。
食事の席で先に着いて待っていると、彼女が来た。
「公爵様、お待たせしてしまい申し訳ありません。」
そう言って現れた彼女は、案の定昨日と同じ古臭い地味なワンピースを着ていた。猫背で化粧っ気もなく、ボサボサ頭のマリアの事を、後ろに控える侍女達が馬鹿にして笑っていた。
彼女はもとの顔は美しいのに勿体ない。せめてあの眼鏡だけでも外せば良いのに‥と思ってしまった。
それよりもだ、彼女にいよいよ絵の話をしなくては‥‥。いや、慌ててはいけない。昨日から彼女は食事をとっていない。先に食事をしてもらわなければいけないな。僕は迅る気持ちを抑えて、彼女に食事をすすめた。
「疲れただろう。‥まあ、座りたまえ。食事をしよう。」
僕がそう言うと、彼女は緊張した様子で食事を進めた。彼女がお腹いっぱいになり、食事の手を止めたところで、僕は絵の話を切り出した。
「マリアさん、あなたにはある部屋の壁画を描いて欲しいんだ。描き終わるまではずっとこの屋敷に住んで頂きたい。良いだろうか?」
僕は彼女に壁画を描く事と、壁画を完成させるまではこの屋敷に住んでもらう事をお願いした。
「はい。それでお願いします。」
予想通りの彼女の返事を聞いて、僕はとても満足した気持ちになった。
それから毎日、僕は仕事を終えて屋敷へ帰るなり、すぐに自分の秘密の部屋に向かうようになった。
僕はベリアルを通して、彼女に描いて欲しい怪物や風景、人間達の仕草を伝えていたが、なんと、彼女は素晴らしい!
僕の頭の中の想像通りの世界を、この壁画に再現してくれていたのだ。
その後も何日も、彼女の壁画制作の日々は続いた。僕も相変わらず、仕事から帰ってくる度にすぐこの部屋に来ていた。
ベリアルから聞いた話では、彼女は僕の為に、毎日朝食以外は食べずに、ずっとここで絵を描き続けているらしい。
彼女の才能、情熱、それに僕の頭の中の世界を正確に理解してくれる理解力、全てが愛おしく思えた。
彼女を手放したくない。
僕はそう思ってしまった。
だが、僕は彼女に触れてはならない。彼女には、絵が描き終わるまでは処女でいて貰わなくては困るのだ。
それに、僕の性欲は人よりも強すぎるらしい。それ故に家族にも汚らわしいと蔑まされていた。
そんな僕に与えられた二人の侍女、フローラとベス。彼女らはサキュバスだった。彼女達は、自身に生殖能力がない為人間の男を襲っては精液を搾取する悪魔だった。
なんと、両親は僕に悪魔を当てがったのだった。
僕は毎晩自身の性欲に苦められて、更には二人のサキュバスにより、何度もイカされて精液を搾取されてくたくたになるのだった。
僕の体はだんだん痩せ細ってきた。
そんな日々の中、僕の秘密の部屋の壁画があと少しで完成するまでになった。
マリアは壁の高い部分を塗るのに、足場を器用に組んで、高所で作業をしていた。
僕は壁画の為にここまでしてくれる彼女に感動した。
僕は思わず彼女に近付き声をかけてしまった。
「マリア、今日も朝食以外食べてないんだって?」
僕が急に声をかけたせいか、彼女は驚いていた。そして、僕に挨拶をしようと高い足場から梯子を使って降りてきた。
彼女の地味な顔が、今日はとても輝いて見えた。
僕は彼女と並んで立ち、一緒に完成間近の壁画を眺めていた。壁画はとても壮大で僕の想像に忠実で生き生きしていた。彼女の素晴らしい仕事内容に、僕はとても満足していた。
それに、彼女の体からは油絵の具やオイルの臭いがした。人間の体臭とは違う無機質な臭いだった。僕は彼女の臭いをもっと嗅いでみた。
「マリア、君から絵具の匂いがする‥。」
僕はいつの間にか彼女を後ろから抱きしめて、両手で彼女の胸から太腿あたりを弄りはじめていた。
彼女の細い体からは想像出来ないほど豊かな胸に、僕は母性を感じた。憧れてやまない母の愛をそこに感じた。僕は必死に彼女の体を弄った。
僕が彼女の体を夢中で弄っていると、彼女がその場に倒れ込んでしまった。
それでも僕は容赦なく彼女に触れた。彼女に口づけをしながら、彼女の下着の中も触っていた。
不思議な気分だった。性欲とは違う何かを求めるような気持ちだった。
何かを確かめたいような、求めても手に入らない何かを求めるような不思議な気持ちになった。
ああ、分かってしまった。僕はマリアに母性を求めていたのだ。だからマリアは絶対に処女でなくてはならない。
淫乱な母は僕の理想ではないからだ。
僕は妙に納得した。そしてマリアが僕に抵抗する事なく、僕を受け入れてくれた事に満足していた。
僕は壁画が完成するまで度々マリアを触りに来た。そして、マリアにその行為を黙って受け入れて貰える事を、確認しては安心する日々を過ごした。
そして、この部屋の壁画が描き終わる頃、いよいよ宴を行う事になった。
宴に行く前に、例の如くサキュバス達がやってきた。二人は僕の体を散々弄び、精液を絞りとるだけ取ると去っていった。
僕は悪魔を呼び出す為の牛の被り物を被って、僕の信奉者達と共に秘密の部屋へと向かった。
きっと今頃、眠ってるマリアの部屋には僕の信奉者の誰かが向かってるだろう。
僕は今宵この身に悪魔を呼び入れて、悪魔にマリアの処女を生贄として捧げるのだ。
マリアは今日僕の為に処女を失うのだった。
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