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三話
ブレイブダンジョンへ①
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◇◇◇◇◇
「よ、よし!
武器も持った!革鎧も着た!
ええと、後はランタンはリュックに
取り付けてあるし、薬草と包帯、携帯食料と…」
パタパタと身なりのチェックに
余念の無いイル。
「まだここ…ギルド窓口ですよ?
かなり緊張されてるようですね、イルくん」
ギルド職員は苦笑いしつつも、
新人冒険者の満を持しての門出を
祝福する。
ギルド窓口にて、依頼の最終確認と、
出発を報告してギルド建物を後にする。
先日の…
宮廷魔術士の噂は、
ギルド内でも、持ちきりだったが、
今のところ、
まだ宮廷魔術士一行は
出発したという話しは、でていなかった。
それならと、イルは彼らより先に
ダンジョンに入る為に急ぐのだった。
宮廷魔術士に先にダンジョン最奥まで
攻略されちゃったら、
僕の矜持丸潰れだし!…と、
鼻息荒く、イルは道中を進む。
さて、ギルドから与えられた
二人への依頼とは…
一層付近で出没する魔物、牙ネズミの捕獲…
という内容だった。
「ま、また…あのネズミか…」
依頼内容を聞いた時は
かつてのトラウマが頭を過ぎり
苦い顔をするイルだった。
「次こそは、地面に刺さった剣を
素早く引き抜けるようにせねばな!」
…と、リーンはイルに檄を飛ばす。
ちょっと…
着目点のズレてるリーンの発言だったが、
イルは素直に頷く。
魔物図鑑の絵を改めて見ても、
かなり異形だ。
そして、改めて調べててみると、
以前、戦った魔ネズミとは少し
種族が違うらしい。
「牙がめちゃ大きいんだって…!
わわっ!三十センチくらいあるとか⁈
噛まれないようにしないとだ」
「急所攻撃には注意だぞ。
それ以外は、特に毒もないし…
特殊魔法も使ってこぬから、問題無いだろう」
強力な魔物になるほど、
特殊な能力を使ってくるから手強くなる。
恐怖を覚えながらも、
イルはワクワクしていた。
いよいよ、冒険が始まるのだ!
更にリーンは付け加える。
「依頼は魔ネズミの牙の持ち帰り。
依頼期間は一週間か…
なるべく多めに採取して稼がねばな」
「はい!」
イルは気合いを入れて深い谷山を見上げる。
「余りはしゃぎ過ぎちゃダメよ~」
「怪我しないようにね」
町の門を抜けた辺りで
ダンジョン帰りの先輩冒険者らとすれ違う。
彼らの温かい言葉が背中を後押しし、
足取り軽くダンジョンまでの道のりを行く。
前世では、数多のダンジョンや魔窟を
踏破したのに…
今世の体は、期待と不安と緊張を抱え
本当の初心者のように武者震いしている…。
己の中の遠くの方で前世の自分が
苦笑いする…
そんな、複雑な胸中のイルであった。
◇◇◇◇◇
(ブレイブダンジョンへ②へ続く)
「よ、よし!
武器も持った!革鎧も着た!
ええと、後はランタンはリュックに
取り付けてあるし、薬草と包帯、携帯食料と…」
パタパタと身なりのチェックに
余念の無いイル。
「まだここ…ギルド窓口ですよ?
かなり緊張されてるようですね、イルくん」
ギルド職員は苦笑いしつつも、
新人冒険者の満を持しての門出を
祝福する。
ギルド窓口にて、依頼の最終確認と、
出発を報告してギルド建物を後にする。
先日の…
宮廷魔術士の噂は、
ギルド内でも、持ちきりだったが、
今のところ、
まだ宮廷魔術士一行は
出発したという話しは、でていなかった。
それならと、イルは彼らより先に
ダンジョンに入る為に急ぐのだった。
宮廷魔術士に先にダンジョン最奥まで
攻略されちゃったら、
僕の矜持丸潰れだし!…と、
鼻息荒く、イルは道中を進む。
さて、ギルドから与えられた
二人への依頼とは…
一層付近で出没する魔物、牙ネズミの捕獲…
という内容だった。
「ま、また…あのネズミか…」
依頼内容を聞いた時は
かつてのトラウマが頭を過ぎり
苦い顔をするイルだった。
「次こそは、地面に刺さった剣を
素早く引き抜けるようにせねばな!」
…と、リーンはイルに檄を飛ばす。
ちょっと…
着目点のズレてるリーンの発言だったが、
イルは素直に頷く。
魔物図鑑の絵を改めて見ても、
かなり異形だ。
そして、改めて調べててみると、
以前、戦った魔ネズミとは少し
種族が違うらしい。
「牙がめちゃ大きいんだって…!
わわっ!三十センチくらいあるとか⁈
噛まれないようにしないとだ」
「急所攻撃には注意だぞ。
それ以外は、特に毒もないし…
特殊魔法も使ってこぬから、問題無いだろう」
強力な魔物になるほど、
特殊な能力を使ってくるから手強くなる。
恐怖を覚えながらも、
イルはワクワクしていた。
いよいよ、冒険が始まるのだ!
更にリーンは付け加える。
「依頼は魔ネズミの牙の持ち帰り。
依頼期間は一週間か…
なるべく多めに採取して稼がねばな」
「はい!」
イルは気合いを入れて深い谷山を見上げる。
「余りはしゃぎ過ぎちゃダメよ~」
「怪我しないようにね」
町の門を抜けた辺りで
ダンジョン帰りの先輩冒険者らとすれ違う。
彼らの温かい言葉が背中を後押しし、
足取り軽くダンジョンまでの道のりを行く。
前世では、数多のダンジョンや魔窟を
踏破したのに…
今世の体は、期待と不安と緊張を抱え
本当の初心者のように武者震いしている…。
己の中の遠くの方で前世の自分が
苦笑いする…
そんな、複雑な胸中のイルであった。
◇◇◇◇◇
(ブレイブダンジョンへ②へ続く)
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