伝説の勇者が闇堕ちした日に、ポンコツは爆誕する

空木卯々

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三話

終わりへ進む者④

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◇◇◇◇◇


「もう一度言う…
その解除の護符は未完成だ。
貴様らは騙されている。
しかも、貴様達程度の実力では…
ラスボスを倒せる筈が無い!」

宮廷魔術士は杖を振り、
いよいよ激昂した。

「この…小娘がぁぁ!
世界でもトップレベルの私に向かって、
なんたる侮辱!」

「貴様は知った。
このブレーブダンジョン最奥の敵…
このブレーブダンジョンの真相…
いわゆるラスボスは封印されているという事を

歴代の上位冒険者が最奥まで辿り着きながら、
ラスボスを倒せなかったのは…

その封印が余りに強固で
解除できなかったから」

周囲の知る…
今までのリーンとは少し雰囲気が違った。
その冷たい言葉には威圧さえ感じた。

「そ、そうだ!!
我々は無知だった…
しかし我々の前に救世主が現れたのだ!
彼の者は真実を齎した!
そして、かの旅の吟遊詩人から、
この解除の護符を譲り受けた!」

「…どうせ適当に封印されてる魔物を
数体その護符で封印解除して
見せたのだろう?」

「適当な封印ではない!
大賢者の封印をだ!あの護符は本物だ!
我々こそ、
かの忌々しいラスボスを
護っている封印を解除し、
ダンジョン最奥の魔物を討伐する
選ばれ者なのだ!」

「あの護符を作った者を恐らく…
我は知っている。
誰よりもな…
だが、残念ながら護符が未完成なのは
間違いない。しかも…」

リーンが何かを言いかけたが、
宮廷魔術士は部下に命じる。

「ええい、迷い言など聞く気にならぬ!
これから、私達はダンジョンへ乗り込み
歴史的偉業を成し遂げるのだ!

おい!そこの娘を排除しろ!」

部下らが杖をリーンへ向け呪文を唱える。

「…ふん、転移の術か…
そんな中級魔法…我には…」

「リーン様!!」

敵意を向けられたリーンに、
イルは駆け寄っていた。
まさに、考える前に体が動いていたのだ。

「え⁈イル⁈ちょ…!!」

リーンの注意がイルに逸れた瞬間、

宮廷魔術士の部下の放った術が、
リーンとイルに直撃した。

白い閃光が辺りを染めて数秒…

光はゆっくりと収束し、
辺りは再び夜の闇に包まれた。
               




「他愛ない…やはり、虚栄だったか。
行くぞ。
夜明けまでには、
このダンジョンを攻略する!」

宮廷魔術士一行がダンジョンへ消えていき…
静寂が息をし始める。


◇◇◇◇◇


(終わりへ進む者⑤へ続く)
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