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第三話
冒険者生活④
しおりを挟む◇◇◇◇◇
「あ、あのう…
リーン…さん?これは…どういう?」
「何がだ?」
「リーン様、年齢バグりすぎてるって!」
職員とのやりとりを後方で聞いていた
イルは笑い転げる。
「に、に…ニ万歳って!年増にも程が…」
「…三度目の転生をさせてやろうか?」
リーンの美しい琥珀色に輝く瞳が
冷たくイルを捉えるが…
笑い転げるイルには効果がないようだ。
年増とか…そういう問題ではない。
二人の漫才劇を他所に、
ギルド職員は呆れていた。
明らかにニ万歳など偽情報だろう。
前任の担当職員(心労の為、現在休職)も、
この少女のステータスには、
呆れていたが…
本当にどうやったら、
こんな詐欺情報が罷り通るんだ!
途方に暮れる職員だったが…
ふいに耳元で声がした。
『いいから、そのままお通ししろ』
目だけを動かして後ろを見れば、
ギルド所長がまたもや
睨みをきかしている。
"余計な詮索はするな"と。
休話閑題…
窓口のギルド職員は、
平静を装い、
二人に向き合う。
…これは、触れてはいけない事項なのだろう。
ギルドの職員に採用される程の
賢さを持つ者…職員だ。
オンとオフ、内心と建前は
弁えている。
己の職務に忠実なギルド職員は、
対面のイルに目を向けた。
職員の内心とは逆に、
イルは能天気な表情と仕草で
職員に切り出す。
「職員さん~?
ねぇねぇ?
冒険者レベル1でも受注可能な
ブレイブダンジョン系の
依頼ってないんですか~?」
畑仕事はもう嫌だと、言わんばかりに
イルは身を乗り出し訴える。
「うーん、無い事もないですが…
どれもダンジョン内に入っての
依頼になってしまうんですよ…」
「もうそろそろ僕、
低層の魔物なら倒せる気が
するんですよ!痩せたし!」
ダンジョンは大きく十層に区分され、
凶暴生物…所謂魔物も
奥に行くにつれ強さが増していくのだ。
一層がダンジョン入り口付近の階層であり、
基本的剣術などを
覚えた駆け出し冒険者も多く集い、
程よい弱さの低級魔物相手に
修行を積みつつ、
ギルドで受けた依頼をこなしていく。
本来なら、初心者冒険者にも、
実力があれば
斡旋しない事もないのだが…
残念ながら、このギルド職員は優秀だ。
イルがギルド建物裏手の広場で
剣術練習をしている場面を
幾度も目にしている…
彼は努力をしている。分かっているのだ!
だからこそ、確信する。
確信して、
イル達に"見合う"次の依頼を斡旋する。
「イルさん達にとっておきの依頼が
入ってるのですよ!
何とですね…!
ブレイブダンジョンの…」
「え⁈
ダンジョンの…⁈」
ギルド職員は鉄仮面のような微笑みと共に、
ニ人の冒険者に依頼を告げる。
◇◇◇◇◇
(第三話⑤へ続く)
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