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第7話 勉強を教えられる側の苦悩
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「それじゃあ、教えてもらおうじゃないの!」
「……本気だったんだ、それ」
弁当を交換した日の放課後、帰ろうとしている所を無理矢理止められた唯斗は、向かい合わせに座った夕奈を見てため息をこぼした。
「人の顔みてため息って、失礼だと思わない?」
「見てたのは顔じゃなくて鼻だからセーフ」
「相手の鼻を見てたら目を見てると思われるみたいな話あるよね……って、それでもアウトなんですけど?!」
「セーフ寄りのアウトだよね」
「罪をなるべく軽くしようとすな」
どこから取り出したのか、唯斗は折り紙で作ったハリセンでペシッと頭を叩かれる。
痛くはないけど、してやったりと言いたげな顔を見るとちょっとはイラッとするもんだね。
「それ貸して」
「仕返しするつもりでしょ」
「……ちっ」
「バレたからって舌打ちしたよね?!」
「さあ、勉強を始めようか」
「急に爽やかになっても騙されないかんな!」
夕奈は相変わらず騒がしいなぁ。僕の妹がこんなふうに育ったら、こっちが発狂するか、妹を樹海に捨てるかの2択だよ。
唯斗は心の中でため息をつくと、教科書を広げて夕奈へと渡す。すると、あろうことか彼女は「えぇ……」と不満そうな顔を見せた。
「放課後に美少女と2人きり、こんなシチュエーションで勉強するのー?」
「そのために僕は残らされてるんでしょ」
「これだから男子は。わかってないなぁー♪」
夕奈は唯斗の目の前で「チッチッチッ」と指を振ってみせる。効果の分からない技でも使うつもりなのだろうか。
「とにかく、さっさと勉強終わらせるよ。早く帰りたいんだから」
「むっ……唯斗君はさ、可愛い女の子といてドキドキしたりしないんだ?」
「するよ、僕も男ではあるからね」
「へぇー?じゃあ……今もしてる?」
勉強を始めると言っているのに、さては僕の時間を無駄にさせる作戦だな。
そう睨んだ唯斗は、教科書の大事そうなところをマークしながら彼女の声に答える。
「してないけど」
「……は?」
夕奈は普段よりワントーン低い声を発すると、机から乗り出すようにして唯斗に詰め寄る。しかし、当の唯斗はと言うと、相変わらず無反応だった。
そんな姿を見て、夕奈は自分が怖い顔をしていることに気がつくと、慌てて平常心を取り戻すべく深呼吸を始める。
「ひ、ひとつ聞きたいんだけど」
「なに?」
「どうして、ドキドキ?しないのかな……なんて」
「だって可愛い女の子といるわけじゃないし」
「……」
想定外の返答に、夕奈は思わず拳を握りしめた。もう少し理性が働くのが遅れていなたなら、コークスクリューを放っていたかもしれない。
しかし、行き場を失った苛立ちと悲しみは自身の体の中で暴れ始め、彼女の視界はゆらゆらと独りでに歪み始める。
だが、唯斗の次の一言によって、消えかかっていた夕奈の意識は現実へと引き戻されたのだった。
「夕奈は可愛いと言うより綺麗だからね」
こやつ、ツンデレかよ!
いわゆるデレの部分を見たような気がして、夕奈はついつい緩む頬を抑えきれなくなってしまっていた。
「……本気だったんだ、それ」
弁当を交換した日の放課後、帰ろうとしている所を無理矢理止められた唯斗は、向かい合わせに座った夕奈を見てため息をこぼした。
「人の顔みてため息って、失礼だと思わない?」
「見てたのは顔じゃなくて鼻だからセーフ」
「相手の鼻を見てたら目を見てると思われるみたいな話あるよね……って、それでもアウトなんですけど?!」
「セーフ寄りのアウトだよね」
「罪をなるべく軽くしようとすな」
どこから取り出したのか、唯斗は折り紙で作ったハリセンでペシッと頭を叩かれる。
痛くはないけど、してやったりと言いたげな顔を見るとちょっとはイラッとするもんだね。
「それ貸して」
「仕返しするつもりでしょ」
「……ちっ」
「バレたからって舌打ちしたよね?!」
「さあ、勉強を始めようか」
「急に爽やかになっても騙されないかんな!」
夕奈は相変わらず騒がしいなぁ。僕の妹がこんなふうに育ったら、こっちが発狂するか、妹を樹海に捨てるかの2択だよ。
唯斗は心の中でため息をつくと、教科書を広げて夕奈へと渡す。すると、あろうことか彼女は「えぇ……」と不満そうな顔を見せた。
「放課後に美少女と2人きり、こんなシチュエーションで勉強するのー?」
「そのために僕は残らされてるんでしょ」
「これだから男子は。わかってないなぁー♪」
夕奈は唯斗の目の前で「チッチッチッ」と指を振ってみせる。効果の分からない技でも使うつもりなのだろうか。
「とにかく、さっさと勉強終わらせるよ。早く帰りたいんだから」
「むっ……唯斗君はさ、可愛い女の子といてドキドキしたりしないんだ?」
「するよ、僕も男ではあるからね」
「へぇー?じゃあ……今もしてる?」
勉強を始めると言っているのに、さては僕の時間を無駄にさせる作戦だな。
そう睨んだ唯斗は、教科書の大事そうなところをマークしながら彼女の声に答える。
「してないけど」
「……は?」
夕奈は普段よりワントーン低い声を発すると、机から乗り出すようにして唯斗に詰め寄る。しかし、当の唯斗はと言うと、相変わらず無反応だった。
そんな姿を見て、夕奈は自分が怖い顔をしていることに気がつくと、慌てて平常心を取り戻すべく深呼吸を始める。
「ひ、ひとつ聞きたいんだけど」
「なに?」
「どうして、ドキドキ?しないのかな……なんて」
「だって可愛い女の子といるわけじゃないし」
「……」
想定外の返答に、夕奈は思わず拳を握りしめた。もう少し理性が働くのが遅れていなたなら、コークスクリューを放っていたかもしれない。
しかし、行き場を失った苛立ちと悲しみは自身の体の中で暴れ始め、彼女の視界はゆらゆらと独りでに歪み始める。
だが、唯斗の次の一言によって、消えかかっていた夕奈の意識は現実へと引き戻されたのだった。
「夕奈は可愛いと言うより綺麗だからね」
こやつ、ツンデレかよ!
いわゆるデレの部分を見たような気がして、夕奈はついつい緩む頬を抑えきれなくなってしまっていた。
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